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未知との遭遇③(後編)

(承前)



 異なる世界の住人同士が初めての遭遇を迎えた事により、かくして実現に至った暫定的なトップ会談(・・・・・)は。


 互いに、文字通りの「手探り状態」であると言う条件からの緊張感は伴いつつも。

 とりあえずは友好的な雰囲気で、その幕を開けた。


 まずは相互に自己紹介を交わした上で、本郷(ほんごう)2将はフィオナたちに切り出す。


「簡単なお話は、そちらの結城(ゆうき)2尉らが既に伺い、またさせて頂いたと聞いておりますが……」


 そんな言い方でもって水を向けたのは、まずは改めての彼女たちへの事情聴取となるのと同時(とも)に。

 その述べる処に応じての、自分たちの側についてもの事情説明を……と言う話でもあった。


 ここでまず、殊に重要だったのは。

 〝救助した〟格好となっている彼女たちもまた、あくまでも他の土地(・・・・)からの「漂着者」の立場なのであって――。

 元よりこの地の「先住者」だと言うわけでは無い、その点の確認だった。


 何しろ、もし仮に彼女らがこの土地の「先住者」であるのだとしたら。

 この未知なる(フロンティア)大陸が「無主(無人)の地だ」と言う、前提(認識)でもって入植を検討し。

 その為の事前調査を進める為にやって来ている、自分たちの行動そのものが。


 実は〝意図せぬ侵略であった〟と言う事にも、なってしまいかねなかったからだ。


 もちろんこちらへと向かう、その途上において。

 彼女らと結城小隊の面々との間で、互いに交わされていたやり取りにて。

 既にざっくりとではあるが、漂着して来た立場である旨は聴き取っており。


 それを元に悠斗(はると)が、搭乗したV-15J改(〔パール〕)の機内で取り急ぎ作成した報告文によって。

 本郷2将や多岐(たき)氏らの間でも、その情報(内容)は直前に確認(共有)されてはいたのだったが。


 やはり「政治的な配慮」と言う意味合い上でも、記録にも残される〝公的なやり取り〟の中において。

 改めて可視化(・・・)をする形で、明確にされておかなければならない事でもあった。


 そして、幸いにしてと言うべきか。

 フィオナ候女(ひめ)が、改めての救援に対する礼を述べた上で語った彼女らの事情(・・)状況(・・)は。


 三か国(元地球人たち)側が「フロンティア大陸」と仮称している、この地へと。

 彼女たちはあくまで〝偶然に漂着〟しただけであり。


 そもそも的に「この地」の存在自体、把握してなどいなかったと言う事を明確に示しており。

 その面での一番の懸念を、払拭するものであった事には。


 派遣部隊全体を代表して応対に出て来ている、トップ3人はもちろん。

 その様子をモニター越しに見守っている者たちも含めて。合同調査部隊側としては、揃ってひとまず安堵させられる処だった。



 逆に、フィオナたちからすれば。

 当初に想像していた〝それ〟とは、全くの別物(・・・・・)ではあったものの。

 自分たちが流れ着いた「この地」の、その(ぬし)たる存在(相手)に対して。


 不可抗力的に(故意にではない)とは言え、無断で上陸した格好である事を。

 (とが)め立てられる立場かと思っていたのが、実はそうではなく――。


 むしろある意味では、お互い似た様(・・・)な立場(・・・)の者同士だと。

 そんな風にも言えてしまいそうな関係性でさえあったと言う、〝意外過ぎる事実〟に。


 驚きは驚きに違いないものの、むしろ諸々と(あらかたに)得心がいく(納得もさせられる)と言う思いだった。


 「この地」の事は、そもそも的に認知の範疇外(未知なる場所)であった様に。

 遥かに隔てられた〝距離の問題〟は有るとしてもだ。


 話に聴くのみな、雲の上(・・・)の存在(・・・)である「中央世界の列強国」たち。

 それらが有すると言う、懸絶(けんぜつ)した魔導文明の精華とも見まごう様なこれほどの文明力(パワー)を以て。


 現にこうしてここまで(・・・・)の規模で(・・・・)、その本国から海を渡って進出して(乗り出して)来ていると言う「彼ら」が。

 元よりエリドゥ(「この世界」)住人(・・)であったのならば。


 どれほど遠くに在ろうと、その〝存在〟を示す(窺わせる)何かしらの兆候(余波)なりは。

 時間(長い歳月)を経さえすれば――どんな形であれ、いずれは伝わって来ている筈であろう。


 しかし、これまでそうした片鱗の一切すら全く(何も)顕われない(生じていない)などと言う事は。

 およそ有り得ない(考えられない)話である。

 

 ましてや、「魔法」も「魔導」も一切〝知らない〟などと言う――。

 およそ想像だにさえもしなかった様な()を述べていながら、その一方では。


 エンヤ船長やドノヴァン副長の様な、魔導と言う技術(もの)に関わる人々が。

 未だ夢想(ゆめ)に抱くのみな遥かその先(・・・・・)を、体現して見せているかの如き信じがたい産物(代物)の数々を。


 実物で(現実に)目の当たりにさせて来ると言う、まさに異質な存在と呼ぶしか無いであろう〝彼ら〟は……。


 エリドゥ(ここ)とは異なる「別の世界」から。転移して来た(・・・・・・)ばかりなのだと言う、その説明(述べる処)を。


(信じ難い話ではありますが。それでもここまで目にし、体感もさせられ続けて来た諸々(数々の物)を前にすれば――

そうなの(・・・・)だろうと(・・・・)、信じさせられるよりかは他にありませんものね……)


 と、流石に現実として受け容れざるを得ない騎士主従(彼女たち)としては。

 半ば諦めの境地にも似た、そう言う心境だった。


御伽噺(おとぎばなし)に聞く、稀人(まれびと)たちの事を想い起こせば――その様な事も(・・・・・・)在るのかもしれないと。そう考えるべきなのでしょうね……)


 フィオナたちは、揃ってそんな風に解釈する事で。

 懸命に眼前の「現実」を理解し、納得する為の努力(・・)を続けていた。



 彼女らが言う、「稀人(まれびと)」たちとは――世の巷間(ちまた)に語り継がれている、

ある時唐突(不意)にふらりと姿を現す、変わった風体(・・・・・・)風変わりな(世慣れしてない様子の)。しかし不思議な知識や、技術を持った存在(ヒト)たちの「言い伝え」の事だ。


 それまでは誰も思い付かなかった様な、便利な道具や概念(用い方)と言った類いの。

 今では当たり前(・・・・)となっている様々なものの〝その始まり〟が。


 そんな「稀人(まれびと)」たちの介在に拠るものなのだ……と言う民間伝承(フォークロア)は、実際に幾つも遺されている。


 殊に、現在ではかなり普及(一般化)するまでになっている、便利な発明品なども含めて。

 新奇なる魔導具と言う代物(モノ)が誕生する、その大元の着想(始まり)において。


 そうした「稀人(まれびと)」からの助言であったり。

 あるいは「こういう物が無いだろうか?」と言う様な、彼らから提示された要望が。

 そもそものきっかけ(・・・・)として、相当に影響を及ぼしていると言うのは。


 為政者や、それに類する側の立場にある者達。

 また専門家(魔導技師)寄りの魔法能力者たちの間では、密かな常識(・・・・・)でもあるのだった。


 勿論、フィオナたち自身や、その身近な年長の者たちとて。

 実際に自らがそういう存在(・・・・・・)と、出会った経験があると言うわけではないにせよだ。


 そうした一般に馴染んで(共通認識とされて)いる概念(感覚)に基づけば。

 今、こうして目の当たりに実感(・・)させられ続けている諸々も――。


(それこそ、無数(あまた)の「稀人(まれびと)」たちが。その母国もろともに……と言う、

〝想像を絶する程の大規模さ〟でもってやって来た格好であると。そういう事になるでしょうか?)


 そんな風に考えを巡らせる事で。

 フィオナたちはひとまず目の前に在る現実(・・)咀嚼(そしゃく)し、納得して呑み込もう(受け入れよう)としていたのだった。


 もちろん、そんな風に応ずる事が出来ていたのにも間違いなく。

 この地へ辿り着く前夜の洋上――〔ファルカン号〕の甲板上で目の当たりにした、忘れようもないあの(・・)例え難い「異様な光景」の。

 生々しいその記憶も、確実に加味されていたのだが。


 それが、普通(つね)ならば「(おお)法螺(ぼら)吹きもいっそ見事だ」と、笑い飛ばすだけで終わりそうな、

一国〝どころか〟一つの領域(・・)丸ごとの転移などと言う、彼らの述べる処を大真面目に聞かせるその所以(ゆえん)ともなっていたのだった……。



 もっとも、逆説的にだとも言えるのだけど。

 その語る通りに、異世界からやって(転移して)来たと言う話が事実であるのならば――。


 果たしてそれ(・・)が、〝どの様なもの〟であるのか? と言う事に関しての想像は、とても尽きない(及ばない)が。

 少なくとも彼らの言う様な、魔法の力が一切存在しない「世界」も実在していて。


 そしてそんな異世界(かなた)より、転移して(迷い込んで)来た者達(人々)であるが故に。


 実在する()としての「魔法」を。そもそも的に〝知らない〟――当然ながら、

それを前提とする「魔導」も……と言う事になるが――無縁の概念(もの)だったと述べているのも。


 逆に彼ら(・・)にとっては、〝それが当然の事〟だと言う事になるのは。

 確かに話としての辻褄(つじつま)は合っているだろうし。


 加えて言えば、森人(エルフ)であるシルヴィアと、獣人(テイルス)であるターニャの。

 それぞれの姿形(容姿)を目にして、やはり同様に驚きの表情を示して(浮かべて)いたり。


 最初に共闘して(・・・・)(たお)した、小鬼(ゴブリン)たちの様な「亜人種」と言う存在の事についても。

 やはり無縁(未知)だったと言うのも同様に、彼らが居たと言う元の「世界」とは――。


 常人(ヒューム)(彼らのその姿形(容姿)から察するに、そう見て間違いないだろう)の〝単一種のみ〟が、人間(ヒト)として存在している。

 そんな世界(・・・・・)だったと述べているのを、裏付けるものだとも思えた。


 余りにも予想外な、想像の斜め上を行くものだった……としか言い様の無い〝現実〟ではあるが。

 しかし一方ではそのスケールが、「まさに開いた口が塞がらないと言うやつだ」と表現する以外(ほか)に無い話であるだけで。


 起こった事、それ自体は。感覚的にはまだ一応、受け容れられそうな話でもあると。

 ひとまずはそう呑み込む事が出来たフィオナたちの示す、そんな〝ものわかりの良さ〟は。


 逆に本郷2将たち三か国(日・米・台)の側からすれば、些か過ぎるもの(・・・・・)である様にも思えたのだったが。


 しかしそれも、彼女たちが「エリドゥ」と呼んでいる〝今のこの(こちらの)世界〟で。

 世の人々の間に在る「稀人(まれびと)」たちの伝承と言う、下地(・・)があってのものだと説明されれば。


 さながら合わせ鏡を見るかの如しで、こちらも同様に納得をさせられざるを得ないと言うより他に無かった。


 何しろ、現に今こうして自分たちが異世界にと転移してしまっているわけだからして。

 文字通りの〝摩訶不思議な「現実」〟の下に置かれていると言う話であるのは、その通りだと認める以外にないとしてだ。


 ならばまず、最優先に考えねばならないのは――。

 そんな状況(現実)の下でどうする? と言う事の他(以外)には有り得まい。


 そんな具合に、双方いずれもの現実認識と受容が。

 一先ずは互いに折り合えそうな一致点(・・・)を、それぞれなりに見出せるなと言う感触が明確に得られた事で。


 会談の方も、ここまでの流れをそのままに。維持し続けて行ける格好となっていたのだ。



 そしてそれは、本郷2将たちはもちろんの事――ひいては彼らを送り出している、日本国や台湾国ら(「元地球人たち」全体)にとっても。

 一番の朗報(・・)であった事は間違いなかった。


 フィオナ候女(ひめ)たちの語る処を信じるならば。

 エリドゥ(この世界)の、転移して来た自分たちが出現した(・・・・)地域(エリア)から見て南方の――現状での既知範囲の外ではあるだろうが、そちらに。


 彼女たちの母邦である「マズダ連合」と言う国家が位置する、別の大陸――。

 当地の住人たちは「セントロ大陸」の名で呼んでいるそれ(・・)が存在していると言う事になり。


 今後、エリドゥ(この世界)における周辺探索の範囲を更に拡大して行く上での。

 ひとまずの注力点(ポイント)として焦点を当てるべき、文字通りの指針(方向性)が見出せそうだと言う話であったからだ。


 聞くところでは「マズダ連合」とは、その名の通りに。

 都市国家や小領邦が大規模な(・・・・)連合体(・・・)を構成すると言う政体を採っている、同大陸内でも最大の国家だそうで。


 そしてお付きの女騎士たちからは「姫様(ひいさま)」と呼ばれている、フィオナ嬢自身は。

 その連合体の有力構成邦の一つである、港湾都市国家ナージゥを構成するフジョー候領の領主(ロード)、ラハミ家の令嬢(候女)で。


 マズダ連合の国軍たる「統衛軍(とうえいぐん)」などを管轄する、連合政府の機関である「軍務委員会」に。

 自邦(ナージゥ)より選出の連合委員として、出仕しているのだと言う。


 つまり、マズダ連合と言う国は――その規模は知らないが、

ヴェネチア共和国に代表される中近世のイタリアに栄えた都市国家群が、

バルト海沿岸に広がっていたハンザ同盟を思わせる連合体を構成している様な感じであろうか? と言う事と。


 そして当のフィオナ嬢自身は、(小国なりとは言え)立派に〝お姫様〟なのだと言う事であった。



 無論、相手は異世界の存在(・・・・・)であるが故に。


 自分達が元(従来の地球世界)居た世界の(の歴史における)〝既存の概念(イメージ)〟を、安直に当てはめて考えると言うのは。


 予断と(諸刃の剣と)なる事にも繋がりかねない危険性も、普通に秘めている筈であるわけなので。

 厳に戒めねば(充分に留意せねば)ならないものでもあるだろうけれども。


 とは言え、この世界(・・・・)の「国家」が複数形で群立している〝別の大陸〟が。

 実在すると言う事であるのには間違いない話になるわけであるから。


 この異世界(エリドゥ)においても、国交(外交関係)を結び得る可能性を持つ存在(相手)が居ると言う事実だけは確定した。


 たとえその相手が、所謂エルフや獣人と言った広汎な(・・・)ヒト型類種(ヒューマノイド)たちをも含み(交え)――更には「魔法」の力を振るう者たちさえも実在していると言う、

所謂「ファンタジーな世界」を。まさに体現する様な者達(人々)であるのだとしてもだ。


 こうして言葉(やり取り)を交わし、互いに意思の疎通を図る事の出来る存在(相手)がちゃんと居てくれる……。

 元地球人(自分たち)は、この世界でも決して〝孤独な存在〟では無かったのだと言う「事実」こそが。

 まず何よりも重要だったのだと言えよう。


 およそ全てが〝未知なるまま〟であった、不意に迷い込みしこの異世界(新たなる世界)において。


 少なくとも一つの方向(・・・・・)に向かう為の、目指すその先へ(彼方から、一筋)の展望が開けた(の光明が差した)

 まさに歴史的な一里塚と(マイルストーンに)なった、この地における双方の(二つの世界の)最初の遭遇(出会い)であったのだった。



 そうして、当面での最大の懸念(・・・・・)であった問題(こと)を。

 ひとまずは解消する向きにと繋がりそうな、端緒(糸口)を掴めたからには尚のこと。


 それ(・・)をより確かなものにする為の、働きかけ(誠意と好意)をと言う方向へも。

 可能な限り最大限に! と言う加速(ブースト)が乗せられる格好ともなるので。


 そんな観点に鑑みれば、基本的には親切心(お人好しさ)に根ざしての提案ではある事にも。

 色気(・・)付いた成分が加味されての、より前のめり気味な傾向が出て来る様にもなるのは。

 まあ、ご愛敬だと(やむを得ない事だと)は言えただろう。


「……成程、ここに至ったそちらのご事情については良く判りました。

そしてこの世界(・・・・)――エリドゥについての説明(お話)もまた、非常に興味深いです」 


 半ば的に質疑応答の(てい)ともなっていた、一通りのやり取りを振り返る様に。

 謝意を交えてそう述べた上で、多紀は気になってもいた部分へと水を向ける。


「しかし、こうして思いがけない状況(・・)となったが故にではありますけれども。

その〔ファルカン号〕の方々は、そんな事は知る由もないまま皆様方のお戻りを待っておられるのではありませんか?」


「確かに、タキ殿の仰る通りかと思います。本来であれば定時連絡(・・・・)を入れている処ではあるのですが……」


 フィオナがそう首肯したのを、ターニャが渋い表情で引き取って言う。


「残念にゃ事に、魔導具(・・・)は壊れてしまったので。お手上げなんですにゃあ……」


「ターニャ、それは言っても仕方がない事でしょう? それにマリオ卿はそのおかげ(・・・・・)で、

からくも助かった様なものでもあるのだから……」


 同僚の言葉には頷きつつも、シルヴィアが更に応じて返す。


 そんな風に言い交わし合う彼女らの言葉から。

 どうやらエリドゥ(この世界)にも、何かしらの遠隔通話(・・・・)手段(・・)が有るのだろうか?

 

 興味を覚えた表情を浮かべる多岐氏と、表情は変えずに反応する様子を見せている両将官に対して。


 岩瀬2曹と共に、壁際で直立不動の姿勢で立ったまま黙ってやり取りを見守っていた悠斗がそこで、

(よろしいですか?)と問う様に手を上げる。


 本郷2将からの、(うん、聞こう)と言う首肯での許可を受けて。

 悠斗は補足する為に述べた。


「先程、お三方より伺ったのですが。この世界では『魔導(まどう)双話(そうわ)』と呼ばれる、

端末相互間での無線式(・・・)音声通話(・・・・)を可能とする魔導具(まどうぐ)――つまり、〝魔法の力を秘めた道具〟が在るそうなのです」


(ッ!?)


 それを直に聞いた三人はもちろん、ひいてはモニター越しに見守っている多くの者たちも一様に。

 混じり気無しで、率直な驚きを覚えさせられる話であった。


 悠斗たちが先刻、初遭遇(接触)の報告がてらの救援要請を基地(こちら)とやり取りしている様子を。

 眼前にしたフィオナたちが、無線機(その道具)に対しての興味深げな目を向けながらも――

無線通信(その行動)それ自体(・・・・)に対しては、特段怪訝(けげん)な顔を見せる事も無いと言う〝意外な(興味深い)反応〟を示していた処から。


 ひとまずの交信を終え出発してからの、道すがらに尋ねてみた処。

 判明した(返って来た)驚くべき(・・・・)事実(情報)となっていたのだ。


 後々になって、そのより詳細な(・・・・・)〝実体〟が判明してみると。

 流石に現代(いま)地球人(自分たち)が一般的に用いているような通信機器ほどに〝柔軟(便利)〟とまでは行かずに。


 鍵と鍵穴、阿吽(あうん)の形、(おう)(とつ)――例えるならばその様な形態(特性)の、必ず一対(ペア)で造られる特殊な魔導具の端末であり。


 その相互間での通話(やり取り)のみが~と言う、あくまでも限定された(・・・・・)格好での代物(もの)でこそはあったものの。


 とは言え、それでもリアルタイムでの相互間の無線式遠隔音声通話を可能とする手段(システム)が(そして概念も)。

 異世界(こちら)では、既に実在していると言う点において。


 悠斗たちは先程、眼前で直に目の当たりにするのみならず、その対象(被術者)ともなって。

 また彼らが装備していたウェアラブルカメラによる記録映像を通して他の者達も、これから順次目にする事となる「魔法」と言う〝力〟に続いての――第二の衝撃(セカンドインパクト)


(「魔法」の力、おそるべし……!)


 と、唸らされるより他に無い様な代物(現実)なのだと。ただただ唖然とさせられるものであったと言えよう。


 現代地球世界の、その発達した科学技術の産物を手に出来るまでに至っている、今の自分たち(・・・・)なればこそ。

 だとしても揺るぎはしないレベルでの〝相対的にして総体的な優位性〟自体は、保つ(有する)事が出来ているだろうと。

 そう目される処ではあるものの……。


 とは言え、この時空転移があとほんの(・・・)もう少し(・・・・)――。

 宇宙レベルで考えれば〝誤差の範囲内に過ぎない〟処であろう、1世紀ちょっとばかり早くにもし生起していたならば。


 情報伝達と言う分野において()、成す術もなく地球人(こちら)側が。

 一方的に不利な立場に立たされる筈であっただろうと言うのは、確実だった。


 ましてや、負傷者を短時間で治癒させたりするだけではなく。

 実体こそはまだ未見(・・・・)ながらも、炎の塊などを生み出し投射する攻撃術と言ったものも当然在ると言う話で。

 そうした「魔術」の力と言う〝代物〟(ファクター)までもが、加わって来るわけなので。

 

 文字通りに、「異世界(エリドゥ)、侮りがたしだ!」と言う姿勢(意識)でもって。

 今後の異世界人たち(彼女らの「社会」)に対しては、相対して(向き合って)行くべきであろうと言う事を、まざまざと実感させられる……。


 まさに、そんな衝撃(インパクト)であったわけだ。


 まことに残念な話であったのは、彼女たちが言う通りに。

 当のその魔導具――魔導双話具が破壊されてしまっていたせいで。

 ここで実際に使って見せて貰うと言う、デモンストレーションが不可能であった事だろう。


 彼女たち一行が携行して来ていた、その片割れ(・・・・・)は。

 現在も手術を受けている最中の、騎士マリオが懐に携帯し(身に付け)ていたのだったが。


 幸か不幸か、彼が亜人種(ゴブリン)たちから胸板に受けた弩弓(クロスボウ)太矢(ボルト)によって。

 その魔導双話具の筐体も、一緒に破壊されてしまっていたからだ。


 見方を変えれば、シルヴィアも言う通り。偶々(たまたま)運良く、魔導双話具の筐体が。

 同様に射貫かれた胸甲と共に、身代わりの盾(・・・・・・)となって砕ける格好でもってその威力を幾ばくか減衰させていたおかげで。

 騎士マリオも、どうにか即死だけは免れる結果になっていたのだとも言えたわけだけど。


 三か国(日・米・台)側としては、フィオナ姫一行(たち)を捕虜にしたとかそういうつもりは全く無く。

 あくまでも救援しただけ(・・・・・・)と言う認識でいたわけなので。


 使える状態であるのならば、魔導双話とやらによる状況報告の連絡を。

 その〔ファルカン号〕なる母船と交わして貰っても、全く構わなかった辺りからしても。

 非常に〝残念な状況〟であった事は間違いないと言えただろう。


 期せずしてそんな思いがけない方向にも、話題が脱線する格好となって行ってしまっていたけれども。

 そうした〝便利な手段〟が、しかし現状では「有れども使えない状態である」と言う事が判れば。


 ならば話は、それが無いのと同じであると考えるだけ――。

 すなわちその〝前提〟へと回帰した格好に即せば良いだけだと言う、ある意味単純(シンプル)な結論に繋がる。


 素早くそう思考と算段を組み上げて、本郷2将はフィオナたちへの提案を口にする。


「それでは、我が方からのご提案(・・・)なのですが……」


「はい」


 それぞれ頷いて。

 果たして何を(どんな)要求(提案)〟をされるのだろうか? と、心の内で身構える(・・・・)騎士主従。

 しかしそれは、拍子抜けと言うしかない様な体でもって瞬時に解される事となる。


「その〔ファルカン号〕乗組員の方々も、この基地へとお迎え致しましょう。

フネ自体もまだ航行に耐えうる状態であれば、我々の軍艦(護衛艦)でこちらまで曳航(えいこう)致します」


 穏やかな表情を浮かべたまま、そう言って寄越されたホンゴウ将軍からの〝提案〟は。

 フィオナたちにしてみれば、まさに予想外(・・・)と言うより他に無い代物であった。


 彼ら(高官たち)からの「提案」とは、本当にそのまま〝字義通り〟に「純粋な提案(それ)」でしか無かったのだから……。


 そんな事実に、〝違う意味での衝撃〟を受けている彼女らへ。


 更に追い撃ちをかけるかの如くに、本郷2将の隣に座る多岐外交官も。

 その言葉に頷きつつ、補足する様に引き取って言う。


「そうですね。お話にありました、その〝魔導機関〟とやらに関しては……流石に判りませんが。

船体自体の修理や整備に関してならば、我々にもご協力出来る事は諸々(いろいろ)と有ろうかと思われますし」


 武官(将軍)文官(外交官)――ニホン国の「政府」を代表して来ている立場であろう筈のいずれもが。

 揃って一致したそんな姿勢を見せて寄越しており。


 また、その同盟国(・・・)だと紹介された合衆国(ステイツ)を代表していると言うブラウン将軍も。

 それに異を唱えるそぶりも見せないでいると言う辺りで。


 信じ難い程の〝寛容さ〟でもって一貫している、彼らの姿勢(態度)は。

 決して上辺だけのポーズなどではなく、偽り無しの本気(・・)であるのだと。


 フィオナたちとしても悟らされ(理解させられ)ざるを得なかった。


 そして、その提案自体も。全乗員(人員)迎え入れる(受け容れる)と言うだけに留まらず。

 フネ自体が動かせるのであれば、それをも一緒にこちらまで曳航すると言う話までをも。

 当たり前の様に含めて来ると言う、ぶっ飛んだ(・・・・・)ものであったわけだが――。


(いえ、先程目にしたあの(・・)〝浮かべる城砦(しろ)〟が如き、彼らの「灰船」たちになら。

それすらも、容易い事(おやすい御用!)に過ぎない。と言う話なのかもしれませんね……)


 ここまでに見聞きし、また体感もさせられて来ていた諸々を。

 文字通りの〝異次元さ〟を体現していると言うしかない、彼ら(・・)(実態)を前にすれば。


 既に個人として(・・・・・)ならば、充分に納得の行く話ではあったので。


 後はもう〝公人〟としての立場と観点からの、問い質す(尋ね確かめる)べき事(・・・)が残るのみだった。


「大変ありがたい限りのお言葉なのですが……、これ程の〝御厚意〟をお示し頂いている事に対して。

果たして、どの様にお返し(・・・)をすれば良いものなのか? 流石に見当も付かずにおります」


 フィオナはあえて、礼儀は守りつつ(感謝の意を示しながら)も。

 公人としての思考の方においては外せない(・・・・)要素(部分)へと踏み込んで、そう尋ね返す。


 彼女は〔ファルカン号〕の、その実働公試も兼ねての処女航海に。

 マズダ連合政府から派遣の検分官として、同乗していた立場であったわけだが。


 それには同時に、本来予定していた(・・・・・・)その〝渡航先〟においての。

 外交官としての立場と権限も、任務の内に含まれていたわけなので。


 なので彼女としてはこの状況に対してただ無為のまま、流される格好に甘んずると言う事は出来ない。


 本来の想定(予定)とは〝場所も、その相手も〟全く異なるものとなってしまっている構図だし。

 またその難度(レベル)も文字通り、桁違いに(・・・・)跳ね上がっている格好のそれでもあるわけで――。


 半ば予定調和的な(様式化している様な)、形式的な間柄(もの)ではなく。

 文字通り「前代未聞な〝未知なる相手〟」と、対等とは言えない立場で向かい合っている状況なのだから。


 単に自分たち4人(一行)の、そして〔ファルカン号〕とその全乗員たちの運命を……と言うのみならず。

 もはや連合(母国)未来(今後)そのものすらをも左右する事にもなりそうなやり取りを。

 今まさに交わしている、真っ最中なのだと言えたわけだが。


 それでも憶さずに、背負って向き合おうとする者の矜恃(覚悟)が伝わって来る、そんな彼女の姿は。

 場にいる誰しもが、ある種の感銘を覚えさせられるものであった。



 そしてしばしの沈黙は、合衆国軍側を代表する立場として加わっていたブラウン少将が。

 苦笑気味に破顔しつつ、並んで座る日本国側の二人に対して掛けた言葉でもって破られた。


「……成程、〝タダ〟ほど高く付く(・・・・)ものは無い(・・・・・)と言うのも。それはそれで道理でしょうからな」


 こちら側が提示して見せている〝好意〟が。

 話がうますぎると言おうか、何の見返りも求めずに……と言う体でもって示すものとしては。

 あまりにも破格すぎている(・・・・・・・)様に思えてしまうと。


 救われた事それ自体については。無論、感謝しているのは当然だとしても。

 〝それ〟に付帯して来ている諸々の対応が、手篤いものであり過ぎて(・・・・・)


 そこまでしてみせる事で。それで一体、彼らの(ニホン国らの)側にとってはどの様な利が有るのだろうか? と。

 逆に身構えてもしまわざるを得なくなると言うのが、率直なフィオナたちの心境であった。


 そして、おそらくはそんな処なのではなかろうか? と言うのは。

 もちろん本郷二将たちにも推察出来るものでもあったので。


(なればこそ、ここはこちらも率直に。そんな基本的なスタンスの所以も含めて、示すとしましょうか?)

 

 と、苦笑を浮かべたままにそう促すブラウン少将に応じる様に。

 本郷2将も一つ頷いて、そうしてフィオナたちに答えた。


「いえ、我が方としては別段なにか〝見返り〟などを求めているわけではありませんので。

……そうですな、さしずめ我々(・・)は。迷い込んだ未知なる海域を、当ても無きままに彷徨(さまよ)っている船乗りたちの様なものでしょうか?」


 陸自(オカ)の自分が、船乗りに例えて言うのも何ですが……。と苦笑めかして、本郷2将は続ける。


「そしてそんな途行きの途上で、偶然にも同じ様に漂流している人間(ヒト)たちを発見して。

自分たちの船に収容した(迎え入れた)格好ですが、そうやって救助した相手から事情を伺ってみた処――

付近にもまだ他のお仲間も居ると言うお話であったので。ならばその人々も……と言う流れになるだけだと、まあそういう事ですね」


 そこまでの例え話になぞらえたその上で。

 本郷2将は、本質でもある結論(・・)を口にする事でもって、逆に問い返す。


「さて、ここでのそんな行動(・・・・・)に。何か特段の『理由』が必要でしょうか?」


 あくまでも穏やかに、人好きのする笑顔を浮かべて言う本郷2将のそんな言葉は。

 何とも率直に、フィオナたちの胸に響いた。


 それは同時に、彼女らが父祖から受け継ぎ大切にして来た価値観とも合致するものでもあったからだ。


 フィオナたちがそうして心動かされる様子(反応)を見せた処へ、更に切り込む様に。

 再び多紀外交官が、引き取る形で言葉を継ぐ。


「そうやって保護した漂流者たちは、いずれその故国へと送り届けさせて頂くのが基本なのですが……。この場合は、

それが我々の側にとっても。ある意味、ひとまず目指すべきその先(・・・)となるものが定まった(見つかった)格好でもあると言う話になっているわけですので」


 それもまた、〝当然の事〟である以上。


「果たして、どこまで(・・・・)が〝好意〟で、どこから(・・・・)が〝思惑〟か? などと問われても。

一体的(シームレスに)過ぎる、区分し難い話でもあるのは事実ですから」


 多紀は、そんな「大前提」を踏まえた上での。

 見返りだと言うなら見返りであろう、自方としての〝希望する処〟を率直に提示する。


「お話させて頂きました様に、突如転移して来てしまった未知なるこの世界で生きて行く、その為に。

 我々は共存相手(パートナー)なってくれる(・・・・・・)存在(相手)を求めていました。そしてその中で、思いがけずもこうして。

 マズダ連合と言うお国の方であるフィオナ姫ご一行と、出会う事が叶いましたわけです。

 従いまして、我々としてはこの出会いを契機として。願わくば、貴国マズダ連合との外交関係を持ちたいと考えております」


 眼前で危難にあるヒトを助けるのは、まず〝当たり前の事〟として。

 その上で、それを通じての関係樹立の為の「端緒(交渉)」を、希望させて(・・・・・)頂く(・・)に当たっての。

 こちら側がまず示すべき、誠意でもあるだろうと言う事ですね。


 そう説明する多紀の言葉は。

 フィオナたちにとっては、別の意味合いでの衝撃も伴いつつも、率直に納得の行くものだった。


 送り届ける事までもが可能な(出来る)その範囲(度合い)においては、当然限りがあるとは言えども。

 基本的な行動原理、価値観(考え方)においては。異世界人であると言う彼らとも、大して違いはない(・・・・・)のだと言う事が示されて来たからだ。


 目の前に困って(漂流して)いるヒトがいたなら、助ける(救助する)

 そして助けたからには、責任をもって以後の事にも、出来る限りの助力(こと)はする。


 そんな「馴染んでいる価値観」との、親和性を見出(実感)させられたその上に。

 ある意味での〝新鮮な衝撃〟であった、彼らのその物言い――外交関係樹立の為の「交渉」を希望する(・・・・)と言う、謙虚に過ぎる様な言葉を自ら述べたのだから。


 ここまでに実際に見聞きし、また実感もさせられて来た諸々からすれば。

 「魔法」と「魔導」を用いずとも、既に列強国(雲の上の存在)並の〝相手〟だろうと見るべき以外にはあるまいと目される、そんな彼らが。


 上辺だけでは無しに、あくまでもこちらを「対等な存在」として尊重しながら接する姿勢(態度)を見せ続けていると言う、

自分たちの〝感覚〟からすれば、逆の意味合い(・・・・・・)で驚嘆させられるしか無かったそんな事実は。


 何とも清々しい感慨(気分)をも覚えさせられる、まさに良い意味での斬新な衝撃(・・・・・)そのものであったのだ。


「いささか先走った話にはなってしまいましたが。ひとまずの処は、フィオナ姫ご一行には一度〔ファルカン号〕の元へとお戻り頂いたその上で。

 当方からの「提案」をお伝え頂く為の御手間を(・・・・)お願い出来ないでしょうか? と言うのが、我が方からの〝ご提案〟となります」


 そして多岐外交官から「ひとまずの提案」のその本丸となる、続けられたその言葉が。

 最終的な決定打であった。


 魔導双話(遠隔通信手段)が使えなくなっている以上、直接に戻る以外(ほか)には。

〔ファルカン号〕で待つ同胞たちに自分たちの無事も、そして今のこの現状についても伝える術は無いわけで。


 籠の鳥を解き放つと言う事の諾否はさておくにしても、物事の筋としてはそうする以外には無い話である事を。

 こちらに対してわざわざ「お願い出来ますか?」と、あくまでも丁重に要請(・・)して来る(・・・・)と言うそんな態度(姿勢)こそが。

 彼らが奉ずると言う、〝その有り様〟の。何よりも雄弁な証明であろうと思えた。


「無論、我が方からの使者としての任も兼ねてとなりますが。

その間の警護兼案内役として、結城2尉(くん)の隊を付けさせて頂こうかと思います」


 本郷2将としても、自方(こちら)から依頼(提案)をさせて頂く格好である以上は(ことから)

 フィオナたちの身の安全(・・・・)には、特に配慮する姿勢を示す。


 そこまでの〝丁重な姿勢〟を示されては。

 フィオナたちとしても首肯すると言う以外の選択肢は、もはや有り得なかった。


 どのみち彼我の立場は、そもそも的に対等では無い(・・・・・・)のだ。


 そして、元より漂着したこの地から帰還する術を探る為にと始めた探索行の、希望(目的)でもあったこの地の(・・・・)文明(ヒト)」との遭遇(接触)は――

余りにも予想とはかけ離れた〝それ〟であったとは言えども、兎にも角にも実現はしていたのだから。


 しかも、まず第一に(そもそも的に)そういう相手が実在しているのか? と言う事があり。

 そして仮に(運良く)実在(・・)はしていたとしても。それが〝友好的〟な相手である保証など、何処にも無かったと言う事まで考えれば。


 現在(いま)の状況は、十二分以上に幸運であると(・・・・・・)。そう思うよりか他にはあるまい。


 そう納得をする(胸中での折り合)事が出来た(いが付けられた)フィオナとターニャは、立ち上がっての騎士礼を――

車椅子のシルヴィアは、代わりに上体を折って同意を示しながら。

 主従は揃って「よしなにお願い致します」と唱和する。


 かくして初めての遭遇(出会い)を果たす事となった、元地球人たちとマズダ連合(エリドゥ世界)の人々の双方(両者)――。

 異なる世界の住人たち同士による「国と国同士としての関係」の、その始まり(・・・・・)は。


 互いにとって最も幸運な、ひとまず良好(友好的)な形でもって。そのスタートが切られる運びとなったのだった。

互いに未知なる存在(相手)同士が、初めての接触を果たしたその時に。

まがりなりにも意志の疎通が出来るかどうか? に関しては。


「異質な相手」を、それでもその言葉にと虚心坦懐に耳を傾け、まず理解をし合おうと模索する。

そんな意志と意識が双方ともに有るか否か? で決まるのでは無いかと思います。

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[一言] >稀人 既にこの世界にはそれなりの地球人がやって来ていたという事ですか。転移メカニズムそのものに触れる機会が今後ありそうですね。それに稀人の子孫とかも登場してきたりするのでしょうかね。 >…
[良い点] 科学技術とは別の魔法技術が進んでいる世界……二つが出会って、お互いカルチャーショック(?)を受けているのがホントに読んでいて楽しいです。 「どのようにお返しすればいいのか見当もつかない」と…
[良い点] ヤングマガジンで掲載されているようなリアルな表現、描写 [一言] あまり読まないジャンルでしたが、こちらは船体に残された、船員の手記を思い浮かべるような、それも軍人が書き残したような雰囲気…
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