第一章のあらすじ(※本編は含まれません)
私の名前は相生憂。前世で、転生教の信者に腹部を刺され死亡した私は、サキュバスの娘フラムとしてこの異世界に転生してしまった。
このままサキュバスとしての性を、もとい生を送っていくのが嫌だった私は、前世の頃からの夢だった世界を巡る旅をすることにした。そのためには冒険者になるのが手っ取り早い!
そう思った私は、10歳の誕生日に家を出ることにしたのだった。
家を出た私が最初に向かったのは人間街。人間街というのは私たちサキュバスからの呼び名で、人間たちからすればおかしな呼び名だ。本来はアヴリル領地のラーストという街だそうだ。
そこで私は中央街に向かう馬車に乗ったわけだが、乗り合わせた冒険者パーティ『銀の鎧』と親睦を深めることになった。
しかしそれも束の間、『銀の鎧』のメンバーの一人であるハイドが裏切り、私たちを皆殺しにしようとしたのだ。もう一人のメンバーであるシェリルも、ハイドの能力で心を縛られており、敵となってしまった。
『銀の鎧』リーダーのアダマンと、メンバーのアンバー、用心棒のテラスと共にハイドを撃破。私たちは辛くも命を繋ぎとめたのだった。
その後、中央街に着いた私たちは、冒険者ギルドで別れを告げることになった。
一週間強の旅ではあったけど、ともに旅をした仲間たちだ。またいつか会う約束をして、私は一人冒険者登録に向かった。
しかし、道中ハイドを手にかけてしまった私は、処断の水晶で重犯罪者と認識されてしまい、冒険者ギルドから追われることになる。
ギルドから逃げる途中で、たまたまぶつかってしまったのが、金髪碧眼の美少女アイリスだった。
アイリスもどうやら何者かに追われている様子で、私はアイリスの案内で廃屋敷へと潜伏することになった。
そこでアイリスが、世界中で念写真を取ることが夢であることを明かされる。まさかそこでインド人もびっくりなほどおいしいカレーが出されるとは思わなかったけど。
ひとしきり過ごしていると、アイリスの様子がだんだんとおかしくなっていってるのに気付く。
顔は紅潮し、返事も上の空な状態だ。何かおかしいと思った矢先、私の首元にナイフが突きつけられた。いつのまにか侵入してきた追手に捕まってしまったのだった。
しかし、その追手はアイリスを連れ戻すためにやってきた騎士の一人だったのだ。
そしてその騎士は、私が中央街の冒険者ギルドに行くためのきっかけになったサンクシオンという男だった。私とサンクシオンは、様子が急変したアイリスを眠らせて、直す方法を模索することになった。アイリスはどうやら暴発した私の魅了に当てられてしまったようなのだった。
そこでたどり着いたのが星詠みの塔だ。そこはこの世界の不思議の一つである、スキルというものを研究する機関だ。そこでなら、この魅了スキルのコネクトを切断できるかもしれないとサンクシオンは言った。
だが、星詠みの塔へ入ったサンクシオンから恐ろしい事実を告げられた。なんと、中の人が全員何者かに殺害されていたとのことだった。騎士団と合流した私たちは、その事件の真相を調べることになったのだが、突如そこに魔族が現れた。
どうやらこの魔族が星詠みの塔を襲撃した犯人だったようだ。犯人の目的は、魔法陣が刻まれた魔導書。その魔導書から発せられたドラゴンブレスというスキルを私たちはなんとか耐え凌ぎることに成功した。魔族は、去っていったが後には甚大な被害を受けた街が残るのみとなってしまった。
目を覚ました私は、姿がかなり変わったアイリスを目にすることになる。なんと、私と同じサキュバスに変化してしまったのだ。アイリスは私のことをご主人様と呼び、自らを眷属であると名乗った。
その状況に戸惑いながらも、サンクシオンの説明を受け、ギルド長ロバートと話すことになる。
ギルド長によって、先日の冒険者ギルドからの逃走劇は幕を閉じ、再度冒険者登録ができるようになった。
私はさっそく登録しに行くのだが、アイリスも冒険者になるといいだしたのだった。
二人で試験官兼教官のジェネルと一騎打ちをし、見事合格ラインに達した私たちは、晴れてブロンズ冒険者になることが出来たのだった。
しかし、そこまでが冒険者ギルド長ロバートのシナリオ通りであった。
私たちは、先日壊滅したペンタゴンという街の調査をギルド長直々に指名依頼されてしまったのだった。




