雑貨屋売買日誌2
下ネタを含みます
「ドランフ」の城下町である程度ものを売った後、私は「悲鳴の峠」に移動した。
店を開き客が来ないことを確認し戸締りして素材集めに向かった。
この辺りは「北キイーム」の占領地で近くに前線基地があるため王国騎士でさえうかつには近づくことはできない。そのかわり希少なモンスターが生息しているため素材集めにはちょうどいいのだ。
最初にあったのは牛馬頭というモンスターで牛頭と馬頭の変異種だ。馬と牛の頭をそれぞれ2つ持っている。
かなり強いがこいつから取れる皮と骨は加工が容易かつ強化カーボンよりも丈夫なため手や足などの関節が多い部分の装備に最適だ。
牛馬頭「こ↑こ↓ハ、魔王サマの土地ダ!死カ奴隷にナルカ選べ!」
いかにも強そうな敵なのに言っていることが雑魚敵のセリフだ。
実際たいして強くないが。
因みに私の戦闘方法は至ってシンプルだ。
ハロルド「拳で!」ドヤァ
牛馬頭「死ヲ選ンダか!」
大きな斧を振り回し襲いかかってきた。
大抵のものはこの気迫に押され動けなくなったところをバッサリ逝かれるが実はこの牛馬頭、頭が4つあるため逆に混乱して直線にしか移動できないのだ。
右に一歩逸れると勢い余った牛馬頭は近くの岩にぶつかり倒れた。
後は簡単。斧をちょいと倒して首を切り落とす。そして剥ぎ取り。
「ジョウブナ皮をテニイレタ」
「100$ヲテニイレタ」
なんだか頭の上にそんな言葉が浮かんだがまあいい。他の素材も集めにいこう。
いない…
どうなっているんだ、ここはいつもモンスターがウヨウヨいるのに。
そもそも、しょっぱなから牛馬頭に会った時点で気づくべきだった。大量にいる希少モンスターの中でも希少さが薄い敵に簡単に会えるはずなかったんだ。
とりあえず薬草と鉱石をあらかた取って店に戻ろう。
店に戻ると閉店の看板がかけてあるドアの前に数人の人がいた。
一人は右頬に大きな傷跡がある男。
もう一人はスタイル抜群の踊り子らしき女性。
もう一人は身長3メートルは超えている大男。
もう一人?は小柄な魔法使いなのだが体色が青かった。
その後ろには大量のモンスターの死体の山があった。
ハロルド(ええーーーーー!!!?なんかヤバイの来ちゃってるよここら辺のモンスター片付けたの絶対あいつらやんっていうか見るからに普通じゃないだろこんな序盤あたりにいる人たちじゃないよそんな人らがうちになんのようなのもはや買ってすむような装備必要ないだろ!!!」
あ…途中から声にでてたわ…ヲワタ(^O^)
四人が同時に私の方を向いた。
あぁ…何か、オーラが見える…
言葉では表しにくい重たい空気が流れる。
その時間、およそ1秒にも満たないのだろうが私には数時間にも感じられた。
一方その頃
傷男(ヤベーーー!人だ!空き家だと思って入ろうとしたけどやっぱいたのかよまぁ鍵もかかってたからそうだとは思ったけど生まれてからずっとこの峠で育ってるからコミュ障だなんて言えない私がモテないのはどう考えてもなんたらかんたらみたいな感じになるかもしれないしでも無視したら警戒されて終わりだしどうすりゃいいんだていうかなんか叫んでたよなあの人やっぱこの顔のせいなのどうしよう☆%・+×〒〆%:<^×114514ーーーー!)
踊り子(人だ!しかも中年!これはもしやこのまま連れ込まれてあんなことやそんなことをされるのねエロ同人みたいにあぁあの人はどんなプレイが好きなのかしらもしやSM、SMなの調教されて吊るされて放置されたりなんかしたらもうヤバイ興奮が治らない!!)
巨漢(……鍋、ハンバーガー、蕎麦、パン、焼肉、シチュー………」
魔法使い(人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だ人間だガクブル)
ハロルド「どど、ど、どうも、こ、ここは雑貨屋です…な、何かごごごご御用ですか?」
全っ然呂律回らねぇ!これ絶対引かれるやつだ!
傷男「で、デデデ大王も!ボブはゲ、ゲルグググでっしゅ!(どうも、僕はゲルクです)」
こっちの方が酷かったーー!
踊り子「さあ!早く私を辱しめなさい、エロ同人みたいに!(私はメル、よろしく。)」
言ってることと考えてること逆だよ!?
巨漢「カルビ…」
それは名前!?腹でも減ってんの!?
魔法使い「…ハ……ール……」( ゜д゜)
魂出かかってんぞ!?
なんだこいつら想像以上に変だ。
しかも戦闘力意外に高いんだよな。
ここらを攻略するのに必要な推奨戦闘力が2700に対してこいつらは、
ゲルク 5690
メル 4106
カルビ 6000
ハール 4321
アホなのにめちゃくちゃ強いなんてまるでどこかの出来損ないの漫画にありがちなパターンじゃん。
ハロルド「取り敢えず中へどうぞ。」
しかし、客であることに変わりはない。きっちりと彼らが求めるものを提供するのが私の務め。
その頃
ゲルク(なんでどうもがデデデ大王になった!?っていうかこの人只者じゃないじゃん!戦闘力14000!?初期ベジータ超えてんじゃん!地球破壊できんじゃん!これ自覚あんの!?あれか?転生したら無双できるようになりましたみたいな最近よくあるあれか!?逆らわないようにしないと!)
ハロルド「何をお求めでしょか?」
ゲルク「え、えーと。実はここには買い物できたわけじゃないんら。少し休憩しようと思ってたちょって。(めっちゃ噛んだめっちゃ噛んだめっちゃ噛んだ!)」
ハロルド「なるほど、そういうことなら何かお出ししますよ。奥のソファにでも腰掛けておいてください。」
なんだ少しコミュ障なだけか。
ゲルク「ありがとうございます。」
(優しい人でよかった。」
何が好きか分からないので取り敢えず紅茶とお菓子を出すことにした。
ハロルド「どうぞ、アイスティーです」
メル「あ、アイスティー!?」
(キタァー!!これはもしやサー!!(迫真)のアレ!!遂にこの展開が!!)
カルビ「あり…がとう」
みんな美味しそうに飲んでくれているのだが、あのメルという人はなぜあんな興奮しているのだろう?
ゲルク「あの、紅茶、ありがとうございました。また、縁があれば。」
ハロルド「はい、またお越しください。」
そうして四人はまた峠の奥へ入っていった。
彼らほどの実力ならばまた会う日も近いかもしれない。しかし、今日はかなり疲れたので
次の場所は快く休める場所に行こうと思う。