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柔らかな檻

作者: 南郷 進

不可避の雨に抗うように、人影が駆けていく。

僕は柔らかい檻の中。

迫り来る豪雨も知らずに。

心も躓く雨の旋律に囲まれて。

聖域の門番と見間違うひとつ目の監視者に悦びを奪われて行き場を失った。

逃げ出すにも視界を叩く夥しい掌に怯えている。

こうなったら待つしかない。

避けきれない雨なら、ここで息を潜めて。

共有できない悦びを持て余しているなら、ここで陽の目を避けて。

僕は心地よい柔らかな檻の中。

迫り来る豪雨を見届けるために。

再起を踏みにじる審判に戦慄しながら。

色を消した僕だから、思い出には残らない。

夜の移り変わりに身を任せ、避けきれない雨に打たれている。

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