異世界進出
駅に着いた俺たちはまず、今日の出来事を駅員に聞いてみた。
「あの~すみません、今朝の事件についてなんですが、被害者などは分かったりしますか?」
「いえ、それが。。不思議なことに自分たち含めて乗車する方々もみな、目撃現場を見た人がいないのですよ。」
これを聞いて渚翔は不思議に思った。「なぜ、こんな人混みのなか、目撃した人が誰一人いないのか、」と。
「わかりました、ありがとうございます。」
もう今日は、日が暮れていたので紅音と、一緒家に帰ることにした。
「でも、おかしいですよねあの人混みの中、誰一人目撃者がいないなんて。で、結局今日は葵ちゃん帰ってきてないですよね?」
「帰ってきてないよ。。」
「はぁ。」
渚翔は暗い顔で深いため息をついた。
「大丈夫ですよ!葵しっかりとしてますし!いつか絶対に帰ってきます!」
苦し紛れに紅音が、渚翔を元気づけようとした。
そして、渚翔はふと感じた、明日一緒の時間に葵が行った場所を行ってみよう。そしたらなにか分かるかもしれない。
「明日、葵の登校時刻と同じ時間に改札口に行ってみるね、今日は紅音ちゃん夜遅くまでありがとう!あとは俺が何とかしてみる」
「私も行きます!」
「いや、ダメだって紅音ちゃんになにかあったらどうするの」
「いえ、それでも行きます!事の発端は私が今日葵を1人で学校に行かせてしまったことがきっかけですし、私も行かせてください!」
「わかった、明日いつもと一緒通りの時間に駅前で集合ね!」
そして渚翔はその後、夜ずっと葵の帰宅を待っていたが、やはり帰ってこなかった。
翌日、葵の登校時間に行くとすでに、紅音ちゃんが待っていた。
「あっ!お兄さんおはようございます!」
「紅音ちゃんはやいね、10分前に来たのに」
「毎回10分前に着いてるんです!昔からそうしなさいと母に言われたもので」
そっか。。少し微笑みながら渚翔は受け答えした。
そして、葵が、改札口を通るであろう時刻が迫ってきた。
「この改札口だよな、、」
昨日はあんなに壊れていたのにもう綺麗になってるなんて。。
「さて、紅音ちゃん行こうか。」
「はい、お兄さん」
恐る恐るその改札口を通る。
「あれ、やっぱり変なこと起きないね。。」
「そうですね、、なんか変な緊張しちゃいましたよ」
2人とも何も起きず安堵したその時であった
どこから来たのかわからない、不気味な影が俺たち2人を覆いかぶさった。
「うわっ!」
「きゃっ!」
一瞬のことだった。
俺は何としてでも紅音ちゃんを守らなければ行けないと思った。
「紅音ちゃん!手を!」
「は、はい。。」
そして2人は不気味な影の消滅と同時に改札口から居なくなった。。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
どこからか声が聞こえてくる。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
そして、渚翔は目が覚めた。
「はっ!葵?!」
「すみません。違います紅音です。お兄さん」
「紅音ちゃん、無事だったんだ良かった。。って、君誰だ、、」
そこには前の姿と全く違う紅音の姿があった
長い赤い髪の毛でファンタジー世界に出てくるような顔。。
「え、あれ、お兄さんこそ誰ですか??」
「え、俺の顔も変わってる?!しかも、ここどこだ、さっきまで駅の中にいたはずなのに辺り一面草だらけ。。まさか俺たち異世界に飛ばされたってことないよな。。」
「ええー!!!!」




