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僕はそれでも
身体中があつい…。
それはそうだ。矢が何本も刺さり何回も刀に着られているのだから。不思議ともう痛みは感じなかった。
ーもう痛みも感じないな…。俺は死んでもいい…彼女さえ生きてくれれば…
短い悲鳴があった。 まさかと思い、身を引きずりながら徐々にそこへ向かうとそこには彼女の姿があった。
ー何で…何で彼女が倒れている。
「おい…嘘だろ…な…何でお前が倒れてるんだよ…目を覚ましてくれ…お願いだよ…目を覚ましてくれよ!!」
必死に呼び掛けるが彼女は一向に目を覚まさないーそれどころか体はどんどん冷たくなってきてー
「頼むから…お願いだよ…目を覚ましてくれよ…俺の命すべてをやるから…目を覚ましてくれ…」
意識が薄れていく ーそれどころか周りの音もなくなっていく…。 けど、確かに聞き取れたことがある。
「お前たちを助けてやろうか?」
そこには、吸血鬼がたっていたー