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二人はピン☆キリ

作者: 狗山黒

 こんにちは、またはこんばんは。お初にお目にかかります、私、秋田小真知と申します。お米じゃありません。

 私は両親の色恋沙汰の末祖父母に引き取られることとなり、この大空町に引っ越してくることになりました。ちなみに高校生です。

 大空町には有名な魔法少女がいるそうです。その名もピン☆キリ。妙な名前ですが、二人ともそれなりに強いです。一人は紅白を基調とした服に身を包んだピンク髪のピンキーマッティーナ。もう一人は黒と青を基調とした服に身を包んだ紫髪のピンキーノッテ。二人とも目は青色なのです。本当に日本人でしょうか。

 彼女達は代々大空町を守る者として受け継がれているシステムのようですが、あまり敵は現れなかったようで、機能してないと聞きます。

 そんなこんなで、私の転校初日がやってきました。私が通うのは飛鳥学園高等部。担任は迷路明先生です。まよいみちあきら、と読むらしいです。

 私はあまり積極的な性質ではありません。もっと簡単に言うと友達をつくるのが苦手です。今度こそは、と思いましたが、結局上手くいかずしょんぼりと家路につきました。

 夕日に照らされつつ河原を歩いている時でした、変なお兄さんに耳元で突然囁かれ気を失ってしまいました。

 目を覚ますと、ピン☆キリが私を助けてくれていました。これが私と二人の初対面です。


 なんでも最近悪の組織ができたらしいのです。何かを諦めようとしている人の心からエネルギーと吸い取り、無機物に与える事で「イイカゲーン」を造りだすそうです。幹部は「てきとう」「ほどほど」「でたらめ」「おろそか」の四人だそうです。

 どうして私がそんなに詳しいのかというと、私は二人のマネージャー(?)とやらになってしまったからです。理由の一つは、私がどうやら敵のボスに狙われているからです。しかし、最大の理由は私が彼女達の秘密を知ってしまったからなのでした。

 ある日私が敵に襲われかけ、逃げているときのことでした。物陰から声が聞こえました。隠れつつ覗いてみると、隣の席の男の子と隣のクラスの男の子でした。どうもぬいぐるみと喋っているようです。「ライトアップメタモルフォーゼ!」の声に全てを悟った私の驚愕の声に二人は気付き、目を合わせたまま彼らは魔法少女になりました。

 二人は敵の前に飛び出し

「お日様は全てお見通し! ピン☆キリの上の方、ピンキーマッティーナ!」

「月に代わってお仕置きよ! ピン☆キリの下の方、ピンキーノッテ!」

と口上を述べ、戦い始めました。著作権を気にしつつ私は逃げます。

 しばらくで、男の子に戻った二人と遭遇しました、正確には待ち伏せされていました。

 私の見た通りピン☆キリの正体は男の子二人でした。私は彼らに半ば脅される形で秘密を破らないと約束をしました。こうして私達は運命共同体になりました。ちなみに上の方の彼は品川朝日、下の方の彼は桐原昴夜といいます。


 私達が大学受験をする前に悪の組織は滅びました。ピン☆キリの正義の心に触れ幹部が次々と改心しました。今では普通の人間として生活しています。今でもたまに会います。驚きなのはボスが明先生だったことです。「アキラ・メイロ」という名のボスでした。私が狙われていたのは、私が不思議な力を持つからではなく、私に一目ぼれしたからだそうですが、組織壊滅後に姿を消しました。

 ピン☆キリは高校で引退するという決まりがあるそうです。彼らは普通の人に戻り、ぬいぐるみもとい妖精は自分のお国に帰りました。

 私達は同じ大学に入りました。学部は違います。

 これがよくある話なら、私は彼らのどちらかと付き合うのでしょうが、私の彼氏となったのは迷路明さんでした。年齢とかそういうのは元々誤魔化していたので、今の彼は大学生です。意味が分からないですが、幸せなので結果オーライです。ちなみに私は悪役を好きになる傾向のある人間でしたので、未だに悪役臭い明さんが彼氏でもなんら不満はありません。

 

 ところでこの場合魔法少女なのでしょうか、魔法少年なのでしょうか。


「聞いて驚け」と聞くと「見て笑え」と続けたくなる狗山です。私だけでしょうか、いいえ誰でも。

 この話は「ピンキリの上の方」「ピンキリの下の方」と言わせたいがために書きました。男の子に変身させたのは面白かったからです。ただそれだけ。

 そういうわけで、そろそろ眠い丑三つ時にお届けいたしました。それでは

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