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カネくれ  作者: バカ野郎
3/6

捜索



 ラーメン屋。


 ガラララ、と扉の開く音、「ヘイラッシャイ!!」とゆうきの張った声。彼がバイトを始めて、もう2週が過ぎていた。


 入ってきた常連二人組おっちゃんたちは、


「あの兄ちゃん、いつも威勢がいいね」


「おぅ。ああいう子ウチにもほしいな」


などと話している。


 色々炊事をしながら、

やるせなさは仕事で忘れよう!と努めるゆうき。

 そして金がなきゃやはり不便が多い。「稼ぐぜぇ〜…」と燃えてもいる。


 「2番、4番テーブルだ」

と店長から突如声がかかる。できた料理を持ってけと。

 勢い余る声量で、

 「ハイィ!!!」

とゆうき。


「元気だな。その調子で。」


 せっせと働きます。


…………


 午後8時。


 張り切りすぎて疲れたが、今日は給料が入った。あの日から1000円で奇跡的に暮らし抜いて、やっとこさ。嬉しさも2倍である。が、あれからメガネ上司やオヤジの消息がつかめない。あのラーメン屋来て俺のアパート前通ったなら近くに住んでると踏んだが、見当違いだったか。とりまさっさと捜索を開始せねば。地元の母にもあまり心配をかけたくない。


 それからは、メガネのタクシーで向かった方向の街に、電車でひと駅ひと駅、バイト終わりから毎日毎日(昨日とは違う駅へ 違う駅へ)(かよ)っては周辺を捜し、収穫なしでは帰ってくる、の繰り返しだった…。



 2月10日。

 だいぶ遠くの駅まで来た。もう帰りてぇ と思っていると、ポケットのケータイが鳴る。店長だ。そのときここからひとつ向こうのホームに8両電車が、ここの駅で停まるため、速度を落として流れ込む。


 電話に出る。


「お疲れさまです、店長。」


「喜べ。借りを返せるチャンス到来だ。今すぐ店来い。」


 え?ここから?いまから?マジで?!と思うが、仕方な…


 !?


店長「おい…?」



 いまあちらのホームに着こうとしている列車の4両目の真ん中あたりの窓から、オヤジとメガネ上司が 笑いながら話しているのが見えた…




 ど…どうする…?!?


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