戻ってきた新人刑事
ここは地下駐車場である。昼でも有るのに出入り口付近以外は蛍光灯の光で照らされており、肌寒い温度の中で駐車場は静まっていた。この駐車場は車が決められた位置に停車しており適当な所へおく違反の車などは無くきっちりとしていた。その駐車場に一台の黒い高価そうな車が低速で地下駐車場へ入ってきた。車は満車エリアを抜けて空きの有るエリアを探して駐車場を徘徊すると車と車の間に有った空いている所に綺麗にバックしながら駐車した。数秒経つとその車からツンツン頭の男性が隣に有った車にドアを当てないよう気を配りドアを開けて出てきた。相原である。逆側からはついさっき退院した神崎がアタッシュケースを持ちフラフラとしながら出てきた。神崎は伸びをし空気を吸い満足した顔をした。それを見た相原は笑みを浮かべるとドアにロックを掛け車の前に立った。神埼もそれが終わると直ぐに相原の所へ行った。そして2人は駐車した所の近くにあるドアへ向かった。相原は神崎の脚の事も考えてゆっくりと歩いたが神崎はそれを遠慮し相原のスピードに付いていくことにした。辛い表情は出さず頑張って追いついた。ドアへ着くと神崎はドアを開け相原を部屋に先に入れその後に部屋へ入った。部屋にはエレベーター3つと煙草、飲料の自動販売機それと2、3人が座れるほどの小型ベンチがあった。この部屋は地下駐車場と警視庁を結ぶ場であり警察関係者のみ使うことができるものでエレベーターは警視庁内にある部署の2階へ一気に通じていた。神崎はエレベーターの開閉ボタンを押してエレベーターを呼んだ。数秒でエレベーターが到着すると相原と同時にエレベーターに乗り開閉ボタンを押し閉めエレベーターを2階へ上げた。決して良いとは言えない乗り心地だが乗ってすぐに2階へ着いた。そしてエレベーターから廊下へ出た。廊下は入院前とは変わらず人が溢れており活気があった。エレベーターから軽く歩くと神崎にとっては久々の「テロリズム取締課」のドアへ着いた。ここに来るまで時間がかかったなこの日をどれだけ待ったのだろう、神崎は小声で軽く呟くと目を輝かせながらドアノブをひねり部屋へ入った。入院前とは変わらない状況が見えた。真面目に仕事をやっている人や、
捜査が終わり休んでいる人全てが神崎を安心させることが出来た。二人は前方に見える
『部長席』へ行った。部長席にはコーヒーをすすりながらパソコンのモニターを見る浅倉が座っていた。相原が声を掛けると浅倉はコーヒーをこぼさないようにゆっくりと横に動き首をあげた。そして部長席の前にいる二人を見ると持っていたコーヒーを机に置き柔らかな表情で話した。
「待っていたよ。神崎おかえり。」
「ありがとうございます。」
一礼をした神崎に浅倉は立ち上がって握手を求めガッチリと交わし椅子に座って話を進めた。
「神崎がいない間に相原を二人組みのチームに合流させているから今日から神前にもそのチームに合流してもらう。」
今の状況を話す浅倉にあいづちをする神崎、それを見つめる相原三人がやり取りしている時に、浅倉の所に赤髪と青髪の男性二人がやってきた。二人はスーツに身を包み胸には金色バッチを付けており一軒で警察関係者だと分かった。浅倉はやってきた二人に気づくと話を変えた。
「さっき言っていた二人だ。紹介しよう赤井と沼井だ。」
浅倉は赤髪、青髪の順番で紹介した。神崎は二人の前に行き神崎です、といい礼をした
「今日からこの四人で一チームとして活動してもらうぞ。」
神崎の止まっていた刑事生活が今動き出したのであった」。