てのひらの雫とかけら
掲載日:2026/04/18
タイトル困るのよ、ほんと。
ひとにぎりの英雄だけに微笑む女神の貞操より
気まぐれな小悪魔の尻軽に
コインを積んでやりたい
無尽蔵に湧きあがる可能性も
てのひらに掬えるのはほんの雫だけ
そいつをつかんで はなさない握力が
いま求められるすべてだろう
奇跡なんかじゃない
ありふれた番狂せを武器にするなら
強いられた劣勢も目を疑うドラマのお膳立てさ
信じて賽を振る凡庸の輩こそを勇者と呼ぼう
ひとつかみの名声だけで刻める歴史のかたすみより
気休めな小噺の主人公
拍手で出迎えてえな
無鉄砲に砕け散るやぶれかぶれ
てのひらに残せるのはほんのかけらのみ
そのとき爪から剥がれない無気力が
忌まわしい呪いなんだけど
軌跡なんかじゃない
瞬間の太刀捌きが勝負なんだぜ
重なった累々に目を覆えばトラウマの二本立てか
怯えてしっぽ振る臆病の矢尻こそが寝首をかける




