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12.5 ハルのミライ(ハルミ視点)
ぼくは歓喜した
思いもよらないところで耳にした
ぼく以外の竜の存在に
竜の血
それがあれば、ぼくの願いが一つ叶うから
竜の血は人の命を数年延ばす
でも、それだけじゃない
竜の血は肉体を強化する
ぼくの血は彼女には強すぎる
一滴でも彼女を死なせてしまうくらい
だから、竜の血を手に入れよう
その後ならぼくの血にも耐えられるから
そうすればずっとずっと、いつまでも一緒にいられる
ぼくと同じになった愛する彼女とふたり、いつまでも
ああ、そうだ
彼女には黙っていよう
終わりのこない明日に、絶望しないように