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馬名を考える




競馬のお話を書くときに欠かせないのが、主役となる馬たちの名前を考えることです。


現実の世界には、かっこいい名前の馬たちが沢山います。名付けにもいくつかパターンがありますが、代表的なものは以下の3種類でしょうか。


①冠名+◯◯

②単語の組み合わせ

③実在の場所や物の名前から


①の冠名+◯◯は、"シンボリ"ルドルフ、"トウカイ"テイオー、"メジロ"マックイーン、"ナリタ"ブライアンなど、昔からよく使われているメジャーな名付けです。現在でも"メイショウ"タバル、"ジャスティン"パレス、"ベラジオ"オペラなどがいます。


冠名はいわば、馬主や牧場の看板のようなものだと私は感じています。ゆえに冠名を背負った馬たちは、どことなく馬主や牧場、関係者の思いをより強く背負っている感じがして応援したくなります。


「ウマたちのターニングポイント」でも、主人公となる馬の名前には冠名を使おうと決めていました。読んでいる方にすぐ主人公だとわかってもらうためにも、冠名という目印が必要だと思ったからです。


最初に描いていたのは、"こつこつと努力を積み重ね、大きな花を咲かせる"という信念の元に競走馬の生産を行う、昔ながらの牧場の姿でした。そこからギリシャ語で"時"を意味する"Chrono"という言葉が浮かび、"黒"との掛詞でクロノの冠名が誕生しました。




②の単語の組み合わせは、サンデーサイレンス、ディープインパクト、ブエナビスタ、ゴールドシップなどでしょうか。このやり方は組み合わせのパターンが無限にあるため、お話を書くときに一番使っている名付け方法です。


例えば……

マジックキングダム→マジック(魔法)+キングダム(王国)

マイティタックル→マイティ(強力な)+タックル(体当たり)

アマゾンジャック→アマゾン(密林)+ジャック(奪取)

リーチキャラバン→リーチ(到着)+キャラバン(隊商)


普段から使えそうな言葉はメモに書留め、時間のあるときに適当に組み合わせています。特に出馬表が出てくる描写や実況の場面は大量に馬名が必要なため、沢山パターンを考えておいてもすぐストックが無くなってしまいます(笑)。




③の方法は、街や村などの地名や山、川といった自然、あるいは建造物からそのまま馬名を付けるやり方です。

例えば2025年の有馬記念勝ち馬・ミュージアムマイルはニューヨーク・マンハッタンの5番街にある通りから付けられていますし、2024年の勝ち馬・レガレイラは、ポルトガル中西部の都市シントラにある宮殿の名前が由来です。この流れだと、2026年に有馬を勝つ馬はどんな名前の馬か気になってしまいますね。


現実の地名や建物から名前を付けるときには、世界の国立公園のリストや地図帳、観光ブックを参考に馬名を考えることが多いです。ですがなかなかしっくり来る名前は見つからず、センスのある馬名をつけている馬主の方たちのすごさを思いしる日々が続いています(笑)。




私がいつか叶えたい夢のひとつは、競走馬に名前を付けることです。


サラブレッドは経済動物でありながら、1頭1頭に大切な思いがこもった名前が付いています。名前が付くことで情が生まれ、引退し姿を消すときに辛い思いをすることもあるでしょう。


しかし名前があるからこそ、サラブレッドは経済動物としては他に例がないほど、多くの人に愛されているのだと思います。ターフを駆ける彼らの未来をもっともっと明るくすることが、馬のお話を書く人間としての使命だと感じています。



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