角度で見えない城
平日が来てしまう……
「でっっっっかぁ‼︎」
「ふふん。だろう?ここが都の首都の中心。国王が住まう城だ!」
住まうなんて言葉をリリスが知っていたことに少々驚きを隠せない。が、今はそんなことはどうでも良い。
中心に城があるのになぜ出店のところから城が見えなかったのかが不思議である。
「んでも、こんなにでっかいのに何で、さっきの場所から見えなかったんだ?」
「ああ、それはただ単に角度で見えなかっただけだ」
「案外そういうもんなんだな」
「そういうもんだ」
…角度で見えない城って何?2Dみたいにペラペラじゃないんだから
「…これって観光とかってできるかな?」
「…案外いけるかもな」
案外いけないだろ。なんだよ観光って。日本の城じゃないんだから。国王が現在進行形で住んでるんだろ?観光も何もないだろ。
「よーし!行ってみようー‼︎」
ああ、ダメだこいつら。救いようがない。アホの子がスーパーアホの子に進化してしまった…
このまま行くとスーパーウルトラアホの子になる日もそう遠くはない……
最初のザ・主人公っていう雰囲気はどこに行ったんだよ……リリスもリリスでおかしいけど!
クソッ……この物語、自分に正直に書きすぎた…!!と言ったらメタいのでここには書きませんが……あっ、哲とリリスを忘れてました。
よーい……アクション!
「このデケェ扉ってどうやって開けるの?」
「…ぶっ壊すか」
「あー、あり寄りのありだな」
「え?」
「ただ、ぶっ壊すと器物損壊で牢屋行きじゃね?」
「木物村界?」
「ああ」
「…木の物の村世界?」
「ん?」
「え?」
「とにかく、ぶっ壊すのは最終手段としよう」
「賛成だ」
「じゃあ俺アルカリ性」
「え?」
「ん?」
「あるかり…?」
「えっと、他になんかないか?」
「う〜ん…騎士の人に開けてもらうとか?」
「ああ、酸性」
「…なんか、漢字が違う気がするのは気のせいか?」
「ん?漢字?」
「や、なんでもない…」
「それじゃあ、騎士の人に頼んで、無理だったらぶっ壊そう」
「賛成」
「じゃあ俺アルカ……やっぱ中性で」
「…さっきから何言ってるんだ?」
「……」
「?」
「このネタは広まってないかーー!いや、そもそもこの世界に酸性中性アルカリ性という概念はあるのか?」
「さっきから一人で何言ってるんだ?」
「…よし!じゃあ行くぞ!リリス!」
「え、あ、行くぞーーー!」
ちなみに、酸性が青いリトマス紙に反応するんだっけ…?…逆?
「あのー、すいませーん」
「…?はい」
すっげぇゴツい……なんていうんだっけ…この…えー…装備?じゃないよな絶対。えーとー…え?ほんとになんだっけ?まぁいいや。
「このお城って、どこから入るんですか?」
このアホッ‼︎ドアホ‼︎正直に聞くな‼︎
「……えーっと、お城には入れませんが…」
「「えっ⁉︎⁉︎」」
当たり前だろもう……‼︎
「な、なんで入れないんですか?」
当たり前すぎて聞くことじゃないだろそれ
「な、なんで?えーっとー…一般の方は入れない規則でして…」
「規則ぅ?」
「はい…」
ほらぁ、騎士の人困ってんじゃん
「それじゃあ……やれぇぇぇぇ‼︎‼︎リリスーーー‼︎‼︎ぶっ壊せぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎」
何言ってんのコイツ?ほんとにバカなの?
「は⁉︎⁉︎」
「しゃぁぁ‼︎行くぞテツ‼︎」
行くぞじゃねーんだよ‼︎
「おおう‼︎‼︎やれぇえええ‼︎‼︎」
だから……っ……もうっ‼︎
「破壊‼︎」
どごーん
「しゃぁぁぁぁ‼︎不法侵入じゃワレェ‼︎‼︎」
おい‼︎‼︎
「させるかボケェェ‼︎‼︎」
騎士さんがなんか…柔道か合気道かなんだか分からないけど、相手の胸ぐら掴んで地面に叩きつけるやつやったー‼︎(柔道とか合気道やってる人すいません)
「あぐぇっ」
「っテツ⁉︎」
顔!シリアスな場面じゃないんだから!
「うぅ…私のせいでっ……ごめん……ごめん、テツ……」
だーかーらー‼︎‼︎こんな場面で涙は欠片もいらないから‼︎
「お前も実行犯という訳で牢に入ってもらう」
「えぇ⁉︎」
当たり前だろ。
「私だけ⁉︎テツは⁉︎」
「お前だけな訳ねぇだろ。コイツも連れてく」
ほっ……いやいや、ほっ、じゃねわ。主人公達連れてかれたら話進まないんですけど!ねぇ!いやでも、だからといって哲達が反省しないのもなぁ……まぁ良いか‼︎