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朝食。

「おはようございます」


 どうやらわたくしの席はレオンハルト様の反対側、対面のお席。

 座る前に正面に立ち、挨拶をして一礼した。


「おはようアリス。よく眠れたかい? 昨夜は夜遅くの到着でゆっくり話もできなくてすまなかったね」


 艶のあるバリトンのお声が響く。


「いえ、陛下。夜中の到着となってしまい申し訳ありません。それなのに対応していただき感謝しています」


 うん。なんとか今日は声が出る。

 緊張は解けないけれど、これならお話はできそうだ。


「今朝は君の好みそうな食事をたくさん用意したよ。好きなものを好きなだけとってもらっていいからね。ミーアに言ってくれれば取り分けるから、どんどん言うといい」


 椅子に座って目の前に並んだ料理を見ると。


 サラダにカットしてある果物。お肉にお魚、ソーセージにハンバーグ。オムレツに麺料理。そのた諸々沢山あって。

 おおよそ人類域で今流行っている一般料理は網羅されている。

 もちろんスープの類もいくつも寸胴が並んでいい匂いがしている。きつい匂いがするちょっと特殊なものは目の前にはなかったけれど、この調子だと厨房には用意してあるのかもしれない。


 これは……。

 わたくしを歓迎してくれているのは間違いはないだろう。

 わざわざこうして人類域の料理をこんなにも用意してくれているのだ。

 勿体無い、そうも思うけれどこれはきっとわたくしが食べなかった分は誰か別の方に振る舞われるのだろうか?

 全てが捨てられることにでもなったら、ちょっと悲しい。


 きっと、わたくしが何をどれくらい食べるのかがわからないからこんなにも用意したのだろうけれど。

 大変だったろうな……。

 そう厨房の方たちのことも思って。


「ありがとうございます。わたくしはサラダを小皿に一皿と、そちらの卵料理を少し。そちらのベーコンを二切れとソーセージを2本頂いてよろしいでしょうか。あと、コンソメスープを一杯頂けますか?」


 レオンハルト陛下にお礼を言い、そのままミーアに声をかける。


 スープが来たところでパンを一切れ貰いそれを浸して食べようと思ったけれど、あまりにもそのパンがふかふかで柔らかかったから、浸すのはやめた。


 ちょっとお行儀が悪いかなと思ったのと、メルクマール聖王国では絶対に出回らないこんな美味しそうなパンを、そのまま食べてみたかったから。


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