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出会いと別れ


「全く父上も大臣達も何て石頭なんですの!!話になりませんわ!!相沢様は再度召喚魔法が使用できるまで宮殿内で大切な客人として扱うべきですのに...」

「メリア様、相沢様も見ているのでその辺で...」


 俺の目の前でメリア王女とシルフさんがそんな会話を繰り広げていた。なぜこんな事になったかというと、五十嵐を連れて王の謁見後にメリアさんは自分の父親(王様)とこの国の重鎮達と俺の扱いに関して色々と議論してくれたのだが、俺はやはり特例中の特例で宮殿で迎えるには危険と判断したらしい。


「そ、そうねシルフの言うとおりね...では相沢様こちらをお受け取りください」


 シルフさんのおかげで落ち着きを取り戻したセリア王女が例の透明な箱から、綺麗な袋を取り出した


「あのメリア王女それは何でしょうか?」

「そういえばまだ通貨について説明していませんでしたね。これはこの世界セブンスカントリーの通貨になりますね、相沢様の世界では円だと思うのですが、こちらではユラになります。錆貨、鉛貨、銅貨、金貨、銀貨、白銀はくぎん貨の順で6種類に分かれています。

 せん貨は1U、えん貨は10U、銅貨は100U、金貨は1000U、銀貨10000U、白銀はくぎん貨は100000Uという感じになります。相沢様の世界の通貨との比較はこちらの紙に記されているのでご確認をお願いします」


※日本でのお金と比べると、1U=10円 例20000~50000U=20万~50万

錆貨1枚で10円、鉛貨1枚で100円、銅貨1枚で1,000円、金貨1枚で1万円、銀貨1枚で10万円、白銀貨1枚で100万円


 メリア王女から渡された紙には分かりやすく例が記されていた。なるほど、となると銀貨1枚あれば1カ月は過ごせる計算か...というかまてよ...金貨より銀貨や白銀貨のが高いのか?普通は金貨のが上だと思うんだけど、俺の世界とは考え方も違うのか?


「こちらに全部で2,000,000Uあります、これを相沢様にお渡しする様に国王様から仰せつかっています」


えーと2,000,000Uってことは1,10,100・・・ええええええ日本円にして2千万円!?こんな大金、一体何のために?


「ええと、メリア王女なぜそんな大金を自分に渡すのでしょうか?」

「そうですね、それは2つ理由があります。一つは相沢様に元の世界にお戻りになるまでの期間、不自由なく暮してほしいのともう一つは...」


 もう一つの理由を言い淀んでいるメリア王女


「もう一つは相沢様が異世界から召喚された事をなかった事にする為ですね...勿論、再度召喚魔方陣が使用できるようになったら相沢様を元の世界に返すことを約束します。ですがこの国の大臣達が……えっと、その...」


そういう事か、要するにこれは手切れ金という訳だ。確かに俺は異世界から召喚されてきた、だがこの国の重鎮達は俺に関しての情報を他には流さないつもりなのだろう。もし流して俺に何か起きてしまったら国は何をやっているんだと国民達からの印象は悪くなる、それになぜ召喚魔法陣で二人も呼んでしまったのかと、色々責任問題が発生する。だからこの金をやるから大人しく2年過ごせという訳だろう。まぁ、俺の憶測だけどな...


「メリア王女、大丈夫ですよ。理由は分かりました、自分は大丈夫ですよ」

「相沢様...申し訳ございません、私にもっと発言権があれば...」


 そう言って悲しそうに頭を下げてくる王女様、重鎮達との討論の時にこの人は頑張って俺の擁護をしてくれたのだろう、本当にいい人だ。


「頭をあげてください、自分はメリア王女に感謝こそしても恨む気なんてこれっぽっちもないですよ。シルフさんも色々教えてくださりありがとうございました」

「「相沢様...」」


 


 その後、俺は案内をしてもらい宮殿の巨大な門の前まで来ていた。


「ではメリア王女、シルフさんお世話になりました。」

「相沢様、こちらをどうぞ、これは先程の紅茶の茶葉になります。こんな物で申し訳ないのですが、受け取ってください。」

「ありがとうございます、とても嬉しいです」

「では自分はそろそろ行きますね」


 シルフさんから茶葉を受け取り門の外に出ようとする俺に対してメリア王女が言葉を発した


「相沢様、これだけは覚えておいてください、私とシルフはあなたの味方です。何か困った事があったら遠慮せず頼ってきてください。」


 本当にこの人は最後の最後までいい人だ、こんなできた人が王女様なら将来この国は安寧だな


「……本当にありがとうございます」


 

 


 メリア王女達と別れてから、俺はイスカンダル王国の街中を歩いていた。異世界の町は俺が住んでた場所とはかなり違う。道は石畳で舗装されており、レンガ造りの家なども多くみられる。そして大きな建物には尖塔がある。前の世界でいう中世ヨーロッパみたいな感じだな...

 日本と同じように人は普通に歩いてる、だけど人だけではない、頭に角を生やした奴や、耳が尖っていてゲームのエルフみたいな奴もいる。日本とのギャップを感じて、本当に異世界に来たんだと改めて実感するのだった


「あてもなく歩いているけど、まずは宿を探した方がいいよな」


 失敗したな、どこかおススメな宿泊場所をメリア王女達に聞いておくんだったな...ていうか今考えると、俺ってかなり惨めじゃね?人助けしたつもりが失敗して、助けようとした相手に罵られる。召喚された先では手切れ金を渡してさよなら...べ、別に異世界召喚されたし俺も素敵な女性と恋に落ちたりなーんてとか思ってないよ?うん、思ってない.......はぁ・・・


 そんな事を俺が心の中で考えていたら、正面から歩いてくる女性を見て俺は言葉を失った。

身長は小柄で140㎝位だろうか、髪は腰のあたりまで伸びてる綺麗な金髪、目はサファイアの様な美しい碧眼。顔は少し幼さを残しつつも少女と成人女性の中間的な色気が出ている。まごうことなき美少女だ。間違いなく俺が今まで見た中で一番かわいい!!セレナさんは最強の美人、あの娘は最強の美少女って感じだな。

 ど、どうする俺!?折角異世界に来たんだ、話しかけてみるか!?・・・いやでも、これってナンパなのでは?そもそも俺に初対面の美少女に話しかけられる度胸があるのか!?そんな事を考えている間に美少女との間は近づき横を通り過ぎようとした時...


「はぁーー」


 とそんな溜息が聞こえた様な気がした、美少女とはお互いすれ違いそのまま何もなく離れていく...

だけど、俺の数少ない取り柄の感がここであの娘に話しかけないと一生後悔すると言っている。別にナンパをしろという訳ではない、ただあの美少女が今にも潰れそうな悲しそうな表情をしている気がした。


「あ、あの!!金髪の君!!」


 気づいたら俺は振り返り声をかけていた、すると美少女は振り返って、周りをキョロキョロ見渡した後に自分に指を指して


「へ?もしかして私の事っすか?」

「う、うん、君であってるよ」


 俺が返事をして、次にかける言葉を探していたら美少女がかなり驚いた顔で


「・・・まじで私が見えてるっすか?」

「・・・え?」


 と、俺はそんな間抜けな返事をするのだった...


 この出会いが渚をいや、世界を変える事になるとは今はまだ誰も知らない。

遂にメインヒロイン登場です!



ご愛読いただきありがとうございます。続きがきになる!面白かった!と感じた方は高評価orブックマークお願いします!

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