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灯りがともるとき
灯りがともるとき
日が暮れて、家々の窓に灯りがともるとき、夕陽と夜の隙間でざわざわとしはじめる、おぞましい姿の小さなものたちがいる。
木々の隙間や、屋根の天辺。このまま夜の闇にすべりこみ、紛れ、悪い夢を振りまき、弱った心臓をぺろりと平らげようと狙っているのである。
そのまたたきするような間に、すかさず魔女があらわれて、ひょいひょいと使いなれた物怪挟み片手につまんでは袋に詰めていく。
それらはかの、彼女の鳥籠に封じられている、これまた得体のしれぬ姿の黒いけだものの、八つ刻の好物なのであった。