第0話 始まりの朝
初投稿です
「ピピピッ・・・」とスマホのアラームの音で目を覚ます。
現在は朝の六時だ。尋常じゃないほど眠いのは、二時過ぎまで夜更かししていたせいだろう。しかし、学校に遅刻するわけにはいかずしぶしぶ意識を覚醒させる。俺は一人暮らしなので、朝起こしてくれる人はもちろん、ご飯を作ってくれる人もいない。だから全て自分でやらなきゃいけないのだ。
こうして俺、水嶋蓮の朝が始まる。
今朝の眠気にやる気が起きなかったので、あくびを噛み殺しながら冷凍していたご飯をチンして、昨日作り置きしていたみそ汁と一緒に卵をかけて適当に食べる。
「はぁ・・・」
思わずため息が出る。いつもなら朝ごはんついでに自分の弁当を作るのだが、いかんせん眠い。今日のお昼はコンビニ弁当にしようと、朝ご飯を食べながらスケジュールを頭の中で組み立てる。俺が通っている高校には学食がないのだ。購買部はさすがにあるが、お昼や朝はビビってしまうくらいに混む。適当に近くのコンビニによって学校へ向かい、授業を受け、放課後になったら仕事をする。
仕事について説明しよう。俺にはもう一つの顔がある。簡潔に言うとフリーのプログラマーだ。簡単なプログラムを組み企業に売り込んだり、はたまた依頼を引き受けたりする。
(仕事の量減らそっかな)
昨日もバグの修正に躍起になってしまい寝るタイミングを完璧に間違えた。だいぶハードな生活だが、お金は普通にバイトするより入るので、やりがいはある。だからこそ普通の高校生より快適な暮らしができるのだが、友達も少ないせいか普通の青春とやらを送れていない気がする。とにかく俺は制服に着替え、グダグダとかばんを持って外に出て鍵をかけてから
「学校なんて滅べばいいのに」
とつぶやく。とはいえ今のご時世は学歴がものをいうのであまり侮れない。仕方なく俺はとぼとぼと歩き始める。これが俺の日常であり、今日も退屈な一日が始まる。そう思い、学校へ向かう。
今日が俺の、非日常への入口になる「始まりの日」とも知らずに・・・