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第21話


 朝、ギルドで話を聞くことになる。

 ギルド長に声をかけられ、武器について問いかけられる。


「ウォリアソードじゃねぇか。おまえオーク迷宮攻略してきたのか?」

「はい、何とか」

「まさか、一人でか?」

「一人のほうが攻略しやすいんですよ。俺の【再生の勇者】の能力は分かりますよね?」


 勇者スパーダとの決闘のあと、俺はギルド長に簡単に【再生の勇者】について説明した。

 レベルがあがったおかげで、再生速度が急上昇した、とだけだけど。

 魔物の力を入手していることに関しては伏せている。


「……ああ、確かに。死なないっていうのなら、一人でも問題ねぇのか。ま、無理はしないようにな」

「ありがとうございます。それで、本日はどのような用事でしたか?」

「おお、そうだった本題を忘れるところだったな。これを見てくれ」


 ギルド長が紙をこちらに渡してきた。明細書、のようだ。

 そこには、商品スパーダについての金額が書かれていた。


「ご、500万なんですね」


 奴隷の相場をはっきりとは知らないので、これが高いかどうか分からない。

 でも、将来性込みでいえばスパーダを500万で購入するというのはわるくないのではないだろうか?


「まあな。スパーダは国で買い取りとなり、その金額は500万だったそうだ。戦闘奴隷兼性奴隷としてな」


 性奴隷、か。確かにスパーダは黙っていればそれなりに整った容姿をしている。

 彼が欲しいという人もいるだろう。


「そうなんですね。でも、スパーダも女好きだからよかったんじゃないですか?」

「配属されたのは男しかいない騎士部隊だそうだ」

「え? 性奴隷ですよね?」

「隊長が男好きなんだ」

「……」


 ……スパーダ。俺は少しだけ、本当に少しだけ彼に同情した。

 そして、改めて、ギルドの規則を犯さないように気をつけようと思った。


「つ、つまり今日俺が呼ばれたのは500万ゴールドの振り込みってことですか?」

「ああ、そうだ。つーわけで、ギルドカードの提示を頼む」


 そういうと、ギルド長のポケットから妖精が現れた。

 テーブルに乗った妖精の前に俺がギルドカードを提示すると、俺のギルドバンクの部分が書き換えられた。


「よし、これで振り込みは終わりだ。呼びつけて悪かったな。冒険者ライフ、楽しんで来るといいさ」

「はい」


 一礼の後、俺はギルドの受付へと戻る。

 一度依頼が張り出されている掲示板へと向かったが、特に受けたいという依頼があるわけではない。


 今日も引き続き、ウォリアソードの結晶集めと行こうか!



 オーク迷宮に移動し、早速ウォリアソードの結晶を集めていく。

 この移動の間、俺は一度も魔物を倒していない。

 俺がこの迷宮で討伐している魔物は、ウォリアオークのみだ。


 だからか、レベルのあがりはそれほど良くなかった。

 とりあえず午前の部を終わらせた俺は世界一のルーナの弁当以下略を食べ、第15階層へと下りた。


 その時だった。

 ……異様な空気が15階層に満ちていた。

 迷宮内の空はずっと青天だったのに、今は紫色の空となっていた。

 そして、ウォリアオークの姿はどこにもない。


 暗雲が立ち込めると、稲光のようなものがした。

 そして、黒い風が渦となって中央へと集まる。

 その渦がすっと消える。


 俺は思わず目を見開いた。

 そこにいたのは……新種の魔物。

 ウォリアオークではない。見た目はオークのような魔物だ。しかし、少し小柄で身長も二メートルほどだ。

 手に持っていたのは刀だ。すっとこちらを見据えるその姿に、俺は畏怖を覚えた。


 ……圧力が、ウォリアオークの比ではなかった。


 一体なんだ……そうおもっていた俺の脳裏にこの現象に唯一納得できる理由が思いついた。

 

 ……ユニークモンスター。

 ヘビーミノタウロスのように突然変異が起こるということはある。


 一部の迷宮ではボスモンスターでもその現象が発生すると聞いたことがあるが、オーク迷宮に関してはそのような情報はなかった。

 ……つまり、俺にとっては未知の魔物だった。


 俺は小さく息を吐き、それから剣を握りしめる。

 手はじんわりと汗がにじむ。恐怖? ――違う。


 この強敵と戦えることに対しての、喜びだった。



 エミル 男 18歳

 体レベル 2645

 才能:【再生の勇者:レベル2645】【憑霊ブラッドウルフ:レベル2312】【憑霊ミノタウロス:レベル2219】【憑霊シャドーアサシン:レベル2092】【憑霊ヘビーミノタウロス:レベル1999】【憑霊ダークスケルトン:レベル1812】【憑霊アクアリザードマン:レベル1616】【憑霊ウォリアオーク:レベル712】

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