表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/54

第13話

 俺の問いかけが意外だったのか、スパーダは目を丸くしていた。

 その驚きは一体何に対してなのだろうか? 決闘への誘いに乗ったことなのかそれとも他の理由があるのか。


「な、なに? オレが、てめぇに負けるだと?」


 ……いや、まったくもって違った。

 さすがにスパーダは俺の想像の上を行く男だった。


「……ああ、そうだ。俺がおまえとの決闘を受ける意味がまるでないだろ? だから、負けたときに何かしらのものを賭けてくれないとわりに合わないんだ」


 そういうと、スパーダは拳を握りしめ震えだす。

 かっと目を見開き、こちらへと指を向けてくる。


「昨日は油断したが、剣さえ握ればオレがてめぇに負けるわけねぇだろ!」

「それなら、俺が負けた場合はスパーダにその剣と服を返してやる。それで? わざわざ受ける必要のない決闘を俺が受けてやるといって、ここまでのものを用意したんだ。何もそっちが用意しないのなら、この決闘はなかったことにするぞ?」


 俺がそういうとスパーダは目を輝かせた。同時、ブロックやナイチアたちまでもが同じように声をあげる。


「待てよ! それならオレたちも決闘だ!」

「そうですわ! あなたみたいな雑魚を倒して全部取り返せるのなら、わたくしもやりますわ!」

「僕もです!」

「私も!」


 ……ああ、やりたいのならいくらでも引き受けてやる。

 ここで約束を取りつけてやってもいいが、とりあえずはスパーダと戦ってからまた判断させればいいだろう。


「スパーダとの決闘が終わったあとでいくらでも受けるよ」


 俺がそういうと、スパーダは眉間を寄せる。俺の先ほどの返答はスパーダにはこう聞こえただろう。

 『スパーダを倒した後で、いくらでもやってやる』、と。


「て、てめぇ……オレにボコボコにされて、その後も決闘できると思っているのか?」

「負けるつもりはない。それで、何を賭けるんだ?」

「……はっ! 何も賭けるものはねぇが、敗北した場合はオレを好きにすればいいさ! どうせ負けねぇからな!」

「……わかった。それなら、スパーダを奴隷商に売ってその金を俺がもらう。それでもいいか?」

「はっ、なんでもいいぜ!」


 スパーダはそういって、笑みを浮かべる。

 まさか……自分自身をかけるとは思っていなかったな。


 奴隷というのは男よりも女の方が需要が大きいが、スパーダに関して言えば話は別だ。

 彼のような優秀な才能を持っているものなら、高値で売れるだろう。


「分かりました。それを足りない分の100万ゴールドへの補填にもあてましょう」

 

 騎士もこの決闘を認めた。

 これに勝利すれば、俺は2000万ゴールド以上の金が手に入ることになる。

 ……これは想定以上の結果だ。まあ、そんな大金あっても何に使うかなんて見当もつかなかったが。


「それじゃあ、やるとしようか。武器は自由に使ってくれていい」

「……へっ、本気で言ってんのか?」

「ああ、その代わり後でいい訳をするなよ?」

「言い訳ってのは敗北者がするもんなんだよ」

「だから言っているんだ」


 俺が念を押すようにそういうと、スパーダはがんを飛ばしてきた。

 昔はこの視線にも怯えていたものだが、今は違う。


「はっ、上等だ。覚悟しろよ」


 スパーダは剣を腰に差し、それから俺を睨みつけてきた。 

 俺たちはすぐに中庭へと向かい、それからお互い距離をとって睨み合った。

【重要なお知らせ!】


皆様のおかげで日間ランキング3位になっていました!ありがとうございます!


1位目指してランキング上位にいる間は頑張って更新していきますので、「作者早くかけや!」「面白そう!」「続きが気になる!」という方は


・ブックマーク

・評価の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」


をしていただきますととても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

新連載です! よかったら読んでください!
宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~どうやら俺は宮廷一の鍛冶師だったようだ。俺を追放した奴らは今さら困り果てているが、もう遅い。俺は隣国で公爵令嬢に溺愛されながらのんびり生きます~


新連載です! よかったら読んでください!
世界最高の精霊術師 ~双子だからと虐げられていた私は、実は精霊たちに溺愛されていたようです。私を追放してしまった家は……後悔してももう遅いです~


短編です! よかったら読んでください!
サディスティックな公爵様 ~巫女だった私は婚約破棄され、家を追放され、そして、公爵様に拾われる。実は世界最高の巫女だったと気づいても今さらもう遅いです~


短編です! よかったら読んでください!
俺の妹はツンデレらしいが、そんなこと言われても困る ~今さら告白されてももう遅いって! 今までの関係がそう簡単に変わるわけがない!~


短編です! よかったら読んでください!
異世界召喚された聖女は最強です ~攻撃魔法が使えない無能だと罵られた私だったけど、攻撃魔法以外の才能はすべて天才級でした。今さらオレのパーティーに来いといわれてももう遅いですよ?~
― 新着の感想 ―
[一言] この時点で決闘受けておけばイイのに。 逃げたら負けだよね?
[一言] おー、ちゃんと吹っかけててええやん
[気になる点] う~ん なろうの多くの作品でこういう展開は良くありますが 正直、毎回殆どの作品でスカっとしないんですよね 奴隷にして売っても、なんかご都合主義で敵の幹部みたいなのに助けられて闇の力で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ