【責任と答え】償い
「よぉ、元気にしてたか? 」
へらりと笑う彼に苛立ちが募る。
「......どの面下げて戻って来やがった」
今更戻ってこられても。
「別に? 普通の面で良いだろ。何か変える必要があるか? 」
こいつはいつもいつも……!
「あぁ、あるだろうが......アンタのせいで......あんな事に!! アンタさえ居なければッ!!! こんな事になっていなかった!!!! 」
こいつが無駄な介入をしなければこの事態は避けられた。少なくとも、あの最悪な事態にはならなかったはずだ……そうだ。こいつさえいなければっ!
「ん? ハッハッハッハッ......俺のせいだと? 俺が居なければ状況は変わっていただと? それは面白くない冗談だなァ......!! 」
「......」
言い返せない。心の中ではわかってるからだ。こいつがいようといまいと事態はそう変わらなかったかもしれないってことが。
「本当に俺のせいかァ!? 俺だけのせいか!!! 」
嗤いたければ嗤え。
「そうだ、全ては貴様のせいだ!! 」
そうとでも言わねば気が済まない。
「フンッ、ガキみたいな意見の一点張りだな。もう少し頭を使ったらどうだ? 」
「......あぁ、アンタに言われてたから......何度も頭を使ったさ、どうすれば良いかずっと考えた。これが、この答えが!! 俺の考えた結果だ!!! 」
貴様がそれに介入したからっ!
「ハッ......ハハハッ!! その程度で、今の状況が変わるとでも!? たかがその程度で!!! アハハハ!!!! 」
前言撤回だ。耳障りなその声を今すぐ止めろ。
「変わるさ......変えてやるんだ、絶対に!! 」
そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃ、償いなどできないから。
「なら変えてみるが良いさ、俺には出来なかった事を......お前がその手で、やり遂げてみせろ」
「言われなくてもそのつもりだ。それともそれすらできないとでも?」
いつか。こいつを見返してやる。俺の心にはそれしかなかった。