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永遠に響く風の歌  作者: 長澤まき
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0.はじまりの歌

よろしくお願いします。







熱い風が吹いている―――。




城外の喧騒が嘘のように、静寂に包まれた広間。




わかっている。




長く悪政が続いたこの国は、もはや引き返すことも出来ないほど衰退していたから。




風の吹かぬ地は枯れ、流れぬ水は腐る。



窓の外は炎の海で何も見えない。





いつの間にか、風も止んでしまった。





もう、何も、ない。






「これでいい。」



哀しく笑ったあのヒトの顔を


私は燃えさかる炎の中、ただ見ていた。










「お嬢様、おはようございます。」


微睡みから覚醒するや否や、鈴を転がしたような優しい声が聞こえた。


「んー、おはよう。」


体を起こすと部屋のカーテンと共に窓も開けられたのか、風が朝の空気を運んできてくれた。


「本日も祭祀のご準備で早いお出かけですから。さ、支度をいたしましょう。」


「うん…」


悪夢から目覚めた時の何とも言えない憂鬱さから抜け出せない私を置いて、優秀なメイドは次々と準備をしていく。


(こんなにふんわり可愛いのに、私よりも三歳も年上なんて不思議だなぁ……)


起き抜けの頭でぼんやりそんなどうでもいいことを思っていた。



メイドのマリーは乳母の娘で、私の姉のような存在だ。


ふわふわの栗色の髪を一つにまとめ、キャラメル色の瞳がキラキラ輝く少女のような可愛らしさ。


家周りのことが何でも出来て、こんな外見からは想像もつかないほど護衛術も完璧。唯一、料理の才能はどこかに落としてきたみたいだけれど。



「どうかなさいましたか?」

「ううん。何でもない。」

「ふふふ。まだ夢の世界ですか? ここのところお天気も曇りがちですね。祭祀の日は晴れるとよいのですが。」


空を見上げると、どんよりとした雲が広がっている。




―――私の気持ちを映すかのように。




「お嬢様?」


「…ん、もう準備しないとね!」





二度瞬きをし、私は気持ちを切り替えてナイトウェアに手をかけた。









初小説で拙いかと思いますが、がんばります。



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