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205号室
空はこんなに綺麗で 風は爽やか
ベッドの傍らに君 ああ なんて幸せ
「これ以上欲しいものなんてないね」と 僕が言うと
みんな不思議と 黙り込んだ
君の描く 幸せな未来に 僕の姿が見当たらなくても
それで良いよ。どうか君には幸せでいてほしい
教えて、僕の余命を。
雨はすぐに止み 虹が見れるだろう
花を抱いた君は なんて綺麗なんだろう
「これ以上 欲しいものなんてあるか?」と 僕が問うと
「時間が欲しいよ……」って 君が泣き出した
ああ
君の歩む 幸せな未来に 僕の姿が見当たらなくても
それで良いよ。どうか君には幸せでいてほしい
忘れて、僕のことを。
君よ、幸せであれ。
Fin
自分の命に終わりが近づいた時に
祈ることはなにかと思って。