第5話 冒険者カードを活用しよう
ベッドに寝転びながら、冒険者カードのゴミクズサイトをポチポチとしていると、よくわからない交流サイトにたどりついた。
それから、しばらく、ポチポチしていると、どうやら、私は誰かと交流しているようだ。
『会わないか』と誘われたので、私は、暇だし会うことに決めた。
場所、時間、ともに指定された。
場所は、レレレ街のレレレ番地レレレ通り。
時間は、深夜だった。
馬車の通行量も多い街中で、私は待ち合わせをしていた。
現れたのは、恰幅のよいおっさんだった。
金持ちらしい。
身に着けている服は高価で、宝石指輪がいくつも指で輝いていた。
髪は中心部分が薄くなっていて、それを隠そうと、横から中心に髪を流していた。
それが、髪が薄いことをより強調していた。
顔は、いい人の印象を受けたが、それは作られた笑顔で、時折見せる目の奥の光が、そのおっさんの気難しさを物語っていた。
年は50くらい。結婚はしている。子供は女の子が一人、某有名大学の教授をしていると自慢していた。
某有名研究雑誌に幾つも論文を出しているらしいが、そんなトイレのちり紙以下の話に私は興味はなかった。唯一、興味があった話は、子供に無視されているというくらいなものだった。
子供と同じくらいの年齢に見える私に興味を持ったのは、まあそういうことだろう。
私は何を言うわけでもなく、レレレ街の夜に、その男と共に消えて行った。
で、私たちが向かった先は、ピンクホテル。
繁殖のために用いられる施設だ。
その072号室に私たちは入った。
部屋は浴室とベッドルームだけの簡素なものだった。
狭く、ピンク色の照明がけばけばしかった。
ヘッドボードの上には、煙草の灰皿とイ妊具が置かれていた。
イ妊具は必要なかった。
だって、生モノのほうが好きだし、気持ちいいから。
男はすでに息が荒くなっていた。
顔には汗が浮かび、しきりにハンカチで拭っていた。
ズボンの一部分が盛り上がり、興奮しているのが確認できた。
「君何歳なの?」
「26歳です」
「でも、10歳くらいに見えるね」
「ええ、魔法のせいなんです」
適当なことを答えて置いた。あながち間違えでもないだろう。
どのような過程を経たかはわからないが、
男は下着一枚の姿になっていた。
ブカブカのトランクスをはいており、胸毛が気持ち悪かった。
腹は針でさせば破裂するんじゃないかと思えるくらいに膨らんでおり、短足だった。
男は、ブタかなにかの家畜に見えた。
男は、私に向けて、冒険者カードを掲げていた。
冒険者カードには動画撮影機能というのがあり、私を動画で取りたいとのこと。
値段交渉をしてきたが、適当に答えて置いた。
私には、金のなる木―――ゴールドカードがあるのだし、今はお金には興味がなかった。
興味があったのは、男の生態だった。
「脱げばいいんですか?」
「うん、そうだよ」
私は、黒いドレスを脱いで、下着姿になった。
下着ももちろん黒色で、一応ブラジャーはつけていた。
男の息遣いがいっそう荒くなった。
ブラジャーを外すと、小学生の男の子のものと大差ないものではあったが、
男はかなり興奮しているようだった。
下着を脱いでもよかったのだが、それ以上、描写すると、神の鉄槌が下るのでやめておいた。
なので、ベッドに寝転がる男の顔に、私のパンツのはいたままの○○○をちかづけておいた。
クンクンクンと男は私の香りを嗅ぎ、かなり興奮し、爆発寸前という感じだった。
その後、交わっても、男を殺しても、どちらでもよかったのだが、描写が出来ないのでやめておいた。なので、当たり障りのない気遣いをし、男を眠らせ、バイト料としてお金をいただいておいた。
そういったことを、何件、何十件と繰り返し、私はずいぶんとお金を得た。
一か月を豪遊できるほどのお金を手に入れたと思う。
そのお金を燃やしてもよかったのだが、倫理がとかいう、どこの誰が決めたのかわからない規範に従っている残念な方々のためを思って、適当に捨てることにした。
どこに捨てたのかはわからない。
ただ、私はもう、昔のように、善意に溢れた私ではないので、悲惨な目にあっている人たちに寄付をするなどはしなかった。
おそらく、トイレにでも流したのだろう。
今頃、もしかしたら、クタクタに汚れたお金を手に入れて、喜んでいる人がいるかもしれない。
もし、そうなら、実に残念だ、と私は思った。