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アンドロイドは平和の夢を見るか?  作者: 天音 暁人
0.5章 出会い
4/11

アンドロイドは名前を貰う①

漸く「α-28」の事を「彼女」や「アンドロイド」などと呼ばなくて、名前呼び出来るようになる!

 家に帰るまでに色々なハプニングがあった。アンドロイドのくせに勝手に何処かに行こうとしたり、飛んだり跳ねたり四回転したり、TASの様な変態的な移動をして周りから変な目で見られたり、そういうことをさせないために羞恥心を捨て手をつないだら(アンドロイドには、やはり手をつなぎたかったんですね。分かります。と言われたが無視した)深夜遅くに男に手を引っ張られている女性というのはまるで誘拐の様だった為、通報され掛けたのだが、アンドロイドの変態的な動きを見て、逆に俺の事を可哀そうな人を見るような目で見てきたり、それを(たった一人の)親友に見られ、笑われたり大変だった。

 本当に、大変だった


「ここが俺の家だ」


敬語を使う必要の無い奴だと気付いた後からはため口にしている。が、何故普通に使えるのだろう?あまり使う事のないというのに。まあ、コイツ相手だからなんだって良いか。


「そうですか。にしても、汚くて狭いですね」


お、おお、結構ズバッと言うのね。

そういう奴だとは思ってたけどびっくりしちゃった!

一応言っておくが、1LDK(風呂、トイレ別)で、都心から少し遠く、駅からも遠いため、敷地も広いので、普通よりは広いし、片付けだってこまめにやってるから奇麗な筈だぞ!

価格は意外と低いが、それは幽霊騒ぎがこの部屋であったからだ。そのため借りられた。別に、金持ちという事では無い!……、言ってて悲しくなってきた。


「悪かったな、汚部屋でね」

「いえいえ。文句は言いませんよ」


さっき普通に言ってたろ!


「いえ、あれはただの事実です」


なお悪いわ!!


「それはすいません。と、謝罪します」


……、あれ?俺、話してないよね?

そう思い訪ねてみたら、「心位は読めますよ?」と、何とも無いように言われた。

やはりハイスペックだ


「それは当たり前ですよ!あり……博士に創られたのですからね」

「勝手に人の気持ちを読まないでよ!?」


 そう抗議すると彼女はキョトンとしながらこう言った。


「何故ですか??と、疑問を提示します」

「いや、知られたくないんだよ。色々と」


 そういうと思ったよりもあっけなく彼女は心を読むのをやめた。なんでも、意思に添わない事をわざわざやらないし、やりたくないらしい。


「そうですか。分かりました。思考共有(リーディング)の使用を制限します」

「ありがとう」

「さて、早く入りましょう!」

「それ絶対に俺のセリフだと思うんだが……」


 彼女は冷ややかな目を向けながらこう言ってきた。

「細かいとこは良いじゃないですか。そんなとこまで気にしてるから禿げるんですよ?」


念のため言おう。


「禿げてないからね!?」

「そんなことはどうでもいいのですが、貴方は何者ですか?」

「何者って……」


 別に俺は何処にでもいるただの一般人だ。だから、改めて何者か聞かれても……


「答えれれないのですか?」

「いや、まあ、何処にでもいるただの一般人だよ。一応高校生だ」

「コウコウセイ?」


彼女は真顔で聞き返してきたので俺は不思議に思ってしまう。何故高校生を知らないんだ?


「高校生だよ。学業に従事しなければいけない学生だ」

「あぁ、高等教育機関に在籍している学習者なのですね」

「……そうだ。っと、そういえば君の事は何て言えばいいのかな?」


 そう尋ねると彼女は少し首を傾げながらこう言ってきた。


「私には名前など有りませんので、お好きなようにお呼びください」

「テンションの落差が激しいね。君って」


この返し方をするあたりが友達が出来ない理由なのかな?いや、気にしたら負けだ。何せ相手はこういう奴なのだから。


「???テンションは張るものでは?」

「え?そうだったの?」


なに真顔で「え?知らないんですか??ちょっ、受けるんですけどwww」みたいな顔してんだよ!?普通知らないだろ!?まあそれは置いといて


「なんて呼べばいいんだろう……?」


 名前が無いというらしいので、しばらく悩んでいると彼女がこう言ってきた。「とりあえず家に入りませんか?」と。さらにこんなことまで言ってきた。


「それに、今までだって名前なんてものは無かったのですからそんなに急いで決める必要は有りませんよ?」


そりゃまあそうかもしれないけどさ、いつまでも「彼女」や、「アンドロイド」「α-28」なんて呼びたくないしな……

ただ、俺にネーミングセンスなんて欠片も無いしどうしたもんか。

ん?さっきからあいつ、おとなしいけどどうしたんだ?


「さ、早く入りましょう!……どうしたんですか?そんなところにボケっとつっ立て居て何か問題でも?」


俺が視線を上げると、そこにはドアを開けて(・・・・・・)こちらを見てくる彼女が居た。……あれ?カギ閉めたんですけど、何で開いてんの?

ダメだ。集中して考えられない。よし!後で決めるか!!急いで決める必要は無いって言ってたし。だから、一つだけ言わせてくれ。


「勝手にドアのカギを開けるのも禁止だ!!」

うん。知ってた。出来ないんだね、名前呼び。どうしてこうも予定を狂わしてくるんだ?

あ、そうか。私のネーミングセンスが無いからか。

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