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夢現

夢現(2)

作者: 人波夕日

夢現の2作目です。

計3作の短編集を予定してます。

ふと、目が覚めると見慣れた天井が見える。見慣れた木造の天井だ。新築を買って15年。毎日のように眺めている天井だ。

隣を見ると妻が静かな寝息を立てている。

寝室の壁に掛けられた時計から針の音が聞こえる。

この2つの音と時折、近くを通る車の音しか聞こえないとても静かな夜だった。

この見慣れた光景に思わずホッとし、涙が出てくる。

嫌な夢でもみていたのだろうか。

まだ、朝まで時間があるのを確認し寝返りを打ち再び眠りについた。


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ふと、目が覚めると見慣れない天井が見える。

隣を見ても誰もいない。

しばらくすると遠くで鐘の鳴る音が聞こえる。

すると一斉に回りが騒がしくなる。

皆が起きだし村長に『仕事』をもらいに行く足音だ。

また来てしまったかと思いながらも、出遅れないよう急いで布団を畳み身支度を整え村の広場に向かう。


広場に着くと、すでに人だかりができている。皆、割の良い『仕事』をもらうのに必死なのだ。早い人ほど容易な仕事があてがわれる仕組みなのだから。

自分の番となり『仕事』を村長より受け取る。

今日の『仕事』は割り当てられた畑に種を蒔くことだった。重労働ではあるが村を出ない分安心である。

なにせ、村の外は危険極まりない動物や未知の化物がたくさんいるのだから。

前回は、隣村へ移動するキャラバンの護衛の『仕事』を村長より受け取った。あれは辛かった。よく生き残ったものだ、と我ながら感心する。


今回もさっさと『仕事』を片付けて日常に戻ろうと意気込み、畑の管理者に『仕事』の依頼を受けた旨を伝えに広場を離れるのだった。


--------------------------------------------------------------------------------


ふと、目が覚めると見慣れた天井が見える。見慣れた木造の天井だ。新築を買って15年。毎日のように眺めている天井だ。

隣を見ると布団の中から妻がこちらに顔を向け自分のことを眺めている。

時間は大丈夫なのかと問うと、彼女は微笑み、今日は休日だという。

カレンダーに目を向けると確かに今日は休日だった。

この、今日が休みだと起きてから実感するのはちょっとした幸せである。

今日一日は彼女のために使おうと思い、体を起こし二人で今日の計画を立てることにした。

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