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第十一話 母上のおでん

「まずい」

「まずい、な」

 兄者はまるで煎じ薬を飲み込んだような表情をしている。源四郎にしても苦笑いを浮かべるしかない。けれども、何故だか目の奥がつんと熱くなる。

「うまい」

「どっちなのだ」

「どっちもです!」

「阿呆が! 泣きながら喰らう奴があるか」

「泣いてなど、おりませぬ! これは、辛子(からし)が眼にきただけのこと」

「そうか……源四郎が言うのならば、きっとそうなのだろうよ」

「母上の味がする」

 自然と言葉が漏れていた。

「この馬鹿者が」

 軽く額をこづかれる。


「母上のおでんは、これほどまずうはなかったわ!」

「兄者、酷い。開き直りですか」

「おかしいのう。黒醤油を水で薄め、そこに黒はんぺん、葱、豆腐、大根、こんにゃくを竹串に刺して煮込んだのだが。俺の記憶違いか?」

「この源四郎もそのように覚えております。ですが、やはり何かが違う。けれども母上の味がいたします」

「生意気を言うな。お前が最後に口にしたのはまだ七つだったではないか」

「覚えておりますとも。兄者こそ、作り方すら覚えておらぬではありませんか!」

「済まぬな」

 声を押し殺すかのようにして兄者がぽつりとそうつぶやいた。料理などしたこともないだろうに。


「こちらこそ、言い過ぎました」

「いつの日にか、母上の味を再現してみたいものよ」

「あの、おでん。懐かしく思いまする。ところで」

「どうした」

「黒醤油にしても黒はんぺんにしても古府中では手に入らないはず。いったいどうやって?」

「なんだそんなことか。駿河は駿府(現在の静岡県静岡市)まで足を伸ばして帰って来たまでのこと」


 うかつな、そして愚かな問いかけをしてしまっていた。そのことに遅まきながら気がつく。びくりと、思わず顔を上げる。

「……兄者、またまたそのようなご冗談を」

 ごくりと生唾を飲みこんだ後に、ようやく。その短い言葉を口にするのが精一杯であった。


 尋ねなければ良かった。そう後悔する。二人きりならばどもかく、この一室はそうではない。

 部屋の隅であぐら座りのまま聞きに徹している者がいる。小山田家ご家老加藤有定殿。ちらりと顔を向けたところ、驚いた様子で目を見開いていた。


 駿河(現在の伊豆地方を除いた静岡県東部)は武田家が治めている地ではない。今川義元の領国である。ではあるものの、武田家と今川家は同盟を結んでより既に十年以上にもなる間柄。

 甲斐と駿河の往来に関しての調べはあってないようなもので、名を記帳すればそれで終わりな緩やかなもの、と聞き及んでいる。

 だがしかし、それはあくまでも表向きであった。

 七年前の天文十年(1541年)以来、当主の座を放逐されたご先代信虎様が今川家に客分扱いで駿府の地へご滞在されているのだ。

 ご先代様の追放騒動以前ならばともかく、以降は武田家のれっきとした家臣が「ちょっと古府中の隣の村まで用事があって」というような感覚で行き来することが許されている場所では事実上なくなっている。

 ご当代晴信様のお認めになった正式な使節の一員以外で駿府の地を訪れるということは、これすなわち「お舘様に反意あり。ご先代様の指示を仰ぎに行った」と受け取られ糾弾されても文句は言えない。


 そのような事情があるからこそ。たとえ浪人となった身であろうとも甲斐を出るにあたり、駿河へ、という考えは源四郎の頭の中には初めからなかった。……もっとも、浪人身分にはなれていなかったのだが。


「かまわぬ。俺にしてみれば、まことにささいなことよ」

 止めなければ、と思いはするのだが兄者の目はそれを許さない。口を挟むことを一切拒否するかのように力がこもっている。

「所用のあった飯富郷より古府中へと戻ってみれば、源四郎が暇乞いの書状を置いていなくなっていた。わけが分からぬ内に、郡内岩殿城城主である小山田有信殿より、捕らえている、と秘かに知らせがまいった。大慌てでこの地にまで駆けた末にこの兄が問うてみても、理由も語ってはくれぬまま追い払われる」


 改めて兄者の口から聞かせられてみれば、胸中へずしりと突き刺さるものがある。息を吸って、吐く。ただそれだけのことがとても辛い。


「このまま源四郎が逐電の理由を明かさないままとなれば、武田家の諸法に従うより他はなくなる。恐らくはあと五日も経たぬ内に死罪。なあ、そうであろう、加藤殿よ」


「さよう……そうなりましょうな」


「もしもそのようなことになれば、泉下の父上にも母上にも申し訳が立たぬ。ならば、ならば、この兄に成せることなど何があるというのだ。ともに死んでやることも出来ぬ。この兄は飯富家の当主。好き勝手に生き死にの道など許されてはおらぬ。だが、それでも何か出来ることはないのか、とな。まずは、この世でただ二人きりの兄弟だと思い出して欲しい。その一念で以って……せめて、懐かしき味をともに喰らいたいものよ、と駿府まで行って来たのだ。ただ、どうにもな。ふがいない兄で済まぬ。母上の味には程遠いのう。されども源四郎が母上の味と言ってくれたその一言。それを耳にしただけで充分よ。報われたというもの」


「兄者よ! 全てはこの源四郎の身勝手ゆえ。聞いてくだされ!」

 気がつけば、伏して額を畳にこすり付けていた。親の心、子知らず。ならぬ、兄の心、弟知らず。であった。


 何故、相談もせずに勝手な振る舞いをしたのだ、と自らを責める気持ちで一杯となっている。

 兄者の言う通り、ただ二人きりの兄弟ではないか。

 話せば迷惑をかけてしまう。そう考え、暇乞いの書状をしたためるにあたり、理由を書かなかったのは確かだ。

 けれども、もしも逆の立場であったならば……それほど頼みにならないのかこのおのれは、とあまりの他人行儀な仕打ちに悲しみ嘆く。そうに違いない。

 明かせないような理由なのか? いいや、断じてそうではない! この(いきどお)りは一点の曇りもなく正しい。それを兄者には知っておいて欲しい。


「許せぬのです! 北条綱成(ほうじょうつなしげ)(元の名を福島綱成。今川家家臣であったが色々あって浪人の末、相模の大名北条家に仕官。当主に気に入られ娘を貰い入り婿し、北条姓になる)が! 直談判して、ことと次第によっては斬り捨ててくれようと考えております!」

「我らの従兄弟だぞ。亡き母上の妹殿が綱成の母ぞ」

「そんなことは百も承知の上」

「ほんのふた月ばかり前に北条家の使者として躑躅ヶ崎館へ来た折に、我が屋敷で宴を開いたばかりではないか。源四郎にとってはあの時が初めての顔合わせ。始終にこやかに楽しんでいたであろうが。いったいどこで、それほどの遺恨を」

「まさか? 兄者はあの噂を聞いてはおられませんのか?」

「なんだ?」

地黄八幡(じきはちまん)


 その一言で、兄者には通じるとばかり思い込んでいた。だがしかし。困惑と不理解、二つを混ぜ合わせたかのような表情が源四郎の目には映っている。


「ああ、先月武蔵に攻め寄せてきた関東管領上杉との合戦で大活躍であったらしいな。黄色の布地に八幡大菩薩と墨書した旗印。大変に目立っていたとも聞いている。それがどうしたというのだ」

「あ奴めに、盗まれたのです! 我らがとうとう作り上げた紅天月星旗(こうてんげっせいき)の意匠を。兄者は、悔しくはないのですか!?」

「うむ、源四郎の自信作。まことに見事な旗となっておる。赤き空に黄金の三日月と銀に光る丸星一つ。宴の折に綱成に見せたところ、えらく感心しきりであったであろう。源四郎もあの場にいたではないか。この兄も鼻が高うなるというもの」


 え? それだけ?

 あまりと言えばあまりな兄者の反応に思わず絶句してしまう。おまけに怒るどころか、逆に笑ってすらいる。


「源四郎よ」

「なんでし」

 ょうか、とまでは口にすることが出来なかった。身体ごと引っこ抜かれたように畳へ叩きつけられていた。強く肩を打ち、頭は跳ね、頬は腫れ上がっている。何故、ぶたれたのだろうか? まるで理解が追いつかない。

 大の字に寝転がり、額へ手を押し当てる。くらくらと目の焦点が泳ぎ、ふらふらと身体は揺れているかのよう。


「お前は! お前という奴は! 立て!」


 なんという仕打ち。かあっとなる。息を吸って吸って吸って、吐き出す。

「いくら兄者であろうとも!」

 素早く起き上がった。

「許せることと許せないことがあるというもの!」

 畳を蹴り上げ、飛ぶように三歩を駆ける。

 ところが襟を掴もうと突き出した右手は寸前でかわされ空を切ってしまう。次の瞬間、腕をきめられ投げ飛ばされていた。背中に衝撃が走る。畳に叩きつけられていた。息が詰まる。

 すぐさま立ち上がろうと、だがしかし、足にきていた。震える膝から崩れ落ちていく。


「源四郎は、勘違いをしておる!」

「何をですか!」

 口の中を切っている。叫ぶと血の臭いがした。ごくりと飲み下す。生臭い味がした。


「当初の目的を忘れたのか! この大馬鹿者があ!」

「何ですかそ……」

 ハッとする。

 そうであった。戦場で下総(しもうさ)千葉家と二度と間違われないような旗を。

 これこそが、そもそも新旗を求めた理由。

 紅天月星旗ならばその怖れはない。ただ今すぐにでも、たとえば九州の端に持って行ったとしても誰も源家物語に登場するあの有名な下総千葉家の旗と混同することはないであろう。


 金色の三日月と銀色の丸星。布地の赤にしても何種類も濃淡を変え、波打つ横縞模様。これこそが苦心の証。遠めで眺めれば赤き夕暮れの空に浮かぶ月と星に見える。近くでは月の下には雲が浮かんでいるかのように目に映る。

 もはや元の下総千葉家の月星旗とは全く別と言える意匠。しかも、目立つ。これも大事。なんといっても赤に金と銀。派手派手しい。

 上田原の戦における奮闘の成果として源四郎個人に与えられた恩賞金の半ばをつぎ込んだ自信作であった。


 愕然としてしまう。いったい何を思いつめていたというのだ。なんという懐の狭さ。先に戦場で用いられたことが悔しいのか。

 ……おのれのことながら、実に度したがたく情けない。

 腹を切ってしまおう……とまでは思わないものの、まるで醤油の塊りのような味しかしない兄者お手製のおでんを全て平らげてもよい。いや、足りない。伸ばし始めたひげをすっぱり剃り落としてもよい。どちらも想像するだけで、この身に鳥肌が立ってしまいそうなくらい嫌になる。

 だが少なくともそれくらいのけじめは必要。それほどの後悔の念にさいなまれる。


「別に良いではないか。色を付けた旗で先に名を上げられたこと。全く悔しくないと言えばこの兄も嘘をつくことになろう。だが、まことにささいなことよ。紅天月星旗はそのようなことでは色褪せたりなどせぬわい! そもそも古府中の者らは皆がどちらが先であったかなど知っているではないか。飯富家の行く所、常にめだ……。あ、いや、光り輝き照らしてくれるであろう」


「兄者! この源四郎が間違っておりました! 本末転倒でありました!」

「分かれば、良い」

「まことに済みません」

「まだまだ修練が足りぬ、な」

「はい」

 そう短い返事を返すとおでんの鍋をむんずと掴み、竹串を握って中の具を勢いよく口へと放りこむ。

 まずい。醤油の味しかしない。ひたらすに苦痛。噛めば辛い。飲みくだしてもきつい。うぇっぷと胃から喉へと時折こみ上げてくる。


「何を、しておる」

「兄者、止めないで下され。これは、これは自らの浅はかさを深く反省してのけじめなのです! 全てを、露の一滴すら残さずに平らげてみせましょう!」

 胃がもう無理だ、と訴えてくる。ふざけるな! と源四郎は自らを叱咤する。額からは汗があふれ出ていた。目に染みる。良かった、涙目をこれは汗だと言い張れる。




「あのう、よろしいか」

 誰の声かとわずかに考え……すっかり忘れていたことに気がつく。小山田家ご家老加藤有定殿の存在を。


「これは加藤殿。みっともない兄弟喧嘩をお目にかけてしまい済みません」

「兄者の言う通りにて」

 この短い言葉を発するだけでも一苦労であった。それほどにまずい。どうして母上の味だなどと一瞬でも感じてしまったのだろうか。


「拙者が見ますところ。その鍋の中身は醤油田楽(でんがく)ではありませぬか?」

「ああ、甲斐ではそのように言いますな。おでんというのは我ら兄弟が母の故郷(さと)、駿府での呼び名」

「おでん、でございますか。短くて良き名でございますな。ところで、飯富様」

「いかがされた」

「その醤油田楽、ではなくおでん。出汁(だし)を入れていないのではありませんか?」


 はて、祭りの山車(だし)が何の関係があるのだろう。そう頭の中に疑問がうずまく。兄者も同様のようで目と目が合う。

「山車?」と二人の声が偶然にも重なっていた。


「ああ、そちらの山車ではありません。なるほどこれは……。昌景殿、拙者が戻ってくるまで。しばしの間、食するのを止めてはくださらんか」

「はあ」

 全て平らげる、という決意がぐらぐらと揺らぎつつあった源四郎には否も応もない。お待ちしましょう、と口にしようとしたものの一歩先を越されていた。


「いやいや、加藤殿。弟も男でござる。ひとたび口にしたことをおいそれと変えるようでは」

「飯富様。お気持ちは分かりますが、今は亡きご母堂の思い出の品なのでございましょう。それを食するのが苦行に等しい、というのはいかがなものかと」

「なるほど、それは一理。そこまで言われるのでしたら。源四郎、止めい」


 ほっと一息つく。だが油断すると口がぷうとふくれる。飲み下す。しばらくはその繰り返しとなっていた。




「ほほう、これは!」

 出汁というものは、実に不可思議であった。

 山伏の神通力が込められているのであろうか。それとも陰陽師(おんみょうじ)が成す巫術(ふじゅつ)の類なのか。いや、とにかく今は何でも良い。あのまずさから解放されたというだけで充分。文句を言っては罰があたるというもの。


「いかがですかな。味が随分と変わったのではありませんか?」

「うましです! 母上の味とは異なりますが、美味しくいただけます! 加藤殿、ありがとうございます!」

「兄者もほら、この黒はんぺんをつまんでみてくだされ」

 ……応えがない。

 露骨に嫌そうな表情を浮かべている。お前は醤油で舌が馬鹿になっているのだ、とそう目が告げていた。腹が立ってくる。

「そもそもは、兄者自身が作ったものではありませんか!」

 おでん鍋を両手で抱え目の前に突き出す。


 その後、ひたすらに拒み続け後ずさりしていた兄者を部屋の隅にまで追いこむ。ようやく観念した様子で、それでも毒を喰らうかのような顔付きだったのだが、わずかの後に真逆へと転じていた。「うまい!」と。

 加藤殿にも加わってもらい、三人でおでん鍋をきれいさっぱり平らげる。




「うむ、事情はよおっく分かりもうした。昌景殿の取られた行動はいささか粗忽と言えども、飯富家の為を想っての一念より発したこと。そのお気持ちを汲んで、こうしておきましょう。十月二十七日飯富源四郎昌景……の名を(かた)る者、捕縛。と」

「かたじけない!」

「加藤殿、ありがとうございます!」

 とはいえ、大丈夫なのだろうかと案じていると「ご懸念には及びません。同日、他国の間者とおぼしき者を複数名捕まえていますので」とのことだった。


「それにですな、こちらこそです。我が主小山田信有が以前に飯富家より受けた恩義をお返しする良き機会となりました」

 どういうことだろう。兄者も分からない様子である。

「虎昌様が恐らくは五歳かそこらの頃のことでございます。ですので覚えていらっしゃらないのも無理はございますまい」


 加藤有定殿の言によれば、かつて若かりし日の小山田信有様は身分違いの恋に落ちたそうだ。側室として娶るならば何の問題もなかったものの。

「正妻がかなわぬのならば、小山田家は継がない。養子でもなんでも取ればいい。いいや、逐電する」と言い張り大騒動になったらしい。なんでも、後継の男子は信有様お一人しかいなかったそうで。

 困り果てていた小山田家へ当時の飯富家当主である父盛昌が助け舟を出し、信有様の想い人であった農民の娘を飯富家の養女としたとのこと。そうして、晴れて小山田家嫡男の正室へ迎え入れることが出来た、と。


「そう言われてみれば……おぼろげに。何やらある日突然姉上が出来たと言われ数日後にはいなくなってしまったような。それにしても信有殿も他人行儀。これまで一度も耳にしたことがありませなんだ」

「まあそれは。あの騒動はいわば若気の至りと言うもの。お父上盛昌様へならばともかく、二十近くも年若い虎昌様へ改めて礼を、とは照れくさいのではございますまいか。と拙者は愚考しております」


「とはいえ、よろしいのですか。横目奉行曽根虎長様に露見してしまえば、小山田家が面倒なことになるのではありませんか?」

「昌景殿。その点でしたらご心配なさらずとも。小山田家は武田家の忠実な家臣でありますが、半ば独立してもおりますゆえ。こたびの昌景殿の騒動を見知っている者どもらが口を滑らすようなことは決してございません」


 なんだろう。そう断言してもらえるのは一安心なものの、同じ武田家直臣の家という立場にもかかわらず随分と差があるものだ。などと源四郎の胸中では感心と呆れが半ばする。

 ところが兄者は「さすがは郡内岩殿の小山田家、でありますな」と、特に違和感を抱いていない様子。ならば、気にすることではないのか。きっとそういうことなのであろうと納得した。


 その後、加藤殿に案内されるがまま兄弟揃って郡内岩殿城の本丸へと上り、城主である小山田信有様と対面しお礼を述べるにいたる。

 その席上で、心よりの感謝を込めて、本当に全く他意はなく「加藤殿には大変にお世話になりました。豪胆というのはそれがしなどよりも加藤殿にこそ相応しい二つ名でありますゆえ、お譲りいたしたく」と言ったものの……。

 喜んでもらえるどころか、とんでもない、とばかりに血相を変えてまで強く拒否されてしまう。


 兄者と二人連れでの古府中までの帰り道、馬の背に揺られながら源四郎は切なさを感じざるを得ないでいる。

 格好良いと言っていた。あれは嘘だったのか、加藤殿! と誰に告げることも出来ないであろう行き場のない理不尽さに悶々としていた。



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