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主は仰せになられた。産めよ、増えよ、地に美千代。・・・美千代?美千代なのか!?帰ってきてくれたんだな!・・・なに?なんだお前、その、男は・・・

作者: ぱたりおん

タイトルは本文と関係がありません

古のこと、世界は混沌であった。

神は言った。

「光あれ」

そういうこととなった。

神はその他諸々をおつくりになられ、そうして人間も作った。

神は言った

「うめよ、増えよ、地に満ちよ」

そういうこととなった。


「ふっふ~ん、この前天地開闢した世界どうなってるかしら?」

私は神様大学に通うごく一般的な女子神さま。

強いて変わっていることといえば、天地開闢に興味があるってことかナ~?

今の時代、運用・保守の需要が多くて大学での教育もそちらに重点が置かれてしまっている。

でも、やっぱり神様の端くれなら天地開闢くらいしとかないと!

基本からしっかり積み重ねることで、技術者としての「厚み」が作られると思うのよね。

「さて、人間は言った通りしっかりと人口を増やしているかしら?」


その世界は平和だった。

緑に満ち、争いはなく、調和と共存が完璧にされていた。

増え続ける人口にかかわらず、自然との軋轢を起こさない。

人間の信仰心は高く、稀に見るほどである。

そして、すべての人間は敬虔に神の言いつけを守っていた。



彼らは「うめよ、増えよ、地に満ちよ」の言葉を忠実に実行し

光合成を身に着け自らを地中に埋めこんだのだ。

ようく見ると、緑のほとんどは樹木ではなく人間であった。

ヒトが七分に大地が三分-----まさに地に満ちている。


並々ならぬ方法で生殖し、彼らは繁栄を達成していた。



ああ、そして、彼らにとって今日は約束の日だ!

神の再訪、敬虔な行いを見てもらえる

晴れがましく、誇らしい、人類最良の日なのだ!


緑色のヒトはみな幸福な笑顔を浮かべていた。


神は思った。

「違う。そうじゃない」

「埋めよとは言っていない」「植えよとも言っていない」

「地に満ちよはそのままの意味じゃない。本当に面積的に満ちてどうする」

「マジで?」

「え、マジで?」

「これ、私なんていえばいいの?」


そうして神はしばし沈黙された。

沈黙は世界を覆った。

全ての人間の目は、神に注がれ、その輝きは無垢な子供を思わせた。


神は言った。

「とにかく、よし」

そういうこととなった。


なおこの世界を卒業制作として提出した神は、

天地開闢を馬鹿にしているのかと一喝され、留年したという。

神は涙した。


その後、緑の人類は順調に増え、星が滅ぶまで種を全うした。

めでたし、めでたし

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