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零:まだ生きている-乙


 ここは何処なのだろう。

 自分は今何処に居るのだろう。

 今、何をしているのだろう。

 分からない。何も、分からない。


 そもそも、自分は何だったか?

 自分はまだ生きているのか?

 実はとっくに死んでしまっていて、今ここに想う自分はただの意識の残滓なのではないか?

 現実感が無い。目が見えているのか、耳が聞こえているのかすら曖昧だ。

 座っているのか、立っているのか、歩いているのか、走っているのか、寝ているのか。分からない。

 ただ、考える自分だけが在る。


 痛い。

 そうだ、痛い。

 喉が痛い。口が痛い。腹が痛い。胸が痛い。頭が痛い。脚が痛い。腕が痛い。

 どこもかしこも痛い。気持ちが悪い。

 何故こんなにも痛むのだろう。何か、悪い物を食べただろうか。

 とても、苦しい。


 ただ、彼は考え続ける。

 自分がここに居るという事を。

 それさえ止めてしまったら、本当に何も分からなくなってしまいそうだから。

 全身全霊が軋むが、彼はそれでも思考を続けた。


 やがて、彼の前に光る何かが現れて。

 亡者に救いを齎すように、温もりが彼の手を取った。……気がした。

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