冬眠魔獣
戦闘描写中心に書きたくて作りました。特に後悔はしていません。
なお、魔獣の詳しい生態についての説明はいつか入れますが今ではないです。大体十話くらいは先かと
ズシン、ズシンという音が辺りに響く。その音の響きに合わせて辺りの木々は大きく振動し、地面は揺れ、動物たちは足元をすくわれる。
そんな中、森の中の生物で唯一の人間である雪人は大きく揺れている木々の中の一本の上に登り、その木の枝の上に腰を落ち着けていた。魔力により大きく発達した枝の上に思いっ切り体重をかけ、木の幹を背もたれ代わりにして脱力している姿はいつもの飄々とした雪人の姿と変わるところは無い。
しかし彼は内心面倒なことになったと、実際はいつもよりも元気がなかったのだが、それを判別する人間も斟酌する存在もここにはいなかった。
彼が悩んでいるのは、今の地面の振動を起こしている一体の魔物についてである。
自分の苦手な敵は、堅い、でかい、鈍いの三拍子そろった生き物であると雪人は自覚していた。
これは仕方ない。自分は少々インチキ的な手法で身体能力を急上昇させてはいるが、この世界の大部分のように魔力や魔法を使えるわけではないのだから。彼らなら巨大な魔物にも魔法という武器があっただろうことだろうが、雪人にはそんなものはないのだ。あるのは自分を鍛えた戦闘技術のみ。
というか本来人間というのは、巨大で硬い甲殻を持った生き物とかに勝てるようなポテンシャルを持っていない。例えば亀の甲羅のような硬さの皮膚をした巨人とか誰にも勝てないだろう。むしろ巨大生物に個人で勝てる可能性を持っているこちらの人間の方が異常なのだ。
まあ、結局は何が言いたいのかというと、この振動を起こしている魔物からさっさと逃げたいなあという事である。
「無理そうなんだけどなあ……」
雪人は現実を見据えて深くため息をつくのだった。
それは長い年月の間、眠っていた。
活動サイクルは主に十年に一度。冬眠にも似た長い休眠期間の果てに、わずか一か月ばかりの間に地上に住んでいる魔物を片っ端から食っていく巨大な生き物。
巨大といっても体躯はかつて地球にいたであろうといわれる恐竜くらいの大きさである。勿論骨格からの推定であるが、この世界にはまだまだ巨大な生き物もいそうな気がしたのでそこまで巨大というわけでないだろう。
ただまあ何と言っても重量が違った。その体躯のどこにそんな重量が隠れているのかと思うほどに、歩くたびに地面が揺れ、長い尻尾を揺らすたびに、憐れな木々がなぎ倒されていく。
そして長い休眠のせいで強い空腹を感じており、強い凶暴性を秘めていた。
目の前を凄まじい敏捷力を発揮して目にも留まらぬ速さで兎型の魔物が通る。
それの進行方向に大きな足を置き、口を開いて、
グシャッ
川のところで蟹のような魔物がこちらに鋏を向ける。
恐ろしい速さの岩をも切る鋏をこちらに向けて放ってくる。
鋏は足の皮膚に傷一つつけられず、やっぱり口を開いて
バリッ
スライムのような魔物がこちらの熱と魔力を感知して近づいてくる。
体に触れれば腐食するはずの体液も、強靭な皮膚と再生能力の間に全く通用しない。
そして口を開いて、
ズルッ
どの魔物もどんな攻撃もこの魔物に通用せず、逆に捕食の対象とされた以外になったものはいない。
そうしてそれが暴食のままに見つけたのは一匹の人間。
体を覆う硬皮も、こちらを食いちぎる牙も、捉えきれない素早さも持たない弱い弱い人間。
今まで食べたものよりも癖がなさそうなその肉体。
それは歓喜して、一気に目の前のエサに飛びついた
向かってくるのは大きく開かれた咢。ティラノサウルスがいたらこんな感じだろうかと、自分の体を優に飲み込める口を前にして持たれていた木から出てきた雪人は呑気に構えていた。
先ほどからすごい勢いでここいらの魔物を食い始めた恐竜魔物は、どうやら匂いに頼ってこちらの動きを把握しているらしく、雪人が魔力感知で気づいたころには、逃げようと思ってもこちらのことを捕捉されていて意味がなかった。
しばらく隠れてみても、何やらこっちを目指して快進撃を繰り広げている姿を見るに、この森で磨いてきた勘が戦闘は避けられないだろうと嬉しくない情報を教えてくれた。
しかも見ていくと、自分が苦労して倒してきた魔物たちを鎧袖一触とばかりに食い散らかしている。
現実逃避の一環として今までは突然自分の魔力感知に現れた魔物が辺り一帯の魔物を食い始めたのは一体どういうことなのかということを考えていたが、今はこの涎を垂らしながら噛みついてきた恐竜の相手をすることの方が重要である。
意識一つで成長した肉体のリミッターを完全に解除し、向かってくる牙の方向にちょうど口の右側方をすり抜けるようにして加速していく。
身を低くして、ほとんど地面に頭が接触するような前傾姿勢をとった加速は、体重のほとんどを一瞬で前方に移したことによる加速力と低空姿勢という狙いにくさにより、恐竜の咢から紙一重で免れることに成功する。回避されると思っていなかったのか、恐竜はこちらのことを一瞬見失う。
雪人はその隙を見逃さずに、低くなっていた頭の上に跳躍。今の八か月この森で鍛えられた肉体であれば、自分の身長を超える跳躍もあっさり可能である。そうして恐竜の頭に飛び乗った雪人は、自分の持っていたカマキリナイフを全力で突き刺した。
キィィィィィンという甲高い音を立てて、カマキリナイフはその刃の中途から完全に折れる。
「!? ったく堅すぎるなあ!!」
岩であろうと突き刺さる勢いの攻撃を完全に無防備な状態の額に受けて無傷の恐竜に悪態を放ち、今度は恐竜が振り落とそうと頭を上げた勢いに従って跳躍。そのまま恐竜の後方にあったノッポな木へと吹っ飛んでいき、空中で回転して勢いを殺して両足で木の幹の側方に着地。膝のばねを使って、ゴムボールのようにもう一度恐竜の方に跳ぶ。
「――――っふ!」
今度は空中縦回転の踵落とし。恐竜よりも高いところから撃たれた右足の一撃は、魔力強化無しでも強化有りと同じくらいの筋力を発揮できる雪人の身体能力を十二分に反映し、思いっきり恐竜の頭に着弾する。
恐竜が未だ体勢を立て直してこちらを認識する前に当たった足は、ガゴンという大きな音を響かせる。
だが、雪人は足に伝わった感触からほとんど相手がダメージを喰らっていないことを認識した。
(――――かってえええ!! 俺が履いてる靴は最近狩った甲殻獣の毛皮と甲羅を利用した新品だぞ!? なのに衝撃が足の裏に伝わるってどんだけコイツ堅いんだ!?)
しかもそのまま地面に戻った雪人が恐竜を見ると、恐竜は頭を固いもので少々小強く打ったとでもいうような軽い反応をしたくらいで、またすぐにこちらに意識を向けてきた。
それを見て、自分の踏襲が全く脳にダメージを与えていないことを確信し、真面目にどうしようかと策を練り始める雪人。
打撃も斬撃も今の攻防で効かないことが判明し、関節を壊すにも少々相手がでかすぎることを考慮すると、魔法を使えない自分の勝ち目はほぼないといえる。
故にここは逃げを打って、このままイービル・テイターンまで逃げ切ってしまうのも一つの手だが、どうにもこいつはあの木の拘束を抜け出してしまいかねないような力を持っている。逃げても勝ち目は薄い。
他に崖からコイツを突き落すという作戦も思いついたが、生憎と今いるところは森の中でも最も標高が低い場所だ。崖を登る前に通る森の中のいくつもの魔物を振り切れるほどの力はまだ雪人に無い。従ってこれも駄目。
そうして攻撃の手札も逃走の手札も無くなって、万策尽きた雪人にはもう不確定要素の切り札しか残っていない。
でもあれ使うのなぁ……と雪人が躊躇っている内に、恐竜の方は完全に体勢を立て直して怒り狂った様子でこちらに対し豪快な尻尾の薙ぎ払いを仕掛けてきた。
周辺の木をまとめてなぎ倒しながらこちらに向かって迫ってくる長大な尻尾を見て、迷う暇はないと雪人は決断。攻撃に向かって疾駆を開始し、尻尾の巻き起こした気流に乗って思いっ切り跳躍。途中でぶつかりそうになった尻尾を上手く足場に変えて、尾を振り切って隙だらけになった恐竜の側方へと跳躍する。
そのまま背負っていたイービル・テイターンの長刀ほどの大きさの木刀を抜き放ち、まずは相手の体勢を崩すために足の小指辺りを斬る。
フォンという風切音をたてて、かつての時よりも鋭くとがれた堅い木刀は恐竜の爪の付け根を切り裂いた。指先は皮膚が薄く神経も多く通っているであろうという判断の下、雪人が足先を狙って切り裂いたことで恐竜は苦痛に叫ぶ。そのおぞましいまでの絶叫は聞く者の動きを止める威圧感そのもの。だが、悲鳴を上げさせた雪人はその程度では動じない。木刀で切った勢いを利用して、地面を低く疾駆、剣を地面に深くさして引きずるままに、もう一本の足まで縮地で近づき左足同様に足先を切り裂いた。
ザシュッという音をたてて斬れた爪と足の間。再びの痛覚に叫ぶ恐竜。
両足に突然の激痛が走ったことで、体勢を維持することもできずにそのまま崩れ落ちた恐竜。そしてその倒れた地面から放射状に地面に亀裂が入り、岩盤が大きくへこんだ。
両足で体を支えることができなかったこともあって、恐竜は地面に出来た穴にはまり込んだ。
いくら恐竜が重いとはいえ、倒れ込んだだけで地面に放射状の亀裂が走っていきなり崩落したのは一体何の冗談か。恐竜がそのことを疑問に感じ、地面に半分くらい埋まった体を抜け出そうと必死に動いている背中で、雪人は恐竜の背中から頭頂部を歩いて目指す。
今起こった小規模な地盤沈下には勿論、雪人が先ほど剣を地面に長々と引きずったことが深く関係している。
この技術を再現できたのは、奇跡に近かった。
この世界には魔力があり、自然界にも多く流れている。しかし雪人はそんな魔力を扱うことは全くできなかった。これは召喚された時からわかっていたことであったが、この森で生きていく以上、どうしても何らかの力は欲しい。そう思ってどうにか魔法らしきものが使えないかと魔法を使えない理由を詳しく調べていくと、自分には「生命力を魔力に変換する能力」と「魔力を血液中に保存する」という二つの根源的な機能が欠落しているという事が分かった。
これは、死んだ魔物から魔力がすぐに拡散していかないことや川のように流れていた魔力を自分に通した時に素通りしていった反応から分かったことで、本来の生き物にある「魔力変換能力」だけではなく「魔力蓄積能力」すらもないと分かった時の雪人の絶望感に関しては言うまでもないだろう。
なぜならこの事実は、身体に魔力を人工的に蓄積しておくという作戦が封じられてしまったことを意味するからだ。
ただまあ、転んでもただで起きない、簡単に諦めないのが雪人という人間である。
もう自分は魔力を使うことはできないと分かったのだったら、今度は逆に周りの魔力を合気の考え方で利用できないかと考えたのだ。
魔力蓄積のできない無能であっても、高濃度の魔力の影響を受ける。それは逆説的に言えば、魔力の無い人間でも魔力に干渉できるという事に他ならない。よって、力を併用しない雪人であっても、空間中や自然中、魔物の体内や地面中に存在する魔力に打撃や斬撃を加えるなどの干渉をして、暴発させたり、暴走させたり、歪めたり、局所的に強度を弱めることは可能ではないかと考えた。これは雪人のオリジナルの考え方ではなく、王宮の本に書いてあった「魔力を併用した戦闘術」という本にコラムとして載っていたことである。
本来は自分の魔力と相手の魔力を時間をかけて共鳴させ、破裂させるという実戦では使えない技術だったが、そもそもが実戦で実現できない理由というのがその魔力干渉技術に必要なレベルでの魔力の流れを知覚できる感知能力がない分を魔力で補う必要があるからであり、無能の雪人の探知能力だったらそんなことをせずともあとは攻撃の精密性と魔力に強く干渉できる媒体さえあればすぐにでも使用可能だった。
ついさっき雪人が刀で切ったのは地面を流れる魔力の流れ、向こうの世界では「龍脈」と呼ばれる力の流れであり、そこを魔力に強く反応できる性質をもった木刀で上手く切れば、魔力の流れに歪みを生じさせ部分的に脆くすることもできたのだ。
本当は、地面が割れて岩盤が恐竜に突き刺さるくらいの歪みを生む威力になるように刀を振るったのだが、難易度があと少しで不発になるほどの難しさであったため、そこまで派手にはならなかった。だが、確実に今の自分よりも強い相手を倒す時に役に立つ技術である。
そうして今度は恐竜の頭のてっぺんに立ち、頭蓋骨あたりの魔力の流れを注視していく。
恐竜型の魔物の命を刈り取ろうとする雪人の目には、躊躇いや油断はまったくない。
そもそもが弱肉強食の世界。しかも今回はこいつの方が先に襲ってきた。ならば相手に情けをかける余地はない。何よりもそれは相手への侮辱になるとこの森の戦いの中で雪人は既に確信していた。
拳を握り、まずは天頂部に拳を打ち込む。次にその攻撃で波紋が広がる魔力を感知し、波の大きく揺れている場所にタイミングよく木刀の一撃。
先ほどよりも大きくなった魔力の波に、さらにいくつも攻撃を重ねていく。
拳、足、木刀、いずれかの武器で魔力に衝撃を伝えるように相手を打ち据えていくその動きに淀みも一瞬の停滞も無い。あるのは機械のような正確さで、頭に打撃を加えていく。
繰り返していくうちに、魔力の弱いところが木刀に貫かれ、強いところは過剰な回復力に皮膚がただれてくる。もし、恐竜が自分に最初から気づいていて、頭の周辺の魔力の流れを抑え込んでいたら、ここまで順調に恐竜に攻撃を通せなかっただろう。だが、現実では既に意識して魔力を抑制しようとしても、抑制しきれないほどに魔力の暴走は進んでいた。
そうして何撃目か雪人にもわからなくなったとき、刀は恐竜の頭を貫いた。
そうして終わった戦闘の後、雪人は決して勝利の笑みを浮かべることはしなかった。
「あらよっと」
ズシン。そんな地響きを立てて、イービル・テイターン周辺の安全地帯に今しがた持ってきた恐竜の頭頂部が落ちた。
魔物の恐竜が死んだあとは魔力の循環がなくなったせいか、急激に皮膚の硬度が低下した恐竜の首を担いで雪人は最早自分の本拠地といってもいい魔樹の下に帰ってきた。
牙や爪や皮といった素材をある程度はぎ取った上で、何のために恐竜の頭を持ってきたのかというと、いつも安全地帯にいさせてもらえるお礼としてのこの樹への差し入れである。
この樹も意思があるのだし、いつもいつも自分が安全地帯にただで引きこもっているのは流石にヒモでは無いだろうかという認識の元、雪人はできる限り自分の食べない魔物の部位を持ってくることにしていた。
何度も差し入れしてわかったことだが、どうやら魔力が多い部分の方が差し入れとしては上物らしく、雪人の持ってきた魔物の魔力が多いほど樹の根っこの動きがいい。等号で強い魔物という事なので、この樹は結構なグルメである。
そうして今回もまたイービル・テイターンが美味そうに魔物の肉を食べている間、雪人は一人先ほどの戦闘を振り返っていた。
戦闘自体は、そこまで危険だと思ったものは無かった。まあ、直撃したらひしゃげるような尻尾の一撃も当たったらおじゃんな噛みつきもあったし、全く危険ではないというわけではなかったが、特にヒヤリとした場面はない。
それに、どうせ自分はこの森の魔物たちの攻撃に耐え切れる耐久力は無いと思っていたので、身軽さと速さを重点的に鍛えているので、このように紙一重の戦闘は日常茶飯事だった。
なので、今の雪人が気にしているのは戦闘の立ち上がりや展開ではない。
どちらかというと、もっとセンチメンタルなものだ。
「流石に撲殺はくるものがあるな……」
雪人が気にしていたのは魔物を最後に倒す時に、まるで素手で人を撲殺するように何度も何度も動けない敵に攻撃を加え続けたことだ。
今まで戦った相手には、スピードタイプの自分がどうしても苦手とするようなおらず、最悪ここまで逃げ切れれば勝ちを拾えるものが多かった。これは慎重に戦ってきた証拠であると同時に、苦手なタイプの敵とは極力戦ってこなかったという事である。
結果、今までの自分は一撃または数撃で決着する戦いが多く、今回のように何度も何度も殴打してやっと倒せるといったそんな血なまぐさい戦いは経験したことが少なかった。
そのせいか、今回の仕方なく、しかし自分の新しい攻撃手段を試すためにも行った一戦が、雪人に初めて人殺しをした八か月前を思い出させた。
あの時、研究所内の人間を皆殺しにしたことは後悔していない。あそこにいたのは無能であれば人間でないなどとふざけた考えを持った狂人集団だけだった。魔力感知で思考を読んだ時、相手の持っていた無能に対する圧倒的な拒絶感と優越感は今でも覚えている。自分が遭遇した騎士たちも魔導士たちは一人の例外もなく、こちらをなめきった油断たっぷりに襲いかかってきたのだ。あの優越感と嗜虐性の固まったような笑顔を見て、こいつは無能だから絶対に自分よりも劣っているという思念がひしひしと伝わった。
あの時自分が何もしなければ、またどこかで誰か哀れな無能を解剖したり、罪もない人間を誘拐して解剖していただろう。そう思わせるような狂気を孕んでいたことは間違いない。
ただ、それが自分が殺したことを正当化できるかといえば、否である。命を奪われかけたことに対し、同じく命を奪うことで返したことに反省も後悔もないが、妙な後味の悪さはあった。
まるで自分が取り返しのつかない間違いを犯してしまったかのような。
その時雪人の足元にわさわさと動く樹の根っこがじゃれついてきた。この樹はどうやら意思があるだけでなく細かい機微も理解できるようで、自分が落ち込んでいるときも、励まそうと思ってか色々と酔狂な動きをすることがある。今回もそんな励ましの一種だろう。
と思ったが恐竜を食べきったところを見ると、ただごちそうさまと伝えただけなのかもしれない。言葉を交わすことはできないので、この奇妙な友人との意思疎通はいつも難しい。
「まあ、落ち込んでいたところを励ましてくれたんだよな」
雪人がそう話しかけると、根っこはわさわさ? とちょっと震えた後に木の本体の方に戻っていった。
それを見て、雪人も苦笑する。
どうせ、自分が間違いをしたのかどうかなんてことは、今は関係ないのだ。あの時自分にはあれ以外の選択肢は無かっただろう。何度過去に戻っても、誰かの自由を自らの興味の為に縛り付ける輩など許しておけるわけがないのだから。
間違っているというのなら、その間違いの罪を背負ったまま生きていこうじゃあないか。雪人はイービル・テイターンを見て、不思議とそんな気分にさせられた。
そうして彼はいつものように、イービル・テイターンの木に登って眠ることにした。
あ~。今回の戦闘で、雪人が一体何をしているのか。一応詳しく書いたはずなんですが、ちょっと途切れ途切れ書いたので文に分かりにくいところがあるかもしれません。「分かんないぞこれ」とかあったら教えてください。推敲しなおします。
次からはようやく森の話も動かすことが出来そうです。




