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将門様の転成前

拙い文ですがよろしくお願いします!

適当に投稿します!

時は826年2月14日未申の刻(午後3時)、連合軍(天皇側の軍)と将門軍の合戦がはじまった。北風が吹き荒れ、将門軍は風を負って矢戦を優位に展開し、連合軍を攻め立てた。連合側の中陣が奇襲をかけるも撃退され、ほとんどの武将の率いる軍は撃破され軍兵2900人が逃げ出し、わずかに精鋭300余を残すこととなっていた。


「どうだあ?みたかあ!」


将門は敵の残った300の兵を見ながらそう叫んだ。


「ヒィィ…鬼だ!鬼がいるぞ!」

連合軍の兵たちは恐怖で剣を持つことさえ叶わなくなっていた。


「まだだ…俺達の痛みはこんなもんじゃない!」

「お前ら怒れ!お前達が今まで虐げられた怨み悲しみ全てを込めて吠えろォォ!」


ウォォォォォォォォオ!!!

まるで地鳴りのような声が大地を揺るがす。

「将門さまぁ!助けてくだせェ!」

「この子この子だけは助けてください!私はなんでもしますからぁ!」

将門の脳裏には常に助けられなかった者たちの悲鳴が木霊していた。

その声が今は、今だけは笑っている気がした。


「ハッハハハ!」

将門は笑う鬼のように敵を嘲笑うようにそして…それは自嘲しているように見えた。


「兵の数は?」

「はっ!およそこちら3000人。敵方500人と言ったところでしょうか!」

従者が規律正しく叫ぶ。ここで一気にかたをつける!

「伝令を出せ!全軍一気に方をつけよ!」

「はっ!」


伝令兵が一斉に散って行く。

他の兵達は勝利まであと一歩というところなので士気はとても高い。

しかし将門の頭の中にはある一人の女ことでいっぱいだった。


「将門様っ!」「将門さーま?」

梅香る下二人は出会いそして結ばれた。

愛していた。狂おしいぐらいに、昔から女にはもてた。不自由なんてしたことがなかった。

けどなぜだ?俺は一人の女がいないだけでこんな顔をしている…その女の名前は


「桔梗姫…」

不意にポツリとこぼしたその名前。この血風溢れる戦場で名を呼んだ。その一瞬だけ

桔梗の香りと「シャン」と桔梗姫が髪に付けていた。鈴が鳴った気がした。


「ふふっ…そんな顔しないで将門様?私はあなたと居れて幸せでしたよ。貴方は幸せでしたか?」


あの時できなかった返事。今なら返せそうな気がした。

「俺も幸せだったよ…」

素の口調に戻ってした返事は何処か寂しそうだった。



「殿ぉ!」兵が叫ぶ。「どうしたァァ…!」

「ひっ、肩に矢が刺さっておりますぅ…」震えながら叫ぶ兵

実は戦いが始まってすぐに射られており刀が持てていることが不思議であった。

くそっ…血を出しすぎた…もう自分は長くないだろう…

だがまだだ!まだ死ねない!これが最後の突撃だ!


「今から迅速に敵大将を討ちに行く!皆の兵!我に続け!」

「ウォォォォォオ!」





----------------------





戦は終わった。将門達は負けたのだ。

体の感覚なもうなく乗っていた愛馬は戦場から遠く離れた梅の木の下に将門を下ろすと

すぐに力尽きた。

終わった。全て終わったのだ…

しかしまだだ!まだたりない!


「天よ!もし輪廻転生があるというならば我にもう一度戦乱をあたえよ!…」

「そして!女と自由をぉ!」


そうして将門は力尽きた。

「馬鹿な人…」


梅の木の後ろから現れた女はそっと将門の死体を抱きしめると。

軽い口ずけをした。


「今度こそ自分のために生きて?どう抗ったって貴方は鬼にはなれないのだから…」

大きな春一番が吹いた、その場に残されたのは将門の死体と梅の香りそして

あの耳に残る鈴の音だった。



世に見捨てられ言葉さえ聞いてもらえなかった者達の怒りの化身、将門。

朱雀天皇と並ぶほどの力を持ちあと一歩というところまで追い詰めた彼

実にあっけない死に様だった。







-----------------------







何処かわからない。一面真っ暗な空間で俺はただ浮いていた。


「ちきしょう…」


ついつい呟いてしまった。死んだ事は悔しいがそれより悔しいのは虐げられし者の

怒りを天皇に届けられなかったこと。

俺の心はそれで溢れていた。それとちょっとだけもっと戦を味わいたかったということ。


「ちょっとだけだよ?ほんとに。」


誰に向けて言ってんだ俺は…俺は自嘲した。

それはそうとここはどこだ?そう思った直後声がかけられた


「ほっほっほ!またしんだか将門!」


誰だこのジジイは…


「そんな怖い顔をするなぁ…ワシはあれじゃ。学問の神とでも言っておこうかのぅ…」


ふざけたジジイだ…


「話は変わるが将門。お前さんはどこに「転成」したい?」














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