究極命題:「神は存在するか?」
人類の歴史において、これほど根本的かつ答えを与えることの難しい命題はない。
それは時に有神論と無神論の対立として、戦争さえも引き起こした。
今回、生意気ながら筆者は少し思うことがあったので、書いてみることにする。
あなたは、熱帯魚の飼育経験があるだろうか?
実は、これがなかなか大変で、まず飼育したい魚の情報を集め、ペットセンターに行って水槽を買って砂利を買ってフィルター(水のろ過装置)を買って、その他諸々を買わなければならない。設備費や維持費を含めてかなりの金額になる。
家に帰って水槽をセッティングするのだが、これだけでほとんど丸一日かかる。
最後に水を張り、フィルターやヒーターの電源を入れ、水質調整剤などを入れて、さらにそのままの状態で数日間放置し、水が出来上がるのを待つ必要がある。魚を入れるのはそれからだ。
さらに、魚の種類によっては、毎日水の一部を新しいものに交換し、水槽内のゴミなどを取り除くメンテナンスを行う必要があるものもいるのだが、こうした苦労ができるのは、水槽を元気に泳ぎ回る魚たちが何よりも飼育者の心を癒してくれるからである。
さて、ここで問題。その魚たちは、飼育者の存在に気付くことができるだろうか?
魚たちは、いつも決まった時間にエサが与えられること、ろ過水の温度が常に一定に保たれていること、昼になれば蛍光灯の光が水槽内を明るく照らしていることについて、何か疑問を持つだろうか?
ただし、ここではその魚たちは、水槽内から外の景色を見ることができないと仮定する。
「また、ヒトが失った緑視物質遺伝子を持っているため、四原色に反応する。なお、像の分解能力が低く、視力は0.5相当であり、眼に映るものはピンボケ状態にあると考えられている。但し、一部の魚は人間以上に動体視力が優れているものがいる。」――wikipedia「魚眼より」
筆者が言いたいのは、つまりこういうことである。
今科学者の多くは、遺伝子や自然法則の中に「明らかに創造主が操作したとしか説明できない形跡」を見出そうとし、それによって神の存在を証明、或いは否定しようとしている。
しかし、宇宙という水槽の中を泳いでいる人間が、いくら砂利や水を調べてみたところで、飼育者の年齢や性別、またはどのような意図で水槽を造ったかなど、分かるわけがない。被造物がその造り主を知ることなど有り得ないのだ。
誤解のなきよう言い添えておくが、筆者は神の存在を否定しようとしているわけではない。
例えば今世界が注目する天才、ジェイコブ・バーネット君(14)がいる。
彼は二歳の時、医師から発達障害(高機能自閉症・アスペルガー症候群)と宣告され、普通の日常生活を送ることすら困難になるだろうと言われていたが、予想に反して驚異的な能力を見せる。
以下の文章はバーネット君についての記事である。
・・・アインシュタインの推定IQを超える知能指数を持つ12歳の少年が現れた。そのIQなんと170。現在インディアナ-パデュー大学インディアナポリス校(以下IUPUI)で年上の同級生たちと机を並べ、宇宙物理学を学んでいる。
ジェイコブ・バーネットくんは8歳の時にIUPUIに入学。たった2週間で微積分、代数学、幾何学、三角法を独学で勉強し、難なく試験をクリアしての入学だった。高度な内容の授業でも常にその一歩先を行く質問を投げかける。小さなクラスメイトに最初こそ戸惑った学生たちも、今ではわからないところをジェイコブくんに教わっているそうだ。
そんなジェイコブくんだが、実は2歳になっても言葉を喋らず、知能障害があるのではと両親を心配させていた。自閉症の一種であるアスペルガー症候群(高機能自閉症)と診断された彼は、3歳で5000ピースのパズルを完成させるという類まれな集中力を見せ、成長するにつれ紙に幾何学模様や計算のようなものを書き始め、やがて窓に公式を書きなぐるようになったという。
相対性理論を自己流に解釈しているビデオを半信半疑の家族がプリンストン高等研究所に送ったところ、「彼は理論の中で天体物理学や理論物理学の最も難解な問題にも取り組んでいる。解けたらノーベル賞も夢ではない」と専門家を感心させたという。
またジェイコブくんはビッグバン理論を「計算上ありえない」と否定。頭に数字が浮かんできて眠れない夜は、ビッグバン理論を覆すため計算に励む。
「ボクが家族に数学の話をすると、みんなポカーンとするんだよね」とジェイコブくん。母親のクリスティンさん(38)は、「私は数学で落第点だったのに誰に似たのかしら……」と不思議がる。
IUPUIの教授陣の評価も高く、卒業後は研究職に就くよう勧められている一方で、「テレビゲームも好き」と子供らしい一面も持つジェイコブくん。今後の活躍に期待がかかるが、二度と来ない少年時代も楽しんで欲しい気がする。・・・「ロケットニュース24 アインシュタインよりIQの高い12歳、相対性理論の論破を目指す」
個人的に、もし将来この子が白衣を着て、「すべての現象には必ず理由がある。思いつきや勘だけで答えを出そうとするのは間違いの始まりだ。うん、実に面白い」と言ってくれれば筆者は言うことなしである。
とにかく、もしこの子がこの宇宙を支配する全ての物理法則、数学、果ては哲学をマスターしたとしても、神の存在の証明には遠く至らないのではないか、というのが筆者の意見である。
またそれとは逆に、この世の中には「論理的に考えて神などいない」と主張するものも多くいる。
それはそれで構わないが、所詮人間がいう「論理的な考え」など高が知れているのではないか。
猿が論理的に思考した結果、導かれた結論と、ゴリラのそれとが180度違うことだって有り得る。
つまり、その生物が五感によって入力される情報をもとに考えている時点で、その情報以外のものに対して出される結論は、必然的に存在しえないのである。
それでは、我々が本当の意味で神の存在を証明するためには、一体どうしたらいいのだろう。
筆者の考えでは、それは「神をその目で見る」ことである。先ほどの熱帯魚のたとえで言うならば、魚の視力を改善し、外にいる飼育者を視覚的に認識させるしかない(ただし、現実問題として可能かどうかは別とする)。
それはつまり、日々の食事に感謝することである。
人との出会いや、愛し愛されることに感謝することである。
生きていることに感謝することである。
これらのことこそが、我々人間の視力を改善することに他ならない。
今、自分に与えられているものが偶然の産物であると見るか、それとも誰かの意志によるものだと見るのか。ちょっとしたことだが、結果は大いに変わってくるだろう。
これを読んでくださっているあなたが、その目で神を見出されることを願って、終わりとする。
ありがとうございました。
参考
wikipedia「魚眼」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%9A%E7%9C%BC
wikipedia「神の存在証明」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E5%AD%98%E5%9C%A8%E8%A8%BC%E6%98%8E