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71:一行、バラバラ事件

アリアの最強奥義とリョウヤの作戦を聞き出す前に四階へ強制ワープされてしまった。

ハクは急な移動に耐えられず頭を痛めた。

となりにはカナ。

どうやら五人組を運営様は気に入らなかったらしい。

引き剥がされたようだ。

この頭痛を引き起こすワープの仕方はさすがに賛成は出来なかった。

目の前はマグマの川がたぎっている。

無理してわたる事は出来なさそうだ。

しばらく目の前をぼーっとしながら攻略を考えていると隣のカナが非常に呑気な表情で目覚めた。

「うぅ~ん……あ、おはようございます…ハクさん」

「……おはよう」

ハクは対して女性というものにも興味は無いが、

カナの寝起きの表情を見れば、『ああなるほど』と察した。

「これは……はぐれちゃったみたいですね……」

「違うと思うが……?」

引き離されたんだろう、この階を制覇すれば合流できるはずだ。

とハクは冷静に判断した。

カナは能天気に伸びを一つして。

「んん~っ!まあハクさんが居れば楽勝ラクチンです!ちゃちゃっと終わらせたほうが良さそうですね!」


ハク&カナ、マグマのフロアにて。


ガンッ!

「痛いっ!?」

アリアは顔面に硬い衝撃を受けて目を覚ました。

鼻先には柔らかくてなんだか触りたくなるものが。

彼女は問答無用で思いっきり掴んだ。

「ひゃんっ!?」

何か悲鳴が聞こえたが目の前の物のせいで動く事が出来ない。

リョウヤに助けを求めようと無我夢中で声を出す。

「ふがふがひがふがもごむごもごもご」

「あっ、ちょ、やめっ、」

口を開けるたびに顔面のモンスターが身をよじる。

なんだか面白くてアリアは繰り返した。

「もっごもごもごむごもがもが」

「んんっ、やめ、っ、ちょっと、まっ、てくれ」

なにやら甘い声に合わせて知っているような知らないような声が聞こえてきたので、

アリアは身体の動きを静止させた。

だが何かを思いついた彼女はその柔らかいものを上へ押し上げた。

すると持ち上がる。

少し重かったが、頑張って持ち上げると、身体をクルリと回転させ、安全な所へ回避した。

モンスターが居た方向を見やると。

足と両手を地面にはべらせ、身をよじらせているアヤがいた。

「あれっ、アヤ……!?」

「気をつけろ、アリア! 地面の奥底に女子の身体を狙ったモンスターが居るぞ!

さっきから私のお尻から……下にかけて何やら卑猥な動きをする生物が……」

アヤは周囲を必死に確認する。

アリアは面白そうに、

「土の中にヘンタイミミズがいるのかもね」

とけらけら笑った。

「あっ、そだ、私もここに移動したとき上から何か重くてモミモミしたい柔らかいものが…」

「何!? ヘンタイミミズと柔らかいモノ…だと…なんだか強そうな予感がするぞ……」

アヤとアリアの危ない剣持ち達は周囲に警戒を張り巡らせた。


アヤ&アリア、湿原のエリアにて。


「どあぁぁぁぁぁぁぁあ!?」

遥か空から叫び声を撒き散らし落ちてくる男は宝剣持ちのリョウヤ。

一直線にルート決めされた着地点には綺麗な洞窟が見える。

洞窟に空いた穴はリョウヤほどの男が入れそうな場所だった。

偶然とは思えない穴だが、彼はあまり気にせず抵抗もせず、落下していった。

「ここで落下ダメージ受けて一階からやり直しとか冗談無いよな……!?」

と軽口を言いつつも、いよいよ近づく地面は真っ平らの石床であった。

「あわわわわわわ……!?」

リョウヤは期待と恐怖で目をつむった。


リョウヤ、一人で洞窟にて。

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