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63:ボス討伐の作戦会議

「んもう!そこまでリョウヤさんFPSがやりたいんですか!」

「……うん」

「ボスを倒さないとダメなんですよ…!?」

「…この五人メンバーで行けば…?」

あえてみんな思っていたであろう事をリョウヤが言った。

「……それもそうですね…」

「え」

――この五人を入れた上での反論かと思ったら……

「どうして気づかなかったんでしょうか!」

――いやいや、普通気づくでしょうが!

「じゃあその路線で…いいよね?」

アリアが急かしたように言う。

「そうですね!最強の回復薬のプリンもありますし!このメンバーならギルド入りしなくても制覇できるかもしれません!ボス戦!」

「そりゃ良かった……」

「気づいたらプリンの量もかなり増えてきましたし!」

数字を見ると1500を超えていた。

――いくら売るからってそこまで作らなくても…腐らないけどさ…

「ではボス討伐の準備を始めましょう!」

「え、もう…?」

「リョウヤさんも雑魚敵討伐でかなりレベルが上がってきましたし、そろそろ次の国に進出しないと直にレベルマックスになっちゃいます!」

ちなみに言うと、TKHは新しい国に進む事によって特典がたくさんある。

まずは課金で買える衣装の種類が増えたり、

レベルキャップ上限が200レベル程上がったり、

もちろんその国の武器を使う事も出来る。

ただし、バレッティングスで手に入れた銃をソーディンギアで使う事が出来ないのはこのゲームの最大の決まりだ。

しかも進出する事によってゲームランキングが大幅に上昇したり、

ギルドポイントで進化出来る項目もいくつか増やす事が出来るのだ。

他にも全国使用可能のスキルが覚えられたりも。

とにかくボーナスが凄いのだ。

「…その分ボスが馬鹿強いんだよな……」

「そうなんです…」

カナが俯いて。

「それに毎週出現するボスがランダムで変わるんですよ!?

攻略法なんて3日でこしらえたくらいの完成度ですし、やっぱり自分達で見つけるしかないんです!」

――それが他国に進めない一番のなんだよな…

「先週は?凄いデカかったような…?」

アリアが聞く。

「特に身体が大きかったボスだそうです……」

「しかもただのデクノボーじゃないんだろ?そりゃキツイわな……」

「今月は巨人物が多いんですよ…何か規則性があるんでしょうか……」

「先々週はミニミニ星人だ」

ハクががっかりしたように言った。

「全然対照的じゃないですか!何の参考にもならないです!?」

「某TPSホラーゲームのようにあからさまな弱点も無いしな……」

「大体甲殻を破壊したらウィークポイントが出現する可能性が多いからね…」

「そのウィークポイントが出る甲殻の場所が分かり難いのが問題なんですよね……」

「無鉄砲に飛び出すより作戦をじっくり練る方が良さそうだな…」

リョウヤを抜いて、作戦会議が始まった。


アヤが気を利かせて宿屋のフリースペースにバックミュージックをかけた。

誰も文句は言わないであろうピアノジャズだ。

そして会議は加速していく。

新ソーディンギアボスが出現して三日。

TKH公式WIKIでは色々な情報が出回っていた。

「中にはデマも多いですからね……」

「例えば…?」

「『最強最高美女のサラマンダーが出現した!何とかして神の領域に突入してみる!』

とかです、結局ボスはウド木のようなダンゴ虫だったんですが…」

神の領域ってなんです?とカナが小首を傾げた。

「神の領域……?何だそれは」

「ああ多分それって……」

リョウヤが挙手する。

「多分パイタの事だと…思う」

「パイタ!?美女巨乳の胸をタッチするというあのアレ!?」

意外にもアヤが釣れた。

「それが神の領域……だと…!?」

気持ち悪いですねその領域。ねー。

アリアとカナが顔を見合わせる。

「……もうボス討伐関係無いな……」

「…あながち関係あるかもしれませんよ…」

「え?」

これを見てください、とカナの端末を提示された。

検索ワードには『TKH パイタ ダメージ』

と表示されていた。

掲示板にあった書き込みによると。


1:『聞いて聞いて!今日ソーディンギア:濃霧の森の美人エルフを瀕死状態のときにふざけてパイタしたら……!』

2:『どうなった?』

3:『嫌がった!』

4:『え…?マジ…?』

5:『しかも嫌がった後にうずくまってしんしん泣き始めたんだがwwwwwwwwwww』

6:『何それwwwwwww人工知能ついてんのかマジwwwwwwww』

7:『TKHバカゲーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』

8:『俺もパイタしてみよ(真顔』


「というわけなんです」

カナが深刻な顔でこちらを見やった。

「パイタで大ダメージ…」

「正確には精神的大ダメージだよな…」

「それって人型モンスターに限った事か……?」

「多分そうだろうな」

「しかし、しかしですよ皆さん」

ここでバックグラウンドのはずのジャズが盛り上がる。

「雑魚敵のエルフだったからそうなったのかもしれないですし、書き込み主の人は『瀕死状態』でそれを行ったとしています!」

「つまり俺達の目標であるソーディンギアのボスにはパイタが適用するかって事だよな…」

「やっぱり真面目に体力削ったほうがいいんじゃない…?」

「しかも必ず美女モンスターが出るって可能性なんて無いもんな……」

「ま、まあこのパイタ案は頭の隅に置いておいて、陣形の確認とかしませんか…!?」

「それもそうだったな……真面目に作戦考えようか……」

女子勢が大きく頷いた。

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