5:なんとか和解。したと思う。
俺が彼女の恐怖に慄いている時にも
HPはドンドン減少していった。
ゲームのエフェクトにより目の前が真っ赤に染まる。
心なしか息も荒くなっている。
レッドゾーンに突入したようだ。
「このまま死なせてリスポーンに戻ったら
もう探せなくなっちゃう!」
目の前の美人暴力行使女は慌ててバッグ(アイテム欄)
から赤い液体の入っているビンを取り出し、
俺の口にぶち込んだ。
「んぐっ!?」
その液体は甘かった。
栄養ドリンクみたいな味で、
飲み込むと、HPに変化が起きた。
今まで死にそうだった体力が元の10000に戻っている。
これが初ポーション……。
体力が全回復すると出血も自然に収まっていた。
俺が彼女の表情を伺うと、
未だ怒ったままで、
「こんなところで口論してちゃ、モンスターに狙われるから一回町に戻るよ!?
というか拒否権は無いし!
来い!変態!
あとでリスポーン設定してじっくり殺す!」
と叫んだ。
そして、ソーディンギアでも使える
簡単な魔法を唱えた。
「転送魔法。ワープトゥリスポーン!」
目の前が真っ白になり、一瞬でローディングが終了する。
多分リスポーン地は彼女と同じ宿屋か、町の中心部だろう。
……………。
パッ
と、眼前に広がる木材で簡素に作られた天井。
体全体がほんのり暖かいのは毛布に包まっているからだろう。
左には真っ白な壁。
――――右にはあの俺をぶん殴った彼女。
「う、うん。なんだこの状況は。」
俺は小声でこの現状を再確認した。
ベッドが違うならまだ良かったが、(それでも変態呼ばわりされる)
部屋にはベッドは1つしか用意しておらず、
案の定一緒にニャンニャンした後のような状況になっている。
しかも何のイタズラなのか彼女の両腕が俺の体に巻きついているのだ。
仮想セカイ越しでの初めての彼女の豊満なアレが
俺の体にしっかりと密着している。
これ、彼女が起きたら、俺何回殺されるんだろうか…………。
ホラー映画の途中に挟んだCMの間に巻き起こるような
興奮と恐怖が入り混じり、俺は顔をしかめた。
と、それと同時に彼女の胸の感触に俺はニヤけた。
いきなりなんか恋愛ゾーンに突入しましたね(笑)
ニャンニャンは…………(爆笑
自分でもこういう表現の仕方が出来るなんて感動しました。(笑)
次回は『変態リョウヤ君』がみっちりがっつりしっぽり殺されるんでしょうか?
次回お楽しみに!




