表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/83

52:クエストクリア!鶏討伐完了?

鶏が萎縮し、動かなくなった時が終わりのサインであった。

「それ」が剣に力を込め始めた頃には直視出来ないほどの光が鶏の頭上ずじょうで靡いていた。

「それ」は躊躇ちゅうちょ無く、剣を鶏の顔面に斬り付けた。

鶏の体力ゲージが見る間に減っていく。

剣を振り上げる。

「それ」はただ斬っているだけではない。

剣身を叩き付けるように切り裂いているのだ。

横になぎ払い、その反動でまた横に払う。

縦に叩き斬り、ときには突き刺す。

ブシュッという擬音と同時にHPゲージは幅を狭めていった。

さあ残り一撃といったところで、

鶏が抵抗を見せた。

火事場の馬鹿力という物か。

上に乗っている「それ」を揺すり落とそうと、身体を左右とリズミカルに転がしている。

ついでに羽をばたばたはためかせて砂埃を出していた。

運よく、砂埃の間から戦闘を確認する事は可能だった。

鶏の渾身の抵抗にも負けじと「それ」は鶏の巨躯にしがみ付いている。

先ほどまでの攻撃ではすぐに鶏の身体からはがれてしまうと察したのか。

波に揺れる小船に変化した鶏の頭に長剣を深く突き刺した。

「ギェェェェェェェェッ!?」

と断末魔をあげる鶏に向かって詠唱を唱え始めた。

無論剣は鶏の顔面に生えていた。

約2秒ほどの詠唱が終わり、「それ」は両手を剣の方向にグッと突き出した。

長剣に変化が起こりだした瞬間、「それ」は真上に物凄く高く跳んだ。

「それ」から視線を外し、鶏に移すと。

――鶏が発光していた。

(!?)

剣だけではなく、侵食し、鶏までもが発光源となったその時。

周りの砂が周囲に吹き飛んだ。

ドゴォォォォォォンという馬鹿でかい効果音が鶏の顔面から発せられる。

その轟音は耳を焼き尽くすほどだ。

鶏の真上にはキノコ雲。

全てが煙幕と粉塵で見えなくなったとき俺の目の前は真っ暗だった。

はっきり見えているのは鶏のHPゲージが0になったデータ表示だけだった。

その次に鶏の死体が霧散する音が聞こえる。

ついでにまだ真っ暗で何も見えていない俺の視線上にも

『クエストクリア!報酬を受け取って下さい!』

という表示が出現していた。


ナニコレ、俺が戦わなくても周囲に居ればクエストクリアってか……。

あれ、そういえば、当の討伐者は……。

なんかズルイがカナに褒められる要素の1つとして協力してくれた強力な『助っ人』の方はどこに行ったのだろうか……。

……確か爆発に巻き込まれないよう跳んだは……

「―――危なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!?」

何やら俺の頭上で悲鳴が……。

――次の瞬間寝ている体勢の俺の背中になんとも形容出来ない酷い衝撃が走った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ