4:俺、生きてる。
「そ、そんなはずは…そんなわけ……」
「ど、どどどどどどした!?」
まさかここで死んだら、現実世界でも亡き者になってしまうという
デスゲームが発覚したとか!?
それで死んだら、今殴った女の事末代まで呪い続けるからな……!
「そっ、そんな―――
―――殴っただけでダメージなんて1%しか受けないはずよ!
しかも出血なんてありえないわ!
何!?
あんたチートでも使ったの!?
被害拡大チート!?
何それ!
あんたすっごい変態ね!
ドMなの!?
キモイわ!
死ね!」
ダメージを肥大させるチートなんかあるわけないじゃないか!
なんで自分が不利にならなきゃならん!
にしても彼女はSっ気があるのだろうか。
可愛いけど……。
と、ボケっとしていたら、
残りHPが30を切っていた。
「やべぇ………死ぬわ。」
と、俺はワザと凄いシリアスな表情で言った。
「ふ、ふんっ、そんなチンケな出血とパンチごときで
死ぬわけないで………………」
「?」
彼女の動きが停止した。
「あ、あああああなた、念のため聞くけど
レベルはいくつなの?」
「―――出来立てホヤホヤの『1』レベルだけど。」
―――――――――。
「――――――――っ!?」
「妙に変態的速度でHPが減少してると思ったら……。」
まさかレベルを下げるチートでも使ったのかしら?
と彼女はドS女王のように言った。
「ショップ欄にそんなアイテムなんか無いだろ。
そろそろ信じろ「勘違い暴力女」さんよ!」
「……なっ!?」
と驚きの言葉と合わせて罵りは始まった。
「あんたはおかしいの!
この森を少し戻ったところにゲートがあって、
そのゲートはレベル「75」以上の人でしか通れないの!
そこまで育てた人はパンチでダメージなんか受けない!
あなたセキュリティに進入してゲートのロックを解除したの!?
そんなの犯罪よ!
捕まりなさい!変態!
というか死ね!
死ね!」
…………怖い。
俺は彼女を見てそういう感想しか浮かばなかった。
6話目オツカレ様です!
次回お楽しみに!




