表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/83

41:砂漠にただ1人?

「しっかし広ぇなーーー……」

後頭部を掻きながら左手に握り締められている地図を見やる。

ここだけ妙にレトロなデザインでパネル式の地図じゃないところがまたTKHのセンスの良さだと俺は思う。

ただ、地図上にGPSかそんなもので俺の居場所と付近のモンスター情報などは抜けている部分など1つもなくビッシリと埋められていた。

プリンのおかげである程度レベルが上がったので、そこらの雑魚敵を相手にしても時間と労力を際限さいげん無しに飲み込むだけだ。

カナのご褒美も楽しみなわけだし、あまり余裕があるとは考えないほうがいいかもしれない。

地図から視線をずらし、足許あしもとに目を向けた。

例の最強防具『テール・ビレトル』の派手な色が目を突き刺す。

外気と上から落ちてくる光線に当たり続けている俺は自然と背中が汗ばんできた。

もっともここのフィールドに入った瞬間からそうなる事は予想出来たが。

額から一筋の汗が流れる。

それをぬぐう暇も無く、水滴は足許に吸い込まれていった。

ルートを見る限り後1キロくらいで着くらしいのだが…。

1キロはこの状況じゃあかなりキツイ距離だと思う……。


――――目の前は砂丘さきゅう

俺が重い身体を揺すって動かして今まで歩いてきたところは全て砂。

足跡は足の位置を少しずらしただけで埋もってしまった。


目を凝らしても砂。

左手に地図を移して右手で日光を遮りながらわずか50メートルを確認しても砂。

ついでに俺が今踏みしめているのも砂。

プリンを討伐した草原から1ブロック離れたここがこんなにも激しい砂漠だとは…。

こんなところに鶏なんて居るはずがないだろう……。

鶏なんて居るとしたら北海道の十勝とかそんくらいの優しい土地だ。

サソリとかミーアキャットとか出てきそうなこんな辺境な地に……。

いや、TKHに常識は通じなかった。

それをつかの間の間だけど忘れてた俺が恥ずかしい。

プリンが超マッチョになるとかもう別次元のビジュアルになってたし…。

あの『黄色い悪魔』との死闘は激しかったなぁ…。

あいつを倒さなければ俺が砂漠をひた歩く事も無かったはずなのに…。

俺は静かにMOBモンスターを恨んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ