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2:正義の味方。参上なり。

ゴブリンの必死の棍棒攻撃をまさに今受けてしまった。

腕で完璧にガードをしていたのにもかかわらず、

HPが残り5%を切ってしまった。


WIKIによればこの森ゴブリンはこのフィールドならば

『雑魚キャラ』だという。


まあその雑魚キャラにボコボコにされてる俺は何だって話なんだけども……。


「うっわぁ……」


絶望的な表情でゴブリンの顔を拝んだら

気持ち悪いにもほどがある。

そいつはよだれを垂らしながら俺を睨みつけているのだった。


こいつに今殺されるなんて…。

やっぱ美人のシルフに殺されたかった……。


そして糞ブサイクゴブリンは棍棒を再度俺の頭に振り下ろした。


でもここで殺されたってリスポーン地点の城下町のベッドに戻るはずだ!

やっぱり安心していい!


ゴブリンは棍棒をトドメの一撃として振り下ろした…!


「ヒィィ…!」


―――その時…!

――――タッタッタッタッタッタッタッタッタ………。


女性のような軽やかな走り!?

「ハァッ!」

そこに現れた救世主はゴブリンを切り刻んでいく。だが、倒れない。

敵を倒すのに夢中だったのか

スカートが……

物凄いラッキースケベ&ラッキーチラリズムに遭遇した俺だったが、

見ちゃいけない!これは見てはいけないんだッッッ!!

だが、俺もさすがに男。

好奇心には勝てないものだ…。

彼女がゴブリンを滅多切りにしている間俺はずっと彼女のお尻のあたりを

呆然と眺めていた。


「し、白………」


小声で俺は彼女の下着の色を呟いていた。


「ふぇっ!!?」


彼女はこちらを見、怒りと恥ずかしさを剣に溜め、ゴブリンに切りつけた。


『Critical Hit!!』


シャキーンという効果音と共に眩い閃光が煌く。

気がつくとゴブリンは倒され、四散していた。


彼女は震える手で剣を鞘に収め、

翻った(ひるがえった)スカートを念入りに戻し、お尻を可愛らしく押さえた。


可愛らしくは押さえたものの、彼女の表情は鬼のようだった。


ヤベェ…

殺られるッ!


だが、残りHP5%のためにあまり体を自由に動かすことが出来ない!


つか、つか、つか、と彼女の靴の音が自分に接近していることに

再確認する。


というかこのゲームPvPありなんだよな…?(プレイヤー同士で戦う事)

あの鋭い剣で一振りで死ぬじゃん!俺!

それか説教で終わってくれたらまだ嬉しいじゃん…。


俺が頭を垂れて、絶望していると彼女は言うまでもなく、キレていた。

ガッという恐怖的擬音で俺の頭を掴んでいた。


「いっ、痛い痛い痛い!!!!」


ちょ、手で掴まれてるだけでダメージ受けてるんですけど俺!?

気がつくとHPは3%を切っていた。


そして彼女は俺の残りHP3%の頭を大事に引き寄せ……

……じゃなく、またガッ!、ゴキッ!

とまた酷い効果音で

俺の頭の方向を自分へと向けさせた。

彼女は………半分泣いていた。


彼女は後ろへ反り返り、すぅ……と一気に息を吸った。


(へぇっ!?な、何をするつもりなんだ!?)


彼女は叫んだ。

心の鬱憤うっぷんを。


「このぉぉぉぉぉ!変態がぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!」


――これが俺と彼女との出会いであり、

俺が聞いた彼女の最初の声であった。

リョウヤ君怒らせてしまいましたね(笑)


次回は会話回です!

お楽しみに!

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