１４：テール・ビレトル。
「一番気になったのはこれですね……」
カナがおもむろに指をさしたのは
上下、靴、帽子。一式揃っているアバター衣服であった。
カナが課金アイテムモールにアクセスした後、
この装備は課金で買えない物だと判明した。
つまり、手の届かない超激レアだという。
「この装備名は……」
『テール・ビレトル』
何かのブランドが売っている高価な物のような名前をしている。
「あっ、そうだ！
リョウヤさん一回着てみてくださいよ！
どんなのか見てみたいですし！
りょ、リョウヤさんのカッコいい姿見たいです……」
「え？、見たい？
じゃあ、着替えちゃおっかなー！」
パッ、
と
現在の装備を一瞬だけ脱いだ、
そして今のテール・ビレトルを装備したのだ。
ごく、自然に。
一瞬だけ、俺の半裸が見えた。
そう言えば、自然に伝わるだろうか。
「……………何やってんだリョウヤ。」
「……………何やってるんですかリョウヤさん。」
アヤとカナが見事コラボっていた。
「え、何って着替えを……」
「パンツが見えてましたよ…リョウヤさん……」
と平然に言い放った。彼女は。
ここは謝るべきだろうか。
「す、すまん。」
「いえっ、大丈夫ですよ！
アヤさんも半裸が見れて嬉しかったですよね！」
「えっ！？
う、ううううううう嬉しくないしっ、
こんな変態の赤と黒のストライプのパンツなんか見てないし！」
（見てるじゃん……）
と俺とカナは同時に思ったが、スルーすることにした。
「ん、んで！どうだ！
この服装！」
「そ、そうですね！
カッコいいです！
今にも抱きしめたいくらいです！」
キッ、
とアヤがカナを睨んだ気がしたが、またスルーしよう。
「上は白が基調のデザイン！
そこにプリントされている貴族風の紋章はまたカッコよさを引き立たせています！
そして、ズボン（ジーンズ）は戦士の証、赤がメインで、
細かなストライプ模様が最高にいいです！
大好きです！
このリョウヤさん大好きです！」
カナは言葉をオーバーに表現することが多いようだ。
さっきからアヤの眼光が鋭いんだが。
そんなことよりもこの服は本当でカッコいい。
この服を現実セカイで街中で披露したならモテ男間違い無しだと思う。
絶対。
「そうだ！
服のセッティングが終わったなら城下町で買い物しませんか！？
今思いついた、この服装にあった、コーディネート見つけました！」
（つまり、これはデートのお約束……・？）
一方アヤは『服』にデレデレのカナを面白くないような目で眺めていた。
デートの約束のときは睨み潰すかという鋭さで。
カナさんは服が大好きだそうです。
そしてリョウヤのことも少しだけ気に留めているようですよ！（笑
次回もお楽しみに！
（今度こそバトル入れなくちゃあ…（笑）
