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狐と男

昔、書いたやつ。

古い小さな神社がそこにあった。


都会から離れた場所にあるせいかそこだけ現実から切り離されたような場所のように思えた。


踏み込んではいけないようなそんな気分になる。


だが、ここで引き返すと来た意味がなくなってしまう。


男は鳥居の下で行ったり来たりを繰り返しながら「どうしたものか」と考えていた。


それを見ていたものがいた。


見た目は小学生の低学年なのだが、普通はないはずの耳と尻尾が九本ゆらゆらと揺れていた。


昔話なので出てくる化け狐なのだろう。


男はそれに気づいていない。


狐はピクピクと耳を動かしながら男の声を聞き取っていた。


彼がどうしてここに来たのか狐は気になって仕方なかった。


今までこの場所に足を踏み入れる者がいなかったせいか狐は興味と恐怖が入り交じった目でひたすら男を見ていた。


男は行ったり来たりすることをやめ決心したように足を踏み入れた。


びりっと一瞬何かが通り抜けたような痛みが走る。


男は顔を歪めて何が起こったのか自分の体を触ってみた。


特に変わったところはなく心の中で安堵した。


狐は男が簡単にここに入ってきたことに驚いた。


ここにはしっかり結界を張ったはずなのにと回りを確認する。


自分が作った結界は壊れてはいなかった。


なのに、男は無傷でそこにいる。


狐は、どうしても男に近づいてみたくなった。


男は回りを見渡しながら、歩き出している。


狐はパタパタと足を動かしてから、ぴょっんと飛び降りた。



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