表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/24

どんなときも支えてくれる

前回と違い、短い一話です。

「この子は?菫」

紹介しようとすると、稜希が自分から

「菫さんと同じルームメイトです、榎本稜希って言います」

母はいつものように、

「菫がお世話になっております」

すると、稜希はすぐに行くところがあると言って帰っていった。

母は笑顔でわたしに

「あの子、礼儀正しい子ね」

「そう?」

「持っていくもの、まとめたの?」

「うん」

わたしは、その後、お茶をゴクッと飲んで、家を出た。

自転車で学校へ向かうと、寮の方の門に凛果がいた。

いつもみたいに、怒りに来たのかなと思ったが、今日は違った。


「菫さん」

「は、はい?」

「ちょっといい?」

中庭のベンチに座って、少しだけ話をした。

いつもプリプリして、怒るから、今日も怒られると思ったら

今日は違って笑顔。

凛果は稜希と壮太と中学校からの幼馴染で、仲がいいそうだ。

付き合ってる自慢は何もしなかった。

「今度、中庭使える日、バーベキューしません?」

「バーベキュー・・ですか?」

「確か、8月14日は菫さんの班が使える日みたいなので」

「いいですよ!バーベキュー!!」

8月1日から8月31日までの夏休み中は、中庭でバーベキューが出来る。

すべて自腹でやらなければいけないが、思い出作りとしては最高だ。

1年生は15の班があるため、順番が決まっている。

8月14日はわたしたちの班が使える。

凛果が寮部屋に入っていくと、隙を見て、麻由美が走ってきた。

「どうしたの?」

「バーベキュー、やらないかって誘われたの」

「断っちゃえばいいのに」

「ダメだよ!」

「えぇ?」

思ったよりもいい人。

可愛いし、清楚だし、優しいし。


「バーベキューは絶対やろう!ね?」

「菫がいいなら・・いいけど」

部屋へ戻ると、橋本たちが遊びに来ていた。

「橋本ぉ?」

「そっかー!西宮、この班だっただもんな!!!」

「そうだけど・・」

稜希がベットからこっちに向かって、ジャンプして降りてきた。

結構高い段なのに、軽々と降りている。

わたしはそれにびっくりした。

橋本はテンションが上がっているせいで、声が大きい。

「凛果ちゃんに会いに行ってこよーっと!!!!」

「俺の彼女に手ー出すなよ?」

「分かりましたっと!!じゃあ!!」

やっぱり、凛果は幸せ者だと、改めて思った。

壮太から聞いた「稜希は本当は別れたい」。

あの言葉は嘘だと思った。

あんなに幸せそうな顔をしている凛果を見てると

切なくなる。


そして2日後、終業式。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ