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せつない気持ちになってしまう

この出会った運命はもしかしたら、ただの偶然かもしれない。

そう思った理由は、安田凛果という1年B組の女子が現れたから。

彼女はとても可愛くて、愛くるしくて、男子には人気の女の子。

稜希と付き合っていると、自ら名乗り出てきた。

この出会いは偶然の出会いなのかもしれないと、わたしは思った。

「りょうくん、おはよう」

「凛果・・どうしたの?」

「教室に早く着いたから、来てみたの」

「そうなんだ」

初めて会った感じではなく、話し慣れをしている感じ。

二人とも自然な笑顔で話している。

そんな二人を目の前で立ち尽くして見てしまうわたし。

胸がぎゅーっと締め付けられてる感じで、苦しくなってくる。

そのとき、凛果は稜希と腕を組んだ。

さりげなく、凛果はわたしを見下すように睨んだ。

怖くなったというよりも、苦しさが増してきて、わたしはその場を離れた。

とっさに走って、1年A組の教室に入っていた。

「・・・・・」

「おはよう、菫」

「・・あ、おはよう、麻由美」

麻由美はすぐにわたしの表情で何があったか分かるようだ。

席に着くわたしを見て、麻由美は

「稜希くんのことで・・何かあったの?」

「ないよ?別に・・」

「そう。ならよかった」

「え?」

そこに仲のいいクラスの男子、橋本、谷村、吉沢の3人がまたやってきた。


「そういえばよ、稜希、B組の安田って子と付き合ってるらしいぜ」

橋本が言った。

わたしは知ってるけど、あえて知らないフリをした。

「この前、階段の裏側でキスしてるのも見たしな~」

谷村もその話に乗ってくる。

「美男美女カップルか~俺も彼女つくりてぇ~!!」

「バカね、すぐに彼女とか彼氏出来るなら、運命って言葉なんてないよ」

わたしは言ってしまった。

運命という言葉を誰よりも大事にしているわたしは

男子を怒ってしまった。

「運命は運命なの。誰にだってあるんだよ?運命は」

橋本が

「じゃあよ、西宮は運命が来たのかよ」

言われてビックリしたわたしは、その場で固まってしまった。

麻由美に小さな声で

「菫・・?」

と言われ、ハッとしたわたしは

「そ、そそんなもの、わたしはまだだよ!」

「ふ~ん」

橋本が廊下に出て行くと、他の男子もくっついて出て行った。


「まったく、運命を信じない人って許せない」

「そう?」

「え?麻由美も信じてないの?」

「違うよ~。運命は出会うものじゃなくて、見つけるものなんじゃない?」

確かにそうだ。

ジッと席に座っていても、落とした文房具は取れない。

それと同じように、恋も自分から近づかなければ、かなうことはない。

わたしはそれに気づいた。

ただ、トロトロしてゆっくり待っていても、何も運命なんてこないことを。



「さっきの女の子、誰?」

「あ、ルームメイトの西宮菫、A組の女子だよ」

「あの子、気をつけてね?」

「どうして?」

「付き合ってること、信じてないようだから」

「・・・・分かった」

稜希と凛果はバイバイ代わりにキスをして、お互いの教室に入っていった。

そこに翔があわてて、稜希の席までやって来た。

「い、今のって彼女?」

「そうだけ・・」

「俺!!あの子、入学前からずっと気になってたのに~~~~!!」

「そうだっけ?」

翔が気になっていた女の子が、まさか稜希の彼女と知った翔は

一気にテンションダウンした。

そのまま、自分の席に座って、稜希にあっかんべーをした。



4時間目の授業中、わたしは考え事をしていた。

空は羨ましい。

なぜかといえば、何色にも染まらないから。

空の色は白と水色が当たり前。

雨の日は曇ってグレー色になるかもしれないけど、それ以外の色にはならない。

たまに見せる虹は空がその色に恋しているんじゃないかなって思う日もある。

メルヘンチックな想像をするわたしだけど、

現実はそう簡単にうまくいかない。

は~っとため息をついて、ノートに黒板の字を写す。

ボーっとしているとすぐに4時間目は終わり、食堂へ行ける時間になった。


「菫ちゃん!!」

日向ちゃんが笑顔でわたしを呼んだ。

元気がないんじゃないかと心配していたけど、大丈夫なみたいだ。

「テンション高いじゃん、どうしたの?」

小さな声で

「壮太くんのおかげでね、今の彼と別れることに成功したの。」

「え?いいの?好きだったんじゃないの?」

日向ちゃんは言った。

20歳の彼には20歳の彼女がいるということを。

ずっと自分に隠して、二股交際をしていたらしいと。

「だから、別れて正解だよ?苦しくなんかないし、逆にスッキリした」

「ならよかったじゃん!」

「うん!」

いつもの席に座り、『いただきます』

男子たちはいつもどおり、盛り上がっている。

女子は男子が目の前にいるのにも関わらず、ガールズトーク。

日向ちゃんは本当に恋愛の話が大好きだ。


「ねぇねぇ・・あの子って噂の安田凛果ちゃんかなぁ?」

日向ちゃんのさした指の先には本当に凛果がいた。

可愛い系の女子と明るそうな男子と班らしく、一緒にご飯を食べている。

翔はここでも稜希と凛果の関係を話し始めた。


「いつ付き合ったの?」

「・・えぇっと・・入学して2週間後くらい?」

質問はどんどんエスカレートしてゆく。

「キスは一日何回?」

「何で翔に言わないといけないんだよ!」

「だってさぁ~!知りたいから」

目が合ってしまった。

そらそうとするけど、なんだかそらせない。


食べ終わり、わたしは洗濯物を洗濯機に入れようと、寮部屋を出た。

お風呂上りの稜希とわたしは遭遇してしまった。

「ねぇ菫」

「・・・な、何!?」

「夏休み前の強制講習試験、不合格なんでしょ?」

「え?」

稜希の差し出した紙を見てみると、不合格者のところにわたしの名前があった。

「うそ、うそ、うそ・・」

「俺、分からないところ、教えてあげるよ」

「い、いいよ・・誤解されるし」

「いいから」

数学と英語が苦手なわたしは、稜希から覚えておくと得するポイントをいくつも教えてもらった。

英語は国語や数学と違って、言葉を話せるようになれば、自然とかけるようになるから

声を出して、何回も練習すれば、ある程度はかけるようになると。

数学は求め方の式を簡単に覚えてしまえばいいらしく、例であげると面積の求め方。

台形は (上底+下底)×高さ÷2 などすべて覚えておけば、大丈夫だと言ってくれた。


「ここの乗法公式、言ってみて」

「(a−b)(a2+ab+b2)=a3−b3・・・?」

「よし、じゃあここまでにしよう」

勉強の基本だけをすべて習い終わり、勉強は終了。

部屋のドアを誰かがノックした。

「稜希くん居ますか?」

凛果の声だ。

稜希はわたしを3段目のベットに隠れさせ、ドアを開けた。

「どうした?」

稜希を押し倒して、凛果はキスをする。

その様子をボーっと見てしまったわたしはどうすることも出来ない。

ずっとキスをしている二人を見て、涙が出てきた。

「・・りょうくん、好き」

「・・・・・・」

でも、稜希は何も凛果と話さない。

わたしに気を使ってるの?それともいつものことなのだろうか?



凛果が無理やり、稜希をつれて、部屋を出て行ってしまった。

すぐに麻由美と日向ちゃんが部屋に入ってきた。

「す、菫!?」

「・・・・・」

わたしはすべてを正直に話した。

「凛果はそういう人なんだよ?自慢ばっかりする最低な女なの」

日向ちゃんはそう言った。

わたしも同感したが、思い出すだけで切ない。


消灯時間になったが、寝付けないわたしは、屋上に行った。

そこには壮太がいた。

「寝られないの?壮太も」

「あぁ。よく、屋上に来るんだ」

「そうなんだ・・」

「お前も?」

「いろいろあってさぁ・・」

屋上は風が涼しくて、気持ちのいい場所だ。

風も新鮮で、星が綺麗に輝いている。

「星、綺麗だね」

「あぁ。最近は結構出てるんだ」

「へぇ~」

壮太ってクールであまり自分から話す人じゃないと思ってたけど

ちょっと違った。

本当は優しさもあって、みんなと同じ心の持ち主。

「稜希さ、本当は安田と別れたいらしいんだよ」

「・・・・・・・・・えぇ?」

「強引に他の女子にアピールしてるらしくてさ、好きなことを」

「・・・へぇ~・・そうなんだ」

階段から誰かが歩く音がしたため、急いで倉庫の影に隠れた壮太とわたし。

すると、担任の先生が巡回で屋上を見回りに来たのだった。

そのあと、バレないように、部屋に入り、次の日を迎えた。


「おはよう、菫」

「おはよう」

なんだか、壮太の話を聞いた後だと、切なくも苦しくもなくなった。

「昨日はごめん・・」

「え?」

「変なところ、見せ付けたような感じで・・」

笑顔でわたしは

「気にしてないよ」

「本当かよ」

「本当、本当」

あまり相手にしないほうが、自然だと思い、そのままわたしは食堂へ行った。


『いただきます』

麻由美がわたしにこんなことを聞いてきた。

「何かあった?嬉しそうだけど」

「別に何も?」

「最近の菫ってわかんないわ」

「何それ」

今日は休みの日。

休日だから、昼間も外出OKである。

家に帰るのもいいかなと思い、わたしは私服で自転車に乗って実家へ向かった。


実家の前までやってくると、母と父が庭の手入れをしているのを見かけた。

「菫」

後ろを振り返ると、稜希がいた。

「どうして?」

「こっちに行く用事があってさ」

母が気づいて、わたしたちを呼んだ。


「暑いから、家に入りなさ~い!!」

と言うわけで、稜希も一緒に家の中に入った。

わたしの家は1年前に新築に立て直したため、綺麗な家である。

どんな人も招待してもいいようにって父が建て直しを決めてくれた。



菫目線で書いている場面もあれば、何目線でもない場面もあります。

菫と○○は・・・と書いてる部分は何目線でも書いていません。

分かりづらいかもしれませんが、今後ともよろしくおねがいします。


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