修学旅行のバスに遅刻
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「だから早くしろって言ったのにぃ!」
「だって手伝ってくれなかったじゃん! 終わるわけないじゃん! 普通にっ!」
俺とワタコは、マジで最悪な目に遭っていた。
修学旅行の第一目的地ことスキー場へ向かうバスに……乗り遅れました。えへ!
二人してタクシーに乗り込み、バスを追いかけてもらうこと約三十分。
ついにバスがトイレ休憩で道の駅に停車。ようやく皆と合流することができましたとさ。
「おいワタコ! お前のお小遣いから抜いとくからなタクシー代!」
「嫌だ! 割り勘でしょここは!」
「悪いが、俺の辞書にはレディーファーストという文字は無い! それにそうでなくともこれはお前のミスだろ! さぁタクシー代の6000円を払ってもらおうか」
「嫌だぁぁぁ! ただでさえ1万5000円しかお小遣いないのに!」
道の駅で喚くワタコの姿は、この上なくみっともなかった。お前、周囲にクラスメイトがいること忘れてないか? いいのかよ。
『み、見ろ。ワタコちゃんがあんな姿に……』
『本当だ……あんなに可愛かったワタコちゃんが……』
『どうして……』
ほら、皆が愕然としてるぞお前のあられもない姿に。
屋外だというのに、寝転がって駄々をこねるワタコ。俺はこんなのと四日にわたって行動をともにするのか。しかもついさっきは『氷のお風呂にテレポートさせるぞいいのか?』という攻略チャートとはとても思えない発言をしたこんなヤツと、年末年始を過ごすのか。
『駄々こねるワタコちゃん最高だな』
『ご飯十杯はいけるな』
『俺なら二十杯とみそ汁もいけるぞ』
『俺は漬け物もいけるぜ』
いいんだ。クラスメイトたちは、ワタコのこんな姿を見てもがっかりするどころか盛り上がり始めた。一緒に暮らしてみろ、びっくりするぞ?
「ワタコちゃ〜ん! 間に合ったんだね〜っ……きゃあ〜っ!」
そこに現れたのは、天性のドジっ子こと月嶋 有栖だ。一言発すれば、一つドジをかます決まりでもあるのかと疑いたくなるほどに、彼女はドジだ。しかしそれが人気の理由の一つでもある。当然、ファンは多い。
修学旅行仕様の服装ということなのか、その小さな身長にはややブカブカにも思えてしまうような、大きめのコートを着用している。ファンにとっては、内側のセーターとのアクセントが非常に魅力的に映るだろう。髪の毛も、学校にいる時とは打って変わってふわふわだ。
しかし、その月嶋が今まさに足を躓かせて転ぼうとしている。マズい。
ワタコも咄嗟に走り出そうとしているようだったが、アホなのかなんなのか知らないが、また足を攣らせて悶えている。可哀想な攻略チャートだ。
「危なーいっ!」
そこへ栗色の髪の毛をなびかせながら登場したのが、月嶋の親友こと山田だ。まるで王子様のような足取りの軽さで、倒れ込む月嶋の軽い身体をさらにふわりと支えた。お姫様抱っこ状態に。
「きゃっ……ありがとう、百々瀬ちゃん」
「イイってことよ……あとでお土産一個奢りねっ」
なんてヤツだ……




