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《攻略チャートちゃん》登場

「それじゃ、木綿くん! かわいい氷をよろしくね〜むほほほ」


 ばたんという音が響いて、氷の部屋の扉が外側から閉められる。その内側には、座布団に座った俺とベッドで布団にくるまる氷の二人。っていうかおばさんいたんかい。あと最後の笑い声は何?

 

 ーーーさすがは豪邸と言ったところで、氷の部屋だってその一部であることを強く認識させられるレイアウトの造りだった。この部屋、多分二十畳はあるぞ......

 

 小さい時に来て以来......というか、氷の部屋に最後に来たのはいつだったっけ。多分、記憶にも残っていないくらいの昔ーーーきっと、幼稚園に通っていたくらいの頃が最後だったろう。


「むにゃぬぬむん......」


 氷は、ベッドでちょっと奇妙な寝息を立てて、気持ちよさそうに眠っている。

 こんな状態の攻略を、俺が看病しに来て本当に良かったのか? 

 いきなり氷の家を訪ねた俺が、こんなことを言うのはなんだかおかしいような気もするが......いざ隣で眠る氷を見ると、制服のままの俺とふんわりもこもこパジャマを身にまとう幼馴染との相容れない感じが、ちょっと俺を不安にさせる。

 だいたい、いい年齢の高校生たる俺が無防備に眠る女子の部屋ーーー幼馴染という関係ではあるがーーーに入り、おまけに二人きりでいることは何かよくないような気がする。いいのか?


 ......まだ、俺の身体にはさっきまでくっついていた氷のあったかさが残って、残滓のように渦巻いている。うひーっ恥ずかしーっ! いや当たり前だよね? 当たり前だよねドギマギしちゃうのはさ。


 そんなことを考えていると、俺の視界にまたもアレが映り込む。


《ミッションその一 雪原 氷とイチャつけ》


 いや、それ何? 何なのさ。っていうかさ、サブミッションの出現頻度って三日に一回じゃなかった? おかしくない?

 もしかすると、まだ氷から聞き出せていない特徴とかがあるのかもしれない。だって全然、法則性ないじゃんこの《なんとかスクエア》。


*法則性なくて悪かったね*


「ん?」


『見えてるんでしょ? このメッセージが』


 視界左上の表示......そこに、突然メールみたいなポップアップが現れた。そこを見つめ、現れた新たな情報を脳へと取り込む。


『そうそう。今、ボクと目合ってるよ』


「な、何だよこれ。こんなの今までは......」


『いやぁキミたちが全然進展しないから、ボクが出て来ちゃった』


 まるでキーボードをタイプするみたいに一文字ずつ出現する文字列。それが、文章の形を成してから数秒してから消え、また次の文字列が現れる。そして同じ間隔を空けてまた消滅......


『キミに今現れたミッションの表示だけどね? ちょっと今回は一筋縄じゃあ、いかなそうだからボク......「攻略チャートちゃん》が登場してあげたってわけさ。ありがたいと思ってよね』

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