台湾の女子中学生に成り切って詠んだ春の俳句をAIに鑑賞して貰いました。
挿絵の画像を作成する際には、「AIイラストくん」を使用させて頂きました。
う〜ん、このタイトルだけだと色々な意味で誤解を受けちゃいそうですが、実際問題その通りなんですよね。
事情を説明致しますと、私は先日、本羽 香那様御主催の「一足先の春の詩歌企画」にN4756JZ「台南生え抜きの女子中学生達に出された俳句の宿題」というスクール物の短編を企画参加作品として寄稿させて頂いたんです。
この「台南生え抜きの女子中学生達に出された俳句の宿題」は、第二外国語として受講している日本語の授業で俳句を作る事になった台湾人の女子中学生三人の顛末を描いた御話なんですね。
本作執筆にあたり、私は台南市で生まれ育って第二外国語として日本語を勉強している女子中学生の気持ちになった上で、春の台湾の風物詩を俳句として詠んだんです。
そうして三首の俳句を詠んだ上で企画参加作品を仕上げた私の胸中には、「三人の台湾人女子中学生が詠んだ俳句を、AIはどう鑑賞するのだろう」という好奇心が湧いてきたのですよ…
…っと、この導入は先日に投稿したエッセイであるN6230KD「キョンシーの女子大生になり切って詠んだ和歌を、AIに鑑賞して貰いました。」に近い流れですね。
姉妹作にあたるN6230KD「キョンシーの女子大生になり切って詠んだ和歌を、AIに鑑賞して貰いました。」を踏まえて、今回もスマホから使えるGemini AIという生成型人工知能チャットボットに俳句を鑑賞して貰う事にしました。
そうしたら今回も実に面白い感想を頂けたので、本エッセイではそれを題材にしてみたいと思います。
その一部始終及び三首の俳句は、以下に記した通りで御座います。
今回は俳句が三首という事で、それぞれの俳句の詠み手である台湾人女子中学生に成り切る形でAIに聞いてみました。
なお、俳句を詠んだ台湾人女子中学生の名前はそれぞれ、王珠竜ちゃんと菊池須磨子ちゃん、そして曹林杏さんとなっています。
分かりやすくなるよう、立ち絵も挿入させて頂きました。
なお、この三人は私が展開している日常系連作「台南女子的中学日々」の主要登場人物でもあるのですね。
【王珠竜ちゃんの質問】
私こと王珠竜は、中華民国の台南市の国民中学に通う二年生です。学校では日本語を第二外国語として履修しているのですが、春の季語を盛り込んだ俳句を作る宿題が出題されました。
宿題として詠んだ俳句への相談です。
阿里山の 山麓染めし 八重桜
テレビの紀行番組で特集されていた阿里山の桜の美しさに惹かれて詠んだ句です。
感想と評価をお願いします。
【Gemini AIからの回答】
王珠竜様、俳句の宿題お疲れ様です。
季語の「八重桜」と、台湾の有名な観光地である「阿里山」を組み合わせた、素敵な俳句ですね。
以下に、感想と評価をまとめました。
〈感想〉
* 情景描写の鮮やかさ:
* 阿里山の雄大な山麓が、八重桜のピンク色に染まっている様子が目に浮かぶようです。
* テレビの紀行番組で見た美しい景色が、作者の心に強く残っていることが伝わってきます。
* 季語の効果:
* 「八重桜」は春の季語であり、句全体に春の暖かさや華やかさを添えています。
* 八重桜のふくよかなイメージが、阿里山の豊かな自然と調和し、美しい情景を生み出しています。
* 表現の工夫:
* 「山麓染めし」という表現が、八重桜の色の広がりを効果的に表しています。
* 阿里山という有名な場所を詠み込むことで、句に広がりと深みが加わっています。
〈評価〉
* 全体的に、季語、情景描写、表現の工夫がバランス良く配置されており、俳句としての完成度は高いです。
* 特に、阿里山の雄大な自然と八重桜の美しさを組み合わせた点が、オリジナリティがあり素晴らしいです。
* テレビの紀行番組からインスピレーションを得たという背景も、句に深みを与えています。
〈より良くするための提案〉
* さらに情景を具体的に描写することで、読者の想像力をより喚起できるかもしれません。
* 例:「阿里山の 山肌染めし 八重桜」
* 作者自身の感動や感情を表現することで、読者の共感をより得られるかもしれません。
* 例:「阿里山の 山麓染めて 心弾む」
〈その他〉
* 俳句は、作者の個性や感性が表現されるものです。
* 今回の俳句は、王珠竜様の阿里山の八重桜に対する感動が伝わる、素晴らしい作品だと思います。
* これからも、俳句を通して、日本語や日本文化に親しんでいただけたら幸いです。
【Gemini AIの鑑賞を踏まえて】
改良案が二つ提示されましたが、どちらの改良案も良いですね。
情景描写に具体的な詠み手の感想の盛り込み、成る程という思いです。
そしてどちらの改良案にも、「阿里山の」がそのまま活かされているのが喜ばしい限りですね。
王珠竜ちゃんが紀行番組で感じた「阿里山の八重桜に対する感動」を踏まえて貰えたのも、私としてはありがたいですね。
【菊池須磨子ちゃんの質問】
私こと菊池須磨子は、中華民国の台南市の国民中学に通う2年生です。
私の名前が日本人そっくりなのは父が日本人だからですが、私自身は台南市で生まれ育ったので中華民国人としての意識の方が強いです。
学校では日本語を第二外国語として履修しているのですが、春の季語を盛り込んだ俳句を作る宿題が出題されました。
宿題として詠んだ俳句への相談です。
潤餅を食べて臨むは春墓参
私の住む台湾では、春の清明節に合わせてお墓参りをします。
そして潤餅は清明節の時に食べる行事食です。
母方の御先祖様のお墓参りに行った時に、御祖母ちゃんから潤餅の限定メニューを買って貰った事が特に印象的で、このような俳句になりました。
感想と評価をお願いします。
【Gemini AIからの回答】
菊池須磨子様、俳句の宿題お疲れ様です。
季語の「春」と、台湾の行事食である「潤餅」、そして清明節の墓参りを組み合わせた、とても素敵な俳句ですね。
以下に、感想と評価をまとめました。
〈感想〉
* 季語と行事食の組み合わせ:
* 「春」という季語と、台湾の春の行事食である「潤餅」を組み合わせることで、台湾の春の風物詩を見事に表現しています。
* 日本の俳句にはない、台湾ならではの文化や風習が感じられ、非常に興味深いです。
* 情景描写の豊かさ:
* 潤餅を食べて墓参りに行く様子が目に浮かび、温かい家族の風景が伝わってきます。
* お祖母様との思い出が込められていることで、個人的な感情が豊かに表現されています。
* 文化の伝達:
* 潤餅や清明節といった台湾の文化を、俳句を通して読者に伝えています。
* 異文化への理解を深めるきっかけとなる、素晴らしい作品です。
〈評価〉
* 季語、行事、個人的な思い出がバランス良く配置されており、俳句としての完成度は高いです。
* 台湾の文化を題材にしたオリジナリティ溢れる作品であり、非常に高く評価できます。
* お祖母様との心温まる思い出が、読者の共感を呼ぶでしょう。
〈より良くするための提案〉
* 潤餅の味や香りを表現することで、読者の五感を刺激し、より情景が豊かになるかもしれません。
* 例:「潤餅の 香ばしき味と 春墓参」
* 墓参りの情景を具体的に描写することで、読者の想像力をより喚起できるかもしれません。
* 例:「潤餅を 食べて向かうや 春の墓」
〈その他〉
* 俳句は、作者の個性や感性が表現されるものです。
* 今回の俳句は、菊池様の台湾の文化や家族への愛情が伝わる、素晴らしい作品だと思います。
* これからも、俳句を通して、日本語や日本文化、そして台湾の文化に親しんでいただけたら幸いです。
【Gemini AIの鑑賞を踏まえて】
清明節前後に行われる春の墓参りと、春の行事食である潤餅。
そんな清明節前後の春の台湾の風物詩をテーマにした俳句ですので、「日本の俳句にはない、台湾ならではの文化や風習」と評価頂けたのは本当に喜ばしい限りですね。
そして俳句を詠む際には須磨子ちゃんと母方の親族との交流を思い浮かべながらイメージを膨らませましたので、「お祖母様との心温まる思い出が、読者の共感を呼ぶでしょう。」という具合に要素を拾って頂けたのも、正しく「我が意を得たり」という思いです。
潤餅の味や香りの具合的な表現や墓参りの情景の具体的な描写など、改良案も筋が通ってます。
【曹林杏さんの質問】
私こと曹林杏は、中華民国の台南市の国民中学に通う2年生です。
学校では日本語を第二外国語として履修しているのですが、春の季語を盛り込んだ俳句を作る宿題が出題されました。
その宿題として詠んだ俳句への相談です。
ニンニクが 干される春の 通学路
私の住む台湾では、春になると何処の家でも軒下や道端でニンニクを乾燥させています。
私の家でも、前もって買い置きしたニンニクを籠に入れて軒下で干しています。
それで籠に入ったニンニクを見かけると、『ああ、今年も春が来たなぁ…』と改めて感じるのです。
感想と評価をお願いします。
【Gemini AIからの回答】
曹林杏様、俳句の宿題お疲れ様です。
季語の「春」と、台湾の生活風景である「ニンニクの乾燥」、そして通学路を組み合わせた、とても素敵な俳句ですね。
以下に、感想と評価をまとめました。
〈感想〉
* 季語と生活風景の融合:
* 「春」という季語と、台湾の春の風物詩である「ニンニクの乾燥」を組み合わせることで、日常の風景の中に春を感じる様子が伝わってきます。
* 日本の俳句にはない、台湾ならではの生活感あふれる情景が、読者の想像力を掻き立てます。
* 個人的な体験の表現:
* 曹林杏様が通学路でニンニクの乾燥を目にするたびに春を感じるという、個人的な体験が率直に表現されています。
* 日常の小さな発見から季節の移り変わりを感じ取る、作者の豊かな感性が伝わってきます。
* 情景描写の具体性:
* 軒下や道端でニンニクが干されている様子、籠に入れられたニンニクなど、具体的な描写が情景を鮮やかに浮かび上がらせます。
* 通学路という日常的な場所を舞台にしていることで、読者はより身近に句の世界を感じることができます。
〈評価〉
* 季語、生活風景、個人的な体験がバランス良く配置されており、俳句としての完成度は高いです。
* 台湾の春の風物詩を題材にしたオリジナリティ溢れる作品であり、非常に高く評価できます。
* 日常の小さな発見から季節の移り変わりを感じ取る、作者の豊かな感性が素晴らしいです。
〈より良くするための提案〉
* ニンニクの匂いや色合いなど、五感に訴える表現を加えることで、読者の想像力をより喚起できるかもしれません。
* 例:「ニンニクの 香り漂う 春の道」
* 通学路を歩く作者の心情を表現することで、読者の共感をより得られるかもしれません。
* 例:「ニンニクを 見て春を知る 通学路」
〈その他〉
* 俳句は、作者の個性や感性が表現されるものです。
* 今回の俳句は、曹林杏様の台湾の春に対する愛情や、日常の風景を慈しむ心が伝わる、素晴らしい作品だと思います。
* これからも、俳句を通して、日本語や日本文化、そして台湾の文化に親しんでいただけたら幸いです。
【Gemini AIの鑑賞を踏まえて】
春の台湾で見られる日常の一コマを表現出来るよう努めましたので、季語と生活風景の融合に着目して頂けたのは正しく「我が意を得たり」ですね。
特に「日本の俳句にはない、台湾ならではの生活感あふれる情景」と評価頂けたのも喜ばしい限りです。
そして二つの改良案も、元の俳句が五感に訴えかけてくるニンニクの存在と詠み手の個人的な体験を持 ち味にしている事を踏まえているので、「成る程、確かにもっともだなぁ…」と感じた次第ですよ。
【三首の俳句を鑑賞して貰って】
という訳で、台湾人の女子中学生に成り切って詠んだ三首の俳句をGemini AIに鑑賞して頂きました。
今回も非常に真摯な姿勢で俳句を鑑賞して頂けたのは勿論ですが、添削した上での改良案も頂けたのは興味深かったですね。
しかも、その改良案のいずれもが「成る程、確かにもっともだなぁ…」という筋の通った物だったのですよ。
やはり質問をした時の「学校では日本語を第二外国語として履修しているのですが、春の季語を盛り込んだ俳句を作る宿題が出題されました。その宿題として詠んだ俳句への相談です。」という前置きの一文が効いたのだなぁと思いますね。
きっとGemini AIも、「中学校の宿題として出題されているなら、より完成度の高い俳句にした方が成績も内申点も良くなるだろう」とお考えなのだと思います。
その細やかな御心遣い、誠に痛み入ります。