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091 暗き魔物の森の深層の真相

本日二つ目です

《天の視点》


 時は遡る。


 アイリスが剣王となり、レベルがカンストしてしまって悩んでいたころである。


 レリトニール・テンシラーオン大公爵家第一公子は、剣王アイリスを連れて修行に明け暮れる日々だった。


 ここはオープン型ダンジョンとしては世界でも最も大きいと言われている『暗き魔物の森』の最深層。つまり中心地である。


 ここ『暗き魔物の森』には階層型のダンジョンのような階層がある訳ではなく、魔物の強さで層ができている。


 出てくる魔物のランクが上がるのだ。中心に行くほど魔物の危険度ランクの上がるわけだ。


 魔物は本能的に中心部に集まろうとしていて弱い魔物が淘汰されて層ができているのである。


「レリトニール公子様。どうやらあの巨木が目的地なのでは?」


 それは黒い巨木。


 恐らく人類として初めて目にしたはずの巨木だ。


「話に聞く世界樹のように巨大だね。この辺は遥か遠くからは山があると思われていたがこんな巨木があったとはね」


 レリトニール公子が答えた。


「あの木の周りは特に強大な魔物が生息しているようです。ほら金龍、銀龍。あの大蛇は伝説のケェツァルコアトルでしょうか。この距離からでもハッキリと姿が認識できると言うことは相当に巨大だと思われます」


「へー。そんな怖い魔物がいっぱいいるんだ。今回は、あの巨木にタッチしたら帰るって目標にして、あの辺には魔物が見当たらないからあっちに行こうか」



《アイリス嬢の視点》


「わたくしはその時、公子様ともあろうお方が弱気なことを仰ると思いました。伝説級の魔物はすでに何匹も倒しておられましたし。

 ケェツァルコアトルも有名な魔物ですが、それよりも大きく有名な金獅子やヤマタノオロチなどのSS級の魔物ですら軽々と倒されておられましたから。

 わたくし達は既に最高難易度の階層に入っていたと思います。と言うか目の前にいた伝説級の魔物達でさえそれ以上近付けない階層がその先にあり、それこそが本物の最深層だった言うべきでしょうか。

 とにかく公子様はあそこには魔物が見当たらないから行こうなんて言われておられましたが一目でそこは危険だと感じる存在が潜んでいましたから。これは今から考えると公子様特有のジョークだったのだと思います」


 わたくしはそこで話を切って皆さんを見回した。


 信じられないのだろう。


 そう。わたくしも今だに信じられないのだもの。

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