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079 スタンピードの予兆

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《天の視点》


 ここは混迷を深めるリールセラート王国。とある大臣の部屋である。


「大臣閣下。嘆きの壁から報告が」


「うむ。手筈は整ったのか?」


「はい。五十層のボスをボス部屋から解放し上の階に追ったと報告が入りまりました。次第に各階の魔物の体系がめちゃくちゃにっております。あわよくばスタンピードが発生するかと」


「そうか。我国にあのような陰湿な破壊工作を仕掛けてきておるのだから、これは制裁と言うものだ。せいぜい民に被害が出ないように頑張るのだな」


 閣下と呼ばれたでっぷりと前に突き出たお腹をさすりながら男が呟くように言った。


 まさか大臣は己が仕掛けた嫌がらせが明るみにでるとは思ってもいなかった。


 この時、リールセラート王国はラッシート王国に事実上の戦争を仕掛けていたのだが、閣下とよばれた男はもはや冷静な判断など出来なくなっていた。


 リールセラートは超大国になんの勝算もなくなんの戦略的な目的もない行動に出ようとしていた。単なる嫌がらせのつもりだったと後にリールセラートの情報担当の大臣は言い訳をしたが誰も聞き耳を持たなかったのは言うまでもない。


 後世に『書を以て国を窮す』と言われた一連の出来事が最終局面に至ろうとしていた。


 リールセラート王国は新興国であったがゆえに情報工作に力を入れており、レリトニール公子の遊びとして発表された外征論を本物と勘違いしたことが全ての発端だったなどと後世の歴史家すら思いもよらなかった。


 天才が仕掛けた罠は見事にハマってしまったと事実関係を全て知った者は確信することとなる。


 それは、この事件が明るみに出た直後のことであり、歴史家の公式見解となるのもその直後のことで、誰も疑いもしなかった。

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