076 はい。わたくし頑張ります。
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《剣王アイリス視線》
良かった。あのままの流れでリージィー様とお二人でなんて絶対にダメ。
「公女様。いくら公女様でもレリトニール公子様とお二人での修行はおやめになってください」
わたくしは深々と頭を下げてお願いした。
「ごめんなさい。皆さんから先に承諾を頂いてからお願いすべきでした。皆さんのお気持ちを考えればそんなことは」
「いえ。そんなことを申し上げているのではないのです。公女様のことは奥様から。お立場は我々と同じく公子様の妃候補と聞いております。公子様にアプローチなさるのはご自由になさって頂いていいのです。もちろん数が多いので順番を守って頂けるならわたくし達も安心ですが」
「もちろんです。皆さん達とは仲良くできればと思っています。新参者なので色々教えてください。公子様のお好きなものとか」
「はい。公子様は可愛いものが大好きです。この間も子犬が、、、、」
《女子トークを割愛します》
わたくしは公子様のことを話すと少し饒舌になってしまう。喋りすぎたかしら。でも公女様も目をキラキラさせて聞いてらっしゃるし大丈夫ですよね。
「そうなのですねぇぇぇ。公子様にはそのような一面がぁ。ますます素敵に思えてきましたぁ」
「もちろんです。あ。それよりも、公子様と二人での修行ですよね。あれはレベル200以下では危険なのでおやめになった方が良いのです。
もし、公女様がレベル200以上であってもまだ不安があります」
「レベル200でも不安があるのですか? わたくしはレベル215ですが、、、」
公女様。一気に心配そうに。表情の変化が可愛い方。しかしレベル215とはさすがだ。
「そんなに。なるほど試験結果から相当な実力をお持ちとは思っていたのです」
「はい。リザ様はあんなことをなさった方ですがレベル上げをとても重視されていまして、わたくしのレベリングをしっかりとして頂きました。二つ名まで付けて頂けるように有名になりましたのもリザ様のおかげであったと思います。公子様の寛大なお裁きによりリザ様も学園生として招いて頂いて感謝しております」
なるほど。彼女はリザ様をとても頼りにしていたのだ。魅了が解けてもまだリザ様を思っていると言うことは、リザ様が魅了中に悪いことはしなかったと言うことなのだろう。
さすがに公子様は見る目が高い。あの状況でリザ様に何のお咎めもない上に学園への入学を画策されるのを不思議に思っていたのだけど。
「リザ様のことは心情的には複雑な気持ちはあるのですが、公子様のご裁可に異を唱える者はおりませんし、公子様は何故かあの気さく過ぎるリザ様の話し方をお気に召しておらるようなので、わたくし達はそれを受け入れるだけです。
なによりもリザ様とお話しなされておられるお姿を拝しますととても楽しそうで妬けてしまいますし、、、」
《ガールズトークを一部割愛します》
「、、、ですが。それでも公子様とお二人で修行すれば地獄を見ること間違いありません」
「じ、地獄ですか?」
「はい。公子様は素手でレベル400超の魔物を引きちぎられます。レベル500超のS級の魔物すら武器や魔法なんてお使いになられないんですよ。
あの方はその方法が最も効率的だからと仰いますが」
「はい? でも剣豪のベッソ教官の斬撃を片手で受け止めていらしたものね」
「あんなのはわたくしにでもできます」
「できるんですね」
「公子様のはもっともっとえげつないのです」
「えげつないのですか?」
「魔物が可哀想になることが本当にあるんです。最近はわたくしも公子様についていけないのですもの」
「はい?」
次第に魔女っ公女の表情が曇ってきた。
「なので、わたくしが変わって公女様を」
「なんだか怖くなってきましたわ」
「はい。公子様のお妃様になるとはそう言うことです。従者の皆が頑張ったのそう言う意味です」
「なるほど。わたくし頑張ります」
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