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075 俺なんかよりもずっと安心だね

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《レリトニール公子視点》


「レリトニール公子様」


 呼び掛けてきたのは、魔女っ公女リージィー嬢だった。先々代の王弟の孫娘ちゃんで転生者リザ嬢の秘蔵っ子だ。


「何だい?」


「あの。皆様はどのような修行をなさってあのようにお強くなれたのでしょう?」


「皆さん?」


「はい。公子様の従者の皆様ですわ」


「ああ。そうか。どうしてなの?」


 俺も聞きたかったので女忍さんのエーメラルダ嬢に尋ねた。賢者リビエラ嬢は三年生さんなのでこのクラスにはいない。


「わたくしは、基礎は実家でお父様に仕込まれました。ですが皆、レリトニール公子様の教えで強くなれたのだと思います」


 え? 俺?


 俺は不思議になって自分を指差しながら首を傾げた。


「はい。レベル上げについてはレリトニール公子様が効率的と」


 ああ。ゲーム理論のことだ。レベルを上げるには自分よりも高いレベルの魔物を討伐しなければならない。それがこっちの世界の仕様だ。


「ああ。そのことか。そんなことなら簡単だよ。教えてあげようか?」


 俺がそう言うと魔女っ公女リージィー嬢は嬉しそうな顔をした。


「自分よりも強い魔物を倒しまくるんだよ。そうすればガッポリ経験値が入るから効率的に強くなれるよ」


 俺がそう説明すると魔女っ公女リージィー嬢は目を丸くして驚いた。


「ですが自分よりも強い魔物と闘えば生死に関わるのでは?」


「ははは。ガチで戦ったらダメだよ。勝てるように策を使わなきゃ。魔物よりも我々は頭がいいんだから。例えば罠を仕掛ける。バフ。デバフをうまく使う。魔法武器を使う。魔法薬を使う。召喚獣を使う。召喚のスキルが無いなら、テームされた魔物を使うなんて言うのもあり。魔法防御でガチガチに身を守って戦う。これらの様々な方法を複合的に使ってレベリングするんだよ」


 俺がそう説明すると魔女っ公女リージィー嬢は目をキラキラさけて納得していた。


「公子様。是非わたくしも公子様のやり方を実地で教えて頂けませんか?」


 可愛い。


 俺は二つ返事で魔女っ公女ちゃんの可愛いお願いを承諾しようとした。しかし珍しく横から剣王アイリス嬢が割って入ってきた。


「お待ちください。公子様がわざわざそのようなことにお出張(でば)りなさる必要はございません」


 なんか凄い勢いで否定してきた。周りを見ると俺の従者達がなぜか全員うんうんと頷いている。頷いていないのは付き合いの浅い亡国のお姫様メーラシア嬢ぐらいのものだった。


 どうやら俺の身を案じて言ってくれているのだろう。メーラシア嬢はやはり付き合いが浅いから心配してくれていないのか。


 悲しい。


「公子様。彼女の願いはわたくしが責任をもって叶えて差し上げますのでご安心を」


 剣王が守ってくれるって言うなら俺なんかが教えるよりもずっと安心だ。


「ああ。アイリス嬢に任せるよ」

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