066 一緒に登校しよう
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《レリトニール公子視線》
本日は、初登校である。で、俺は超重大なことに気がついた。
俺は13歳の今まで男の子の友達が一人もいなかったのだ。思い出せば俺の周りは女の子ばかりだった。
物心付くまでは、姉に猫可愛がりされ、少し大きくなってからも姉と従者達に可愛がられた。
それからは修行に行くのも従者達と一緒だった。
たまたま、同じ寮に男の子がいる。今日は二人を誘って登校しようと思い立ったのだ。
「申し訳ないけど、今から僕は一人で登校するので皆は後でゆっくり一緒に来るといいよ」
「は? そんなことが許されるとでも?」
怖わ。
「リビエラ。怖いよ。たまには男の子と友好を深めるのも良いことだろ? 男の話もあるしね」
俺はリビエラを宥めるように言った。
「お友達ですか? どなたです?」
まぁ、そう聞くよね。
「ああ。同じ寮の二人だよ。今から誘いに行く」
「はあ。レイバーン様とテンペフェレッツ様? いつのまにお約束を?」
「ははは。晩餐会の時だよ。お酒を注いだだろ?」
口から出まかせである。
「そうなのですか。お約束したとあれば仕方がありませんが、どうか今後は事前に教えてくださいませ」
「ああ。忘れてて申し訳ない。じゃあ。行ってくるよ」
俺はさっさと誘いに行くことにした。先に行っちゃったらいけない。
☆
「シュレディ・レイバーン君。一緒に学校に行こう」
俺は、レイバーンの寮の階まで行くとドアをノックしながら叫んだ。
俺達は、まだまだ13歳の子供だ。遠慮なんかしていられない。
☆
《槍のシュレディの視点》
「坊ちゃま。お外でテンシラーオン大公爵家のご子息様がお呼びのようです」
な。突然どうしたと言うのだのろうか?
「どうしたら良い? 爺」
「坊ちゃん。お待たせしてはなりません。直ぐにお迎えなされ」
「うむ。そうするよ」
俺は慌てて階の入り口に向かって走った。
公子様をお待たせするなどもってのほかだ。
ドアを開けるとあの見惚れるような美貌が満面の笑みを湛えて待っていた。
☆
《レリトニール公子視線》
お、出てきた。出てきた。
「シュレディ・レイバーン君。一緒に登校しようと思って誘いにきたよ」
俺がそう言うと槍のシュレディーは、目を大きく見開いて驚いた。
「呼び付けてくだされば直ぐに駆けつけますのに」
「何いってんの。僕の方が階が上なんだから寄っていけばいいよ。明日からは下のロビーで待ち合わせよう」
嫌じゃないよね。いいよね。
「はい。分かりました。明日は下のロビーで待ち合わせましょう」
やった!
約束したからね。
「じぁ、次はアドリュート・テンペフェレッツ君を誘いに行こう」
「あ。はい。ですが用意ができてませんので」
「そんなの後で誰かが持ってくるって。さあ、行こう行こう」
俺は急かすように言った。疾風ドリューが行くまでに誘わないといけないからね。
☆
《アドリュート・テンペフェレッツの視点》
「坊ちゃん」
爺やか。慌ててなんだ? 爺やがこんなに慌てているのは珍しい。しかし坊ちゃんはやめろって言ってるのに。
「だから爺や。坊ちゃんはやめろといっているだろう」
「そんなことより。入り口でレリトニール公子様が坊ちゃんをお呼びです。お待たせしてはいけません」
は?
なぜ?
「どういうこと?」
「分かりませんがシュレディ・レイバーン様もご一緒のご様子です。わたくしがお迎えするよりも坊ちゃんが出迎えるのが良いと愚行いたし、急いで呼びにきた次第です」
「ああ。さすがに爺やだ。高貴な方を使用人に出迎えさせたとあっては末代までの恥。さっさとお迎えせねば」
俺は急いで入り口に向かって走った。
一刻も早くと焦ってドアを開くと、あのとんでもない美貌の公子様が満面の笑みで待っていた。
「アドリュート・テンペフェレッツ
君。一緒に学校に行こう。迎えにきたよ」
「はい?」
こうして俺は二人と一緒に登校することになったのだった。
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